「成功の呪い」を解くはなし
「挫折を経験しないとダメ」
「政治家や医者になるなら、人の痛みが分からない」
「成功してみると/金持ちになっても結構むなしいもの」
【成功 × 神社】をテーマに本を書いていると、こうした「成功することへの呪い」に触れることがあります。
私自身、こんな本も書いてます。
もし本書をパッと見て
「挫折しないとダメなのかな?」
と思わせてしまったなら当方の失敗です。
「挫折しても大丈夫だよ」がお伝えしたいメッセージだった。
しかし、挫折は必須ではありません。
「わざと挫折する」
なんて訳わからない😆。わざとしたら
挫折の良い面での「効果」が出ません。
よく知られた
「成功を呪う物語」があって
それが
What Really Matters in Life?
Mexican Fisherman Meets Harvard MBA
です。
訳すと、
「本当に人生で大事なことは何か?
メキシコの漁師がハーバードMBA卒に会った話」
MBAはビジネススクールの経営学修士のこと。
ハーバード大学のビジネススクールを卒業したアメリカ人のビジネスコンサルタントが、メキシコの漁師と会話する物語です。
いたるところで紹介されている話ですが、ざっくりこんな会話です。
ビジネスコンサル
「その魚を釣り上げるのにどれくらいかかったのですか?」
漁師
「数時間くらいかな」
ビジネスコンサル
「なんでもっと長く海に残って、もっと魚を獲らないんですか?」
漁師
「家族が必要としている分があればそれでいいのさ。」
ビジネスコンサル
「では、仕事以外のときは何をして過ごしているんですか?」
漁師
「遅くまで寝て、魚を少しばかり獲って、子どもと遊び、妻のマリアと一緒にゆっくり昼寝をして、夕方頃には村に散歩に出て仲間たちとワイン片手にギターを弾いて楽しむね。本当に充実した毎日だよ」
それを聞いて、ビジネスコンサルは鼻で笑いながらこう言いました。
ビジネスコンサル
「私はハーバード大学を卒業してMBA(経営学修士)を取得したコンサルタントです。
そこであなたに助言をしましょう。まず、あなたはもっと漁をする時間を長く取るべきです。
そして、大きな漁船を買ってください。
そうすれば、もっと魚を取ることが出来て、さらに多くの船を買うことができますよ。
最終的には大きな漁船団を手に入れることが出来るでしょう」
「仲介業者を挟まずに獲れた魚は加工業者に直接出荷しましょう。最終的には自分の加工工場を作ることが出来るでしょう。
製品、加工、流通に関してすべて自分でコントロールできますよ」
「そうしたら、こんな小さな漁村を離れてメキシコ市に移り、その後ロサンゼルスに、最終的にニューヨークへ進出するんです。
あなたの大きくなった会社を経営できるようにね」
それを聞いた漁師はコンサルタントに聞きます。
「で、それはどれくらいかかるんだい?」
ビジネスコンサル
「15~20年くらいですかね」
漁師
「じゃあ、その後は?」
コンサルタントは興奮気味に答えます。
「ここからが最高ですよ。あなたの会社を株式公開して、自社株を大々的に売り出すんです!あなたは巨万の富を手に入れ、一躍億万長者に成り上がるのです!」
漁師
「巨万の富か…それで、次は?」
コンサルタントは満面の笑みで答えます。
「そしたら、大金を持って早期リタイヤですよ!あなたの好きなことがなんでも出来るんです!遅くまで寝て、魚を少しばかり獲って、子どもと遊び、妻のマリアさんと一緒にゆっくり昼寝をして、夕方頃には村に散歩に出て仲間たちとワイン片手にギターを弾いて楽しんだりできるでしょうね!」
ーーーーー
ここまでお読みになれば分かるように、アメリカ人ビジネスコンサルへの皮肉として書かれた物語です。
すでにメキシコの漁師さんはコンサルが語るこの夢を実現しているのですから。
ハーバードを含む有名MBA出身者へのアンチ小話ですね😆
ただ、この話、私からすれば
「めっちゃ呪いの話」です。
だって、この話を読んで共感した人が
早期リタイヤして漁師などするでしょうか?
もし「する!」というなら、上記の物語は、呪いをとく「解放の物語」でしょう。
漁師じゃなくとも農家とかでもいい。
この話を信じるなら、ビジネスの成功者よりかんたんに幸せになれるのだから、今すぐ漁師でも農家でも始めればいいのです。
しかし、単にMBAアンチになって
ハーバードなどの
MBA出身コンサルタントの
悪口を言うだけなら
「呪い」の話です。
お金でしか物事を
見ることができないのに
お金が手に入らない人が叫ぶ
呪いの物語かなとも思います。
なぜなら、会社を大きくするための
「15~20年くらい」
は最高に興奮するからです。
「ここからが最高ですよ」
じゃない。
最高なのは
「ここまで」です。
私もいわゆる大きなベストセラーを出版できましたけど、
ベストセラーを出版した「後」が最高だったか? と問われると意味不明です。
書いている時のギラギラしている時は
興奮していますが、
終わった後はいわば祭りの後。
お買い上げいただいた方やよく読んで中身を受け取ってくださった方に「ありがたい」と感謝して完了です。
仮に私が会社を大きくして億万長者になったら「早期リタイヤ」なんてしません。
あなたの好きなことがなんでも出来るというなら、魚とって昼寝して散歩して夕方からワイン飲むなんて枯れた生活はしない。
「もっと会社を大きくして」
「もっと稼ぎます」
体力が続く限り、もっとギラギラできるじゃないですか。
私に当てはめても、大きなベストセラーを出したら、それでリタイヤなんてそんなバカな話は無い。もっと言論の爆弾を世の中に投げ込みたくなるものです。
成功の幸せは結果にはありません。
成功するまでのプロセスに幸せがあります。
もちろん良い結果が出ればそれに越したことはない。
お金は不幸を避けることができるからです。
「不幸の回避」や「不満の発散」はお金で買えます。
作家の例でいえば書いた本が売れなかったら不幸です。
しかし、幸せは結果やお金では買えません。
上記の漁師とMBAの物語って実は
「ビジネスの不幸のはなし」
しか書いていません。
ビジネスにおける幸せが
すっぽり抜けています。
なので
・働きたくないひと
・働く喜びを忘れてしまった人
が喜ぶように書かれた話でしょう。
上記の物語でビジネスにおいて
「これは幸せだろう」
と思う箇所があります。
ここです
↓↓
「製品、加工、流通に関してすべて
自分でコントロールできますよ」
これ、相当に幸せな状態です。
仕事の幸せは自由裁量が大きいほど多くえられるからです。
呪いが解かれた状態といってもいい。
呪いは誰かにコントロールされることだからです。
自分ですべてコントロールできるなら、完全に呪いから解放された状態です。あなたの好きなことがなんでも出来ます。
そう考えると、ビジネスのすべてをコントロールできるのに早期リタイヤする人なんてどこにいるんだ?! って話です。
もちろん高齢だったり病気や家庭の事情だったりがあるならば、大金があるからリタイヤは理解できます。
しかし元気ならば、枯れないで何かやるでしょう。
お金をたくさん得る過程で、幸せやワクワクを強烈に味わったのですから。
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