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D&D ファンデルヴァー砕けたオベリスク(13) - ゼフの日誌

D&D 梅しゃんDM「ファンデルヴァー砕けたオベリスク」第13回セッションのリプレイです。ノームのウィザード、ゼフが書いた日誌となっています。D&D公式シナリオ「Phandelver and Below: The Shattered Obelisk」のネタバレを含む可能性があります。ご注意ください。

動く石像

タルハンデレスの捜索を続けている。

突如として部屋に湧いたメフィットの群れ。奥にいるワイトに備えていたため、なんとか不意打ちは免れた。

仲間の半数がメフィットのブレスにより盲目となるも、ポトンの曙光が猛威を振るい敵を殲滅した。

突き当たりの扉の鍵をグレイが解錠し、中をあらためる。分厚い埃に覆われているが宝物庫のようだ。念のため魔道士の手メイジハンドで安全を確認し、足を踏み入れる。

かなりの額の金品を入手。また抵抗を得るポーションと魔法で強化された拡大眼鏡を発見。眼鏡を必要としているのはわしだけなので、試しにかけてみる。手元がなんともくっきりと見えるではないか。これは最高の老眼鏡だ。あまりによく見えるので、呪文書に書いたまま忘れていた呪文が見つかったりしないかと探してみたが、そういうことはなかった。

宝物庫の壁が一部崩れて穴が開いている。体の小さなわしとグレイが潜り抜けてその先を調べた。寝台と扉があるだけの小部屋だ。扉の向こうからは重そうな足音が聞こえる。

間取りを推測し、廊下側の扉と挟み撃ち出来そうだと結論が出る。バーラシュ、ハリオン、ポトンが廊下側に迂回する。合図を伝えるため、鷹の使い魔ジークをポトンの肩にとまらせ、同行させる。

バーラシュ達が廊下側から扉に近づこうとすると、扉の脇に据えられた2体の石像が動き出した。ポトンによればエレメンタルの類であるらしい。石像は「去れ」とだけ警告し取り付く島もない。

一度警告に従って引き下がり、ジーク経由の合図を受けてわしらも合流した。石像たちはあの扉を守っている様子。堅固な防衛陣。中にオベリスクが存在する可能性もありと見て、力づくで突破することに。

石像たちとの戦闘。魔法を帯びない攻撃は通りが悪く、戦闘が長引く気配がする。だが敵は魔法を使うわけでもなく、時間の問題かと思われたその時、石像の1体が後方の瓦礫に手招きのような動作をした。すると瓦礫の石や岩が立ち上がり、石像と同じ形を成して動き出した。2体の援軍を得て石像は4体となった。

前衛のバーラシュとハリオンの攻撃が魔法を帯びているのが心強い。また、ポトンが護りの霊スピリット・ガーディアンズを召喚し、範囲内の敵に確実にダメージを与える。思えば皆、逞しくなったものだ。石像の突進でバーラシュが転倒する等のハプニングはあったが、総攻撃により石像たちを黙らせた。

見てはいけない

肝心の扉である。隊列を整えてからバーラシュが扉を開く。その時、不運なことにポトンが召喚したスピリットの攻撃範囲が室内にまで及んでいた。スピリットは室内の何者かに自動攻撃し、部屋の中から小さな悲鳴が聞こえた。

わしの位置からは見えなんだが、室内からは異様な気配が漂っていた。扉前にいた仲間たちはその圧倒的な存在感に圧され、訳も分からず咄嗟に視線を外した。見たらやられる。そう感じさせる何者かがいるのだ。

その何かは突然の攻撃に憤慨しており、わしらを敵として認識した。共通語で文句を言いながら襲いかかってくる。こちらは相手を視界に入れることもできず、一方的に攻撃される。戦況はかなり苦しい。

痺れを切らしたのか、ハリオンが目を見開いて相手に立ち向かった。しかしハリオンの動きがみるみる鈍り、肌の一部は石と化していった。視線により相手を石にする能力のようだ。どこかで聞いたことがある気もするが、すぐには思い出せない。

徐々に石化していくハリオン。だが彼が石になった未来は予見していない。そのことを伝え、きっと乗り越えられると励ます。ハリオンは研ぎ澄まされた精神の力で石化の呪いを打ち破った。

その勢いのままハリオンは敵に肉薄し、矛による痛烈な一撃で相手の意識を奪った。相手が何もできないこの隙に大量の魔力を込めた魔法の矢マジック・ミサイルを放ちこれを倒した。

その者は人型ではあるが、髪の代わりに蛇が生えていた。何者であったのか今はもう知る術もない。

部屋には祭壇とひざまずいた人型の石像が3体。先ほどの能力を鑑みるに、この石像は生きた人物を石化させたものだろうか。これも詳細は不明である。

謎の教団

休息を挟み先へと進む。多数の扉がある大部屋に出る。部屋の真ん中には4脚の椅子があり、うち1脚は血まみれであった。その周辺には骨も落ちている。バーラシュによれば山羊のものらしいが、血生臭い儀式の痕跡であることは間違いなさそうだ。

扉の1つから妙な雰囲気の男が現れた。物音に気づいて出てきたらしい。彼はオベリスクの存在を知っており、それは真実を語る石であり、彼らの教団の物であると主張した。また、以前廃墟で見たジェムルとかいうモンスターが鍵を握っているとも語った。

その男はグレイに目を留めると「ちょうどよいサイズだ、贄にならないか」と勧誘した。グレイは肩をすくませ「代わりにゼフはどうか」と有難くない推薦をした。なんということを言いだすのか。グレイに断わられた男は悪びれもせず、すんなり引き下がった。しかし冗談にしては目が真剣である。ルキシシッドに感じた教信者めいた雰囲気がある。

男は敵対する様子もなく、詳しい話は奥にいる教祖に聞けと促すと部屋に戻った。念のため他の扉も全て確認したが、どれも似たような狭い居室となっており、オベリスクもそれに関する手掛かりも見当たらなかった。

細い階段を進み下の階層へ。割れたテーブル、金属の箱、それに数種類の骸骨が散乱している。骨はドワーフと、これはマインドフレイヤ―のものだろうか。

その時、軽く眩暈がして幻影を見た。ドワーフがマインドフレイヤ―を追い詰め、テーブルごとハンマーで打ち倒す。そのドワーフがこちらを向き、わしらを手招きする。全員が同じ幻視を得たようだ。

これはドワーフの上質な武具が手に入るのでは、と浮足立つ仲間たち。そちらにいそいそと近づくと、脳を震わせる不協和音が部屋中に鳴り響いた。ポトンとバーラシュが頭を抱えてうずくまる。箱の裏から奇妙なクラゲじみた生き物が浮かび上がった。

クラゲは動けないポトンに近寄り、頭にからみついた。活力を吸収されているのか、ポトンの目が虚ろになり赤らんだ顔がみるみる白んでいく。お腹は、特に萎んだりはしていないようだ。急いでクラゲを退治して引きはがしたがポトンの消耗は激しく、探索を続けるのは危ぶまれる状況だ。休憩すべきかもしれない。これは、相当な量の葡萄酒が必要になりそうだ。

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