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【第2章】トップダウン型人材育成では 社員のモチベーションは上がらない

組織の機能不全を示す5つの兆候

皆さんの組織に次のような機能不全の兆候はないでしょうか。
図をご覧いただくとわかるように、下にあるほどよくある問題で、上にいくほど深刻な問題になっていきます。
皆さんの組織ではいかがでしょうか。読み進めながらチェックしてください。

組織の機能不全

第1段階:信頼の欠如

組織のメンバーがそれぞれにお互いを心から信頼できていないため、本音で話すことができない状態です。組織を機能不全に陥らせる最も根本的な原因で、日本人の場合、人との摩擦を極力避け、波風を立てないようにする意識が強く、事を荒立てるような意見や態度は歓迎されないことが多いため、つい周りに合わせがちです。言いたいことも言えず、一見仲良く見えてもそれは表面的であり、心の底では警戒感を解いておらず、安心・安全な関係を作れていないと言えます。

第2段階:衝突への恐怖

信頼をベースに、互いにオープンな気持ちで言い合える関係を構築できていないわけですから、当然、激しく議論を戦わせるなどの衝突が起こりません。相手の本音がよくわからない恐怖から、議論になっても踏み込み切れないのです。会議で活発に意見交換ができず、議論が深まらず、なかなか結論を出せずに決定の先送りや曖昧なままの状態が続きます。

第3段階:責任感の不足

徹底的に議論がされないまま結論が出せず、「また次回」と問題解決が先送りにされると、やがて時間切れによるイチかバチかの勝負に出ることになります。また、仮に「決めごと」が成立しても、心から支持されていないので、実行されない「面従腹背」の状態が発生しています。

第4段階:説明責任の回避

自らが責任を取っていないときに、他者に対して責任を求めることは通常行いにくいものです。責任を分担している他のメンバーに説明責任を要求しない段階です。自分の役割や担当部分の進行状況をチームのメンバーと共有せず、かつ他のメンバーの役割の進行状況や仕上がり具合などの説明を求めないことは、メンバー同士のチェックが利かず、個人任せの状態となります。

第5段階:結果への無責任

連携のない組織は個人プレーに走り、個々が、自身のキャリア開発や評価などの個人的な要求、もしくは自分の部門の要求を、組織の全体的な目標よりも優先させようとします。
こうなると、組織全体の成果への無関心が起きてしまいます。

これらの機能不全は一つひとつが関連しており、また、必ず下の段階から発生するものではなく、途中の段階がいくつかが顕著に表れるときもあります。

○次回は
【第2章】トップダウン型人材育成では 社員のモチベーションは上がらない
の中から、
『「人材育成」は「風土改革」とセットで進める必要がある』
を掲載予定です。

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