D&Dリプレイ 骨の館 - ゼフの日誌
今回の依頼も無事に完了した。二日酔いでダウンしているポトンが待つ町へと向かう。
草原の道を歩いていると霧が出る。見る間に霧が濃くなりすぐに視界が失われる。お互いを見失わないため手を繋ぐ。しばらく様子を見ていると急に霧が晴れる。バーラシュがさっき居た場所とは違うことに気づく。そもそも先ほどまでは昼だったのが夜になっている。周囲の植生も変化しているようだ。
その場に留まっても何も起きそうにない。元の場所に戻るため手掛かりを探しに行くことに。南北に続く道がある。北に行くのは安全かどうか、吉凶を占う。結果は吉にして凶。吉があるならばまあよかろう。北へ進むことにする。グレイが何の気なしに花に触ると毒が噴出しダメージを受ける。こんな毒草は初めて見るが、一体ここはどこなのか。
道をしばらく進むと館が見える。二階建て。屋根上にはガーゴイル像。貴族の別荘風で瀟洒な佇まい。しかしどこか不穏な気配がある。誰か住んでいるのだろうか。
とにかくこの場所について情報が欲しい。バーラシュが扉を叩こうとするが、ちょうどそのタイミングで扉が勝手に開く。呼ばれているようで気味が悪いとバーラシュが青ざめている、ような気がする。ドラゴンボーンの顔色はよく分からない。
呼ばれているなら行くしかあるまい。館に侵入して一部屋ずつ探索する。所々に乾いた血の跡を発見する。玄関の方で扉が閉まる音がして引き返す。玄関の扉は固く閉まっておりびくともしない。念のため魔力検知で確かめる。館全体を魔力が包んでおり、扉もそのせいで開かないようだ。
とにかく探索を続けるしかない。ある部屋の扉の前で聞き耳を立てていたグレイが物音に気付く。透視を唱え、中の様子を確認する。スケルトンが数体作業をしているようだ。スケルトンから有用な情報が得られるとも思えない。そっと扉を開けて不意打ちする。相手が分かっていれば戦いもスムーズに進む。ハリオンは拳の連撃で次々と骨を砕く。瞬く間に制圧する。
この部屋はキッチンらしい。だが凄惨な現場となっている。人間の死体を解体し、骨を集めていたような形跡がある。仲間を増やす儀式でも行っているのか。
最も奥まった部屋へ。一面のステンドグラスと立派な像が印象的だ。ここから脱出できないかとバーラシュが石を投げつける。ステンドグラスは魔法的な力で守られているようで割れない。代わりに頭上から巨大なコウモリが飛びかかる。これもまた骨のモンスターだ。ハリオンの打撃がすこぶる有効で見る間に砕かれる。
部屋の中央にある騎士の像を調べる。アンシーリーフェイ。善良でない妖精の類だ。もしかしたらここはフェイワイルドなのかもしれん。
礼拝堂らしき広間を発見。目ぼしいものは無さそうだがハリオンは中を見ておきたいと主張。しぶるバーラシュを説き伏せて内部を探索する。一角に骨が積まれている。これまでの経験から近づくのは得策でないと判断し、魔道士の手で骨を動かしてみる。予想通り骨が立ち上がり悪意を向けてくる。骨を抜き取った跡だと思われる肉の塊も動き出す。
スケルトンの1体が領域を展開し、辺りが暗闇に包まれる。詠唱は無く呪文妨害も出来ない。暗闇の中でもスケルトン達は見えているらしく、一方的に攻められる。バーラシュが掴まれて危険な状態になるが、範囲呪文を駆使して撃退する。
比較的安全そうな部屋で小休憩を取る。落ち着かない。
二階へ。客間のような部屋。生活感がある。スケルトン以外にも住んでいるようだ。隣の執務室らしき部屋へ。沢山の蔵書がある。中身を確認するが、題名と内容がバラバラだ。いかにもフェイワイルドらしき混沌ぶり。
次の部屋への扉。グレイが中から物音がすると言う。透視で部屋の内部を確認する。1人の老婆が作業をしている。魔女のようだ。前触れもなく魔女が扉の方を振り向く。見えないはずの透視の目をじっと見てにやりと笑う。確かに目が合った。冷や汗がでる。
まだ見ていない部屋がありそうだが、目が合っては仕方ない。扉を開き会話を試みる。やはりここはフェイワイルドらしい。わしらのように、たまにこの世界に迷い込む者もいるという。元の世界に戻る方法を尋ねるが、その必要はないと魔女が嗤う。わしらも解体してスケルトンの材料にするつもりのようだ。
魔女は部屋に散らばる骨を魔力で組み上げる。大型のボーン・ナーガと数体のスケルトンが魔女を守るように立ちはだかる。バーラシュが扉の前で立ちふさがり後衛を守る。グレイはスケルトン達には目もくれず、奥の魔女に対して精密に矢を撃ち込んでいる。なるほど、骨を操る魔女を倒すのが先ということか。やりおるわい。ボーン・ナーガを倒して骨組みをバラバラにしたものの、すぐに別の形に組み上げられる。今度はミノタウロス型だ。やはり骨を相手にしていても埒が明かないようだ。スケルトン達の守りが手薄になった隙をついて、加速呪文で強化されたバーラシュが一気に距離を詰める。魔女は怒涛の6連撃を捌ききれず太刀の錆となる。魔女が倒れると同時にスケルトン達も音を立てて崩れ落ち、
落ち着いて見回すと部屋には多数の鏡が置かれている。そのうちのひとつが妖しく発光している。近づくと光に吸い寄せられ、そのまま鏡をくぐり抜ける。見覚えのある風景。元いた草原に帰ってくることができた。大変な目に遭ったが得るものもあった。あのスケルトンたちは魔力で操られていたとはいえ、ある程度は自律的に行動していた様子。同様にして動物や精霊たちを組織することも可能なのではないだろうか。研究しがいがありそうだ。