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D&Dリプレイ 緑竜ヴェノムファング - ゼフの日誌

D&D 梅しゃんDM「緑竜ヴェノムファング」セッションのリプレイです。ノームのウィザード、ゼフが書いた日誌となっています。ネタバレを含む可能性があります。ご注意ください。

ドラゴンの噂

サンダーツリーでドラゴンが暴れているとの噂を耳にする。その影響を受けて他のモンスターも活性化しているらしい。ドルイドのレイドスからドラゴンを退治してくれないかと打診される。わしらの実績を買ってくれたようだ。放っておけばファンダリンまで被害が及ぶかもしれない。これを引き受け詳しい話を聞く。

討伐対象はグリーン・ドラゴン。毒のブレスを持つ。ポトンが持つ耐毒呪文があれば耐毒薬は必要ないだろう。ドラゴンの魔法によるものか、その存在自体が影響しているのか、周辺地域にもモンスターが増えているという。特に植物系のモンスターが多いらしい。

グレイは出掛けているので4人でなんとかせねば。どうしても行かなければならない用事があると言っていたが、先にドラゴンの噂を耳にしたのではなかろうな。

回復のポーションを買い込み、早速出発する。サンダーツリーまでは数日かかる見込み。ファンダリン周辺の安全を守るためにも、道中の脅威は積極的に排除する方針とする。

サンダーツリーへの道

1日目。オークの盗賊団に遭遇。その中に双頭の人型生物がいる。知能は低そうだが大柄で盗賊団の首領的存在のようだ。ポトンの解説によればエティンと呼ばれるオークに近い種族らしい。火球ファイアーボール破砕シャターといった範囲攻撃呪文で戦力を削ぎ、バーラシュ、ハリオンの前衛組に残る敵を片づけてもらう。

2日目。何事もなく街道を進む。この様子ならば明日にはサンダーツリー到着となる見込みだ。

3日目。信じられないことにジャイアントと遭遇する。これもグリーン・ドラゴンの影響によるものなのかどうか。過去の事例を調査したい。生きて帰らなければ。ジャイアントは数匹のダイア・ウルフを連れている。ペットのようなものだろうか。ジャイアントと比較すれば可愛い狼だが、わしらにとっては大型の野獣だ。

ウルフが野性的な速度でバーラシュに噛みつき押し倒す。バーラシュを援護するつもりで加速呪文ヘイストを唱える。しかしこれが裏目に出る。ジャイアントが足元の大岩を掴み上げ、大きく振りかぶって放り投げる。こちらに向かって飛んでくる岩を見上げながら「組成は火成岩のようだ。この辺りの火山は……」等と余計な考えが頭をよぎったのを最後に意識を失う。亡くなった妻が川の向こうで手を振っている。

目を覚ます。まだ戦いは続いているようだ。ポトンが回復呪文を使ってくれたらしい。ウルフは朦朧としており、バーラシュは倒れたままだ。大変な混戦になっている。加速ヘイストをかけた直後にわしが気絶したため、バーラシュは副作用で動けないのだろう。

ハリオンがバーラシュを守って独り奮闘している。ウルフを無力化したのもハリオンの技によるものだろう。しかし多勢に無勢。ハリオンが別のウルフに気を取られた隙にジャイアントの棍棒をまともに受けてしまう。ダメージは大きく、立っているのも辛そうだ。だがハリオンは引く構えを見せない。気力を振り絞りジャイアントの頭部に矛の強打を叩き込む。ジャイアントは白目を向き、数秒のあいだ動きが止まる。その数秒で戦況が大きく変わる。

バーラシュがようやく起き上がり、獅子奮迅、いや竜頭奮迅の活躍を見せる。二振りの太刀で敵をなぎ倒す。わしらも魔力を全て振り絞り、どうにかジャイアントの撃退に成功する。一瞬の油断で仲間を危機に晒した失態を反省する。ハリオンの技と気力が無ければ全滅していただろう。わし1人ならば死して後悔なしだが、仲間に迷惑をかけたくはない。この借りはいつか返さねば。

今日このままドラゴンに相まみえるのは無謀というもの。予定を変更してサンダーツリー付近で充分な休息を取ることにする。

ドラゴンとの対決

4日目。サンダーツリーへ。白く灰が降り積もる廃墟の町だ。以前来た時と同様に静まり返っている。召喚したフクロウの精霊ジークに周囲を警戒させる。動くものは見当たらない。前回、この辺りで木のモンスターに襲われたことを思い出す。また同じような場所で植物のモンスターと遭遇。動くまで発見できない点が厄介だ。ドラゴンの影響か活性化した植物モンスターは以前よりも強力になっている。だがわしらも随分と成長したものだ。瞬くまに片づけて先を急ぐ。

ドラゴンの棲み処だと言われている塔に接近する。ジークを飛ばし塔の周囲や内部を偵察させる。何の気配もない。塔の内部を調査するため警戒しながら近寄る。1本の大木がふいに動き、枝を揺らしながら迫ってくる。大きさに圧倒されるが所詮は植物。枝を刈り燃やしてこれを倒す。

塔の内部には最近食事した痕跡がある。先日話したドラゴンカルトの面々もつまみにされたようだ。塔の屋根は崩れておりドラゴンはそこから出入りするものと思われる。罠を仕掛けることも検討するが、物陰も少なく断念する。グリーン・ドラゴンの毒のブレスに備えて、その姿を認めたら耐毒呪文を唱えることだけ決める。しばらく待つ。大きな羽ばたきの音が近づいてくる。塔の屋根の裂け目から緑色の爬虫類じみた顔がのぞく。ドラゴン。わしらの存在に気付いて何事かを叫ぶ。呼びかけに応えたのか、動く植物モンスターの群れが森から湧いて塔を包囲する。もう逃げる道はない。ポトンが耐毒呪文を唱える。

ドラゴンの迫力に圧倒され塔の外壁の後ろに身を隠す。塔の外側では植物モンスターの群れが押し寄せている。ファイアーボールで植物どもを減らしておく。塔の内部ではドラゴンがブレスを吐いたようだ。むせるような悪臭が塔の外まで漏れ出している。中のバーラシュとハリオンは無事だったようだ。耐毒呪文がなければ危うかったかもしれん。

挟撃を避けるため、わしはまず植物モンスターと対峙する。にわかに蔦が生え広がり足元に絡みつく。そのまま全身に巻きつかれて身動きが取れない。呪文の発動には問題ないがドラゴンが見えない位置で拘束されたのはまずいか。何体かの植物が塔の内部に入り込んでしまうが、ポトンの曙光で焼き払われる。植物が光を浴びて朽ちゆくとは、因果な存在じゃな。

ドラゴンの詠唱が聴こえてくる。呪文妨害をしたいが塔内にいるやつの姿が見えない。この厄介な蔦さえ無ければ呪文妨害カウンタースペルするものを。バーラシュは気合で魔法をはね除けてくれたようだ。わしは蔦を展開する植物モンスターをマジック・ミサイルで片づけ、ようやくドラゴンが見える位置に移動する。ドラゴンは呪文のために魔力を織りつつあったが、わしを一瞥して呪文の使用を諦める。呪文妨害カウンタースペルで妨害されることを察知したか、賢いやつめ。

塔の上部から降りてこないドラゴンを狙ってハリオンが立て続けに矢を射かける。それを疎ましく思ったのか、ドラゴンが唸り声を上げて地上付近に降りてくる。爪や牙で執拗にバーラシュを襲う。ハリオンはドラゴンの動きを止めるため、その頭を狙って連撃を打ち込む。厚い鱗に阻まれて思うように技が決まらないようだ。しかし気力を振り絞った最後の一撃が頭蓋の急所を捉える。脳を揺さぶられたドラゴンは羽ばたきもままならず墜落する。先ほどの恨みとばかりに、バーラシュが這いつくばっているドラゴンを滅多切りにする。その獰猛なドラゴンボーンの姿は本家のドラゴンにも劣らぬ迫力だ。

わしはポトンに目で合図をする。予見で見たとどめの場面。わしの指示に従ってポトンが導きの矢ガイディング・ボルトを放つ。激しく輝く一条の光線がドラゴンの急所を貫く。わしらを睨みつけるドラゴンの目から光が消える。

ドラゴン・スレイヤー

ファンダリンへの帰路。ついに我々もドラゴン・スレイヤーだ、などと盛り上がる。足取りも軽い。確かにこれでようやく胸を張って冒険者だと名乗れるような気がする。

ドラゴン討伐記念の祝宴を開く。ポトンはドラゴンの鱗を炙って酒に浸し、鱗酒だとはしゃいでいる。グリーン・ドラゴンはその身に毒を宿していると思うのだが大丈夫だろうか。まあ大仕事を終えたばかりだ。しばらくは町でのんびり休むのもよかろう。

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