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とある酒席で「孤独死、上等です」と言ったのですが、それで10年以上前に読んだ本を思い出しました。

『ひとりで死んでも孤独じゃない―「自立死」先進国アメリカ 』(新潮新書)

ちょっと考えさせられる内容だったのです。

孤独死問題って日本ではよく言われそうよね。死後に何週間も経ってから発見されるというものです。

2030年には単身世帯が全体の4割に迫るそうで、孤独死が急増するのでは? と言われています。

またそれがために、自分が単身世帯になったらどうしよう?!と不安に思う人も多いですよね。

そこで、海外の例が本書で示されます。

いわく、

「北欧諸国ではすでに単身世帯が4割近くになっているよ」

「アメリカ人は死ぬのは1人と思っているよ。歳とって体力が衰えても、子供や孫と一緒に住もうとは考えない。何らかの障害や病気をかかえていても、可能な限り長く住みなれた自宅で自立した生活を続けようとするし、それがいよいよ難しくなれば、老人ホームや介護施設などへ入居するよ」

ようするに、

「孤独死、孤独死騒ぎすぎでは? 若者までが『孤独死する老人は将来の自分の姿では』と真剣に悩んでいるけど、それは異常でしょ??」

と主張します。

同時に、

「日本では生活保護の申請拒否などで独居者が餓死することしばしば。でも貧しい独居者が多いアメリカで、餓死事件をほとんど聞かない。食料クーポンの支給と、NPOの充実による救済がカバーしているから」

「アメリカで、日本の孤独死の実態を話すと、みな言葉を失う。死後何週間も経って遺体が発見され、その遺体を片づける遺品整理屋ビジネスが存在することも、アメリカ人には信じられない様子。アメリカは1人で生きることを前提にした社会だからこそ、独居者の孤立を防ぐ支援サービスを積極的に行っている。ところが日本では、単身世帯が増加するなかで、孤立する独居者が急増している」

まとめると、

1人で生きて死ぬのが当たり前のアメリカ・北欧諸国と、それが当たり前じゃなかった日本。しかし、その日本で、1人で生きて死ぬことが増えてきて、それに制度も人の心も追いついていない。

ということです。

本書の出版から12年経たち、この状況は変化したのでしょうか?

私自身は、「孤独死、上等です」と冒頭で申し上げたように、ひとはひとりで死ぬものと思っています。

よく、「最後に、後悔して死ぬ事だけはしたくない」なんて発言を耳にするのですが、「いや、後悔して死んだっていいじゃないか」とも思います😆

ひとりさみしく絶望して死ぬのも、それもひとつの人生だなと。そりゃイヤといえばイヤでしょうけど、冷めた目で見れば、それもまた経験で。

ですが、

「今この瞬間は」

後悔した選択をしたくない。

死ぬ間際なんて、どうでもいいんです。そんなウン十年先を想像して、考えることに何の意味があるのでしょうか? 余計な心配にも程がありまます。

それよりも、今この瞬間でしょう。

孤独でいえば、今この瞬間、せいぜい今日明日はひとりでいたいのか、誰かといたいのか。それくらいのスパンで考えると、思考に血が通ってきます。

ウン十年先のことを想像しても、前提が不安にもとづく妄想だらけなので、ずれていく一方だと思うのです。

「今この瞬間〜」の延長で、死ぬ間際に何を思うか、どんな状況で死ぬのかわかりませんが、どうでもいいじゃないかと思うのです。

どうでもいいとは投げやりでなく、どういう未来であっても全てOKだということです。

死ぬ時はひとりだとしたら、たとえどんな死に際でも、もう世間は無い。あるのは自分ひとり。

だったら、もう心置きなく自分を肯定できるんじゃないでしょうか。他人の目を気にする必要はゼロなのですから。

生きている間は、人との比較や、自分自身の過去との比較もあり、なかなか肯定しきれないかもしれません。

ですが、そういうものを全て取っ払って、自分と1対1になったら、肯定するのも否定するも、本当に自分次第です。

その時に、自分で自分にOKを出せればと思うのです。

世間的な幸せとか一人前の条件を満たしているからOKというのでなく、どんな状態でもOKだと。

他人から「あなたはOKだよ」と承認してもらうものじゃありません。

自分で自分にOKを出す。これを、死ぬ間際と言わず、まだまだ元気なうちにOKを出せたら、残りの人生も真っ直ぐ生きられると思うのです。

先の本で、「”ひとり”を孤独にしない社会を」と主張していて、それは賛成です。

集団から外れた人間に対して、日本は世界でもっとも冷たい国とされます。

「功利的集団主義」といって、周りに合わせて集団で行動するのは損得勘定が理由であって、けっして親愛の情から来ているわけではありません。

という実態を、有名な社会心理学者の山岸俊男さんが発見しました。日本人は集団主義に見えるけど、実は個人主義者で、ただその方が得だから集団主義的な行動をしているのです。

そんな集団から外れた人に冷たい日本社会において、アメリカや北欧のようにひとりで死ぬ社会になれば、生きづらい人がどんどん増えるのは、目に見えています。

同時に、私個人のあり方として、孤独に死んでも、自分で自分にOKを出します。

たとえ死ぬ間際の自分が、「あ〜!!なんてオレはアホだったんだ〜!!」と否定しても、今の自分は「それもいいじゃないか」とOKを出します😆

孤独死の恐怖や悲惨さを騒ぎ続ける日本社会から、

「孤独死、怖いだろう〜だから、俺たち(功利的な集団)の言うことに従っておきな、一緒にいなよ」

ってメッセージを感じちゃうんですよね。

自分で自分にOKを出してしまえば、マスコミやネットの大衆を操作するかのような情報は全く気になりません。

だから、「いえいえ。孤独死、上等」ですと申し上げます😆

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