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D&D ファンデルヴァー砕けたオベリスク(14) - ゼフの日誌
D&D 梅しゃんDM「ファンデルヴァー砕けたオベリスク」第14回セッションのリプレイです。ノームのウィザード、ゼフが書いた日誌となっています。D&D公式シナリオ「Phandelver and Below: The Shattered Obelisk」のネタバレを含む可能性があります。ご注意ください。
地下世界の冒険者
知性を吸収され呆然としていたポトンは、どうにか呪文を唱え自らを回復させた。さらにポトンは気付け薬だと言って酒瓶を口に当てぐいと煽ると、休憩を取る程ではないと先を促した。この男の回復魔法は常に酒とセットになっているらしい。
グレイの聞き耳を頼りに慎重に扉を開けていく。台所らしき一室に侵入。炭はまだ暖かく、最近まで使われていた形跡がある。書道具に白紙の本、羽のあるトカゲを描いたメダル等を発見。持ち主は見当たらない。
その奥は食料貯蔵庫だ。しばらく使われていないらしく食料は全て痛んでいた。台所は使用しているが食糧庫は手つかず。住人ではなく冒険者が立ち寄って利用したのだろうか。
他に使える物はないか捜索するうちに、グレイが隠し扉の存在に気がついた。ここも慎重を期してバーラシュに開けてもらう。
扉の向こうは本棚と寝台の部屋となっており、2人のドラウと鉢合わせになった。ドラウ達は壁面から突然現れたわしらに驚き、エルフ語で誰何している。エルフ語を解さないバーラシュに代わり、ポトンが応対を引き継いだ。ポトンはファンダリンから攫われた人たちを探しに来た旨を伝え、オベリスクの件は伏せた。
ドラウ達はニサリンとヤンデルという兄弟で、カルトに傾倒した父オンタリクスを探しに来ていた。オンタリクスはテレパシーによる呼びかけを聞いて家を出たのだという。カルトにテレパシー。ルキシシッドの狂信的な眼差しを想起する。
わしらがカルトと敵対している事を知ると、ドラウの兄弟は「父と戦うなとは言わん。だが命だけは助けて欲しい」と言った。2人の真摯な態度に胸を打たれる。ドラウに関するいい噂はあまり聞かないが、この2人は信用に値すると感じさせるものがあった。
兄弟は他にも3人のドラウを同行させていたが、彼らを説得してくれたおかげで、この場を借りて小休憩させてもらうことが出来た。
ドラウ達が足踏みさせられているという門番の排除に向かう。大きな石像の上に女が1人。それにエンセファロン・ジェムルが4体、扉を守っている。女は「ちょうどエサが欲しかった」と言ってジェムルをけしかけた。
どうにかこれを排除したが、バーラシュが何体ものジェムルに吸いつかれ多くの血を失ってしまった。仕方なくドラウ達の元に戻り小休憩させてもらう。出て行ったばかりなのにボロボロで帰ってきたわしらを見てドラウは呆れた顔をしていた。
休憩のついでに本棚の書物を物色するが、ドワーフ語で書かれており読むことができなかった。ポトンに見せたところ地下墓地に関する資料が見つかり、地下墓地への扉を開ける合言葉を知ることができた。
気を取り直して門番が守っていた扉に向かう。グレイが何者かの気配を察知。態勢を整えて扉を開く。そこではフードを被った4人の人物が祈っている最中であった。途切れ途切れではあるが「オベリスクのエサ」や「魂が彼方の領域で捻じ曲がる」などと聞き捨てならない言葉が聞こえた。
フードの連中が気配に気づいてこちらを振り返った。そのうちの1人がドラウ兄弟の父オンタリクスであることを確認。兄弟の名前を出して戻るように提案するがここを離れるつもりはないと言う。カルトの洗脳は非常に根深い様子だ。
こちらの目的を聞かれたのでバーラシュが攫われた町の人を探しに来たと伝える。オンタリクスは知らないと言っているが様子がおかしい。その後ろで奇襲の準備が進んでいることをハリオンが見抜き戦闘となった。
彼らの精神攻撃は強力であったが、わしとポトンのファイアーボール2連撃、それにハリオンの朦朧撃によって敵を無力することに成功した。兄弟との約束通りオンタリクスは生け捕りにして連れ帰る。
兄弟は感謝のしるしとしてこの先の地図を見せてくれた。またこの先に危険な生き物がいるとのことで、一晩の休息の間、見張りを勤めてくれた。ドラウ達は地下世界へと戻るとのことで、ここで別れとなった。またいつか、どこかで会いたいと思わされる若者たちであった。
オベリスクの発見
すっかり元気を取り戻し探索を再開する。オンタリクス達が祈っていた部屋をあらためて調べると、いくつもの洗面器に怪しげな液体が溜められている。好奇心に駆られその成分を見極めようとしたが仲間たちに強く止められてしまい、仕方なく諦めることにした。やつらの精神攻撃を理解する重要な手掛かりかもしれんのだが……。
その先で地下墓地への扉を発見。ポトンが資料で見た合言葉を使い開けてみるという。予見によって、ポトンの舌がもつれて合言葉を言い損なう未来が見えた。わしはラサンダー神の導きを得て慎重に唱えるよう助言する。ポトンはどうにか間違わずに合言葉を唱え、地下墓地への扉を開くことが出来た。だが今はこのフロアの探索が先だ。
地図で見た最後の部屋の前に到達する。中の様子を見るため透視で扉の向こうに視覚を作る。中には卵の集合体のような気色の悪い物体と世話係と思しき男がいる。卵の化け物は目がないはずなのだが、こちらに感づいたようで視線なき視線を送ってきた。だが待て。化け物のそばに例の黒い石、オベリスクが転がっている。
どうやら化け物を倒してオベリスクを回収するほかなさそうだ。わしらは扉から一斉に突入した。ポトンは仲間たちに祝福を与え無事を祈る。
わしはとっておきの呪文氷の嵐を唱えるが、卵の化け物は魔法に対する抵抗力を有しているらしく効果はいまひとつだ。化け物が身を震わせると卵が孵りジェムルが飛び出してきた。長期戦となると面倒なことになりそうだ。
卵とジェムルの相手はバーラシュとハリオンに任せ、わしらは世話係に狙いをつける。グレイの渾身の一矢やポトンの心霊武器、わしの魔法の矢で世話係の男を片づけた。
残るジェムルと卵の化け物はバーラシュとハリオンの猛烈な連撃の前に為す術もなく崩れ落ちた。
ようやくオベリスクのかけらを手に入れることができた。考えてみれば実物を目にするのはこれが初めてなのであった。念のため直接触れるのを避け、魔道士の手でかけらを掴み、荷物の中に放り込んだ。残る2つのかけらも早急に探さねばなるまい。
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