
「評論系同人誌の実態調査」アンケート結果の報告
昨年「評論系同人誌の実態調査」をGoogleFormsのアンケート上で実施しました。本記事ではその結果を公開します。
【拡散希望】【評論系同人誌】
— はっぱ (@happa_eight) February 13, 2023
現在、評論系同人誌のプラットフォームサービスを計画しており、その準備のため評論系同人誌に関する実態調査を実施します。
サークルの方、読者の方、即売会経験のある方など、評論系同人に興味のある方は是非協力・拡散をお願いします!https://t.co/M266owuQga
■参考:評論系同人誌の実態調査 -Google Forms-
調査期間:2023年2月~12月
アンケート回答数:243件
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfwjt9rcs97YBWThDecW2YKCk1PDlFcE2szAJai7zpDXOYmGw/viewform
◼️参考:評論系同人誌プラットフォーム(仮)とは
情報収集や告知・宣伝において、あまりにもTwitterに依存しすぎている評論系ジャンルの統合されたプラットフォームを作ろうとする計画。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
下記のものは現時点での企画書であり、今後製作するサービスは必ずしも企画書の内容通りのものとは限りません。サービスの方向性の検討のためにも、率直なご意見がいただけると幸いです。
https://pouncing-vase-76b.notion.site/3186db13649149fab34cda459e5b24a4
アンケートは公開から1カ月で237件の回答が集まり、最終的に243件の回答が集まりました。アンケートにご協力いただきましてどうもありがとうございました。ご回答いただきました方にお礼申し上げます。また、せっかく多くの方にご回答いただいたにも関わらず、調査結果の公開が遅くなったことをお詫び申し上げます。
それでは早速アンケート結果を公開していきたいと思います。
なお、結果公開につきましてはアンケート前置きで記載の通り、統計回答については全て公開とします。個別のコメント等につきましては個人情報保護の観点から統計的に多かった意見を代表例として紹介し、そのほかの個別コメントは非公開とします。自由記述の質問への回答は非常に参考になる意見が多く、情報系同人誌プラットフォームの開発の参考にさせていただいております。
※アンケート結果に対しては、簡単な分析を開発チームの方で行いました。その分析結果の一部をアンケート結果に続いて掲載しています。2023年3月に行った開発チームの分析結果のため、一部2023年の情報が含まれていますが、ご承知おきください。
■質問目次
※選択肢を選ぶ形式の質問は番号の前に▼(統計回答)、個別コメントを収集する質問は▽の記号をつけています。
●大項目1:評論系同人誌との関わり
▼質問1:あなたと評論系同人誌との関わりについて
●大項目2:サークル運営について
サークル運営や同人誌の製作や宣伝について伺います。
▼質問2ー1:幾つのサークル運営に携わったことがありますか?
▽質問2-2:差し支えなければ製作した同人誌の題材を教えてください
▼質問2-3:製作した同人誌の宣伝はどこで行いましたか?
▼質問2-4:今までに何冊くらい同人誌を作ってきましたか?
▼質問2-5:サークルメンバーや執筆者はどこで集めましたか?
▽質問2-6:同人誌の宣伝について現在不満に思っていることや課題点などがあれば教えてください
▽質問2-7:サークル運営について現在不満に思っていることや課題点などがあれば教えてください
●大項目3:同人誌執筆について
▼質問3-1:同人誌執筆について伺います。
同人誌執筆として、何冊くらいの同人誌に関わってきましたか?
▼質問3-2:同人誌の執筆依頼やサークルメンバーとしての勧誘はどこで受けましたか?
▽質問3-3:同人誌の執筆について困っていることや不満であることなどはありますか?
●大項目4:即売会と同人誌の購入について
▼質問4-1:評論系同人誌を目的としてサークル参加したことのある同人誌即売会について教えてください
▼質問4-2:評論系同人誌を目的として一般参加したことのある同人誌即売会について教えてください
▼質問4-3:即売会では平均的に1回の参加につき何冊ほど評論系同人誌を買いますか?
▼質問4-4:即売会では平均的に1回の参加につきどれくらいのお金を評論系同人誌購入に費やしますか?
▼質問4-5:評論系同人誌について、即売会に行く前に自ら頒布情報を仕入れに行きましたか?仕入れに行った場合は、どこから仕入れましたか?
▼質問4-6:評論系同人誌について、即売会に行く前に頒布情報が偶発的に流れてくることはありますか?
▼質問4-7:前質問で「ある」と答えた方に質問です。その情報はどこで流れて来ましたか?
▼質問4-8:即売会と関係のないタイミングで評論系同人誌に関する情報を収集する頻度について教えてください。
▼質問4-9:即売会以外で評論系同人誌を購入する場合、どのような手段で購入しますか?
▽質問4-10:評論系同人誌と即売会について、不満に思う点や課題点などがあれば教えてください。
▽質問4-11:評論系同人誌の情報収集について、不満に思う点や課題点などあれば教えてください。
●大項目5:評論系同人誌プラットフォーム(仮)について
現在企画中の評論系同人誌プラットフォーム(仮)について伺います。
▼質問5-1:評論系同人コミュニティを接続するプラットフォームがあるとしたら、あなたはそのサービスを利用してみたいですか?
詳しくは以下のリンクをご覧ください
https://pouncing-vase-76b.notion.site/3186db13649149fab34cda459e5b24a4
▼質問5-2:前質問で「はい」と答えた方に質問です。サービスに求める内容は何ですか?
▼質問5-3:2問前の質問で「いいえ」と答えた人に質問です。特に利用したくない理由は何ですか?
▽質問5-4:その他、評論系同人誌プラットフォーム(仮)について、現時点でのコンセプトなどについて気になる点や仮にサービスがあるとしたときに欲しい機能など、ご意見があれば教えてください
●大項目6:自由記述
▽質問6-1:評論系同人誌というジャンル全体についてご意見があれば教えてください
▽質問6-2:以上の質問以外に、何かご意見がございましたらご自由にお書きください。
※選択肢を選ぶ形式の質問は番号の前に▼(統計回答)、個別コメントを収集する質問は▽の記号をつけています。
■アンケート結果
●大項目1:評論系同人誌との関わり
▼質問1:あなたと評論系同人誌との関わりについて
【回答選択肢】
・サークルを運営している
・サークルを運営しているわけではないが、執筆にたずさわったことがある
・同人誌を購入するのみである
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本アンケートの回答者は約半数がサークル運営、7割が執筆経験ありという結果になりました。
このアンケートがリーチしている層を考慮する必要がありますが、本アンケート結果から、評論系同人誌の読み手の多くが評論系同人誌製作に関わっているのかもしれません。今回のアンケートはサークル運営側へアピールするテーマだったため、また現状に課題を感じているのもサークル運営側のため、サークル運営者の回答が多かったと予想されます。
この比率を見ると、製作・購入ともに同じ層の人間の中で回している感じもややあります。
一方、執筆はせず同人誌を購入する層も3割いることからこれらの層も大事であることが言えます。
評論系同人誌の市場規模についての検討
【サークル数C101の推計】
C101の評論・情報ジャンルの参加サークル数は約1,000。
C101の鉄道・旅行・メカミリジャンルの参加サークル数は約1,200。
上記以外のジャンルに配置されている評論・情報系サークル(ゲーム・アニメ・ギャルゲー・二次創作)は多く見積もっても500程度。
以上より、C101に参加した上記評論・情報系ジャンルはおよそ2,500程度と推定されます。
【評論系同人誌の購入者層C101の推計】
サークル参加者最大2名のうち、1サークルにつき1.5人程度評論・情報系サークルの本を購入する人がいると想定すると約3,750人の評論・情報系サークル参加者兼、評論・情報系同人誌購入者層がいると推定されます。評論・情報系サークルの同人誌は購入層が広く浅く存在すると想定されるため、コミケ一般参加者のうち、どの程度の参加者が評論・情報系サークルに訪れるかは不明です。
ですが、C101の参加人数が1日当たり9万人であることを考えると、サークル参加者と一般参加者を含めておよそ数千人~1万人程度であると推定されます。
【評論・情報系同人誌サークル数の推計】
文学フリマ東京35(2022/11/20)ではサークル参加数が約1,300、来場者が約7,500人となっている。文学フリマの中でも評論・情報系サークルは半数に満たなく、コミケの規模よりは少ないが、コミケに次ぐ多くのサークル数、来場者のイベントです。
他にも技術書典やコミティア、地方の文学フリマなどにも評論・情報系サークルは出展しているが、その数は1,000もいかないと推定されます。
以上より、C101に参加していないサークルを考慮し、現在活動している評論・情報系ジャンルのサークル数は約3,000~4,000程度の規模と推定されます。
【評論・情報系サークルの購入層】
評論・情報系サークルの購入層がどの程度の規模かは不明です。それは評論系同人誌が広く浅く様々な読者層を潜在的に有するからでしょう。ただ、年に5冊以上購入するような人を購入層とすると、最低1万人程度、最大10万人程度と予想します。評論・情報系同人誌もヒット作は千部を超えるものもあり、大ヒット作だと1万部販売していてもおかしくはありません。このような頒布数の推計もあり数万人の購入者層と推定されます。
【評論系同人誌プラットフォームのアンケート回答数】
今回の評論系同人誌プラットフォームのアンケートで約230件の回答が集まり、そのうちの半数115件がサークル運営側ということは、コミケの評論・情報系サークルの規模2,500に対して約4.5%の人が回答したと想定されます。全評論・情報系ジャンルのサークル数を4,000とすると約3%となります。想定していたよりも多くの人に回答していただけたと推定できます。
評論・情報系同人誌の購入者層を1万人とするとアンケートの回答者は全体の2.3%、10万人とすると0.23%となります。
●大項目2:サークル運営について
サークル運営や同人誌の製作や宣伝について伺います。
▼質問2ー1:幾つのサークル運営に携わったことがありますか?
【回答選択肢】
1つ
2つ
3つ以上

7割弱が1つ。裏を返すと、3割以上が複数のサークル運営を経験したことがあるようです。一人で同時に複数のサークルを運営することもあれば、途中でサークルを変えて運営していることもあるでしょう。本アンケートの回答者には同人サークルの運営のベテランも多いと思われます。
質問1からアンケート全体のサークル運営者の割合は約50%であることから、質問2-1の50%がアンケート全体のサークル運営数の割合になります。アンケート回答者の約32.5%が一つのサークルを運営、7.5%が二つのサークル、9.6%が3つ以上となるため、本アンケート回答者はベテランの方の割合が多そうです。
情報系同人誌プラットフォームのデータベースを作る場合は、サークルとサークルの運営者、クリエーター、ユーザーは独立した方が良いと思われます。
▽質問2-2:差し支えなければ製作した同人誌の題材を教えてください
個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
旅行、聖地巡礼、飲食、料理、酒、服飾、技術、漫画、アニメ、ゲーム、音楽、鉄道、学問、評論、批評などのジャンル名を挙げられている方や、製作した同人誌の誌名を挙げられている方などがいました。
評論系同人誌プラットフォームを制作する場合、おそらくアンケートで制作した同人誌について回答されているようなジャンルはほとんど取り入れて問題ないと考えられます。むしろ制作側の需要があると想定されるため、積極的に取り入れるよう進めていく予定です。
▼質問2-3:製作した同人誌の宣伝はどこで行いましたか?(複数回答可)
【回答選択肢】
Circle.ms
Fantia
pixiv FANBOX
Ci-en
Tumblr
サークルのWebサイト
その他...

ほぼ全ての人がTwitterを使っているようです(98.4%)。しかしこれは、アンケートをTwitterでのみ拡散させたことを考えれば、当たり前といえば当たり前の話。
意外にもサークルの個人Webサイトを持っているサークルは多く、3割ほどいます。またCircle.msを宣伝として用いているサークルも3割ほどいるようです。
逆に、それ以外の宣伝となるとぐっと割合が落ちています。一応少数ではあるがInstagramで宣伝しているサークルもいるようです。
C101のコミケWEBカタログを簡単に確認したところ、評論系サークルの9割以上はTwitterをWEBカタログに登録していました(明らかなダミーサークルは除く)。一方WEBサイトは2割を下回りそうな気配がありました(告知用WEBサイトとして機能しているのは1割程度しか無さそうです)。
※しっかり確認して統計を取れば何らかの数字が出そうですが、統計に要する時間が無いため調査は省略。
コミケWEBカタログ[Circle.ms](http://circle.ms/)に頒布情報を記載しているサークルはそこそこあり、ざっと2割程度。文フリのWEBカタログに頒布情報を記載しているサークルはそこそこあり、ざっと3割程度。コミケWEBカタログより多い傾向があります。
宣伝はほとんどTwitterに依存しているのではないかと予想されます。WEBサイトやブログ(noteなど)を有していてそこでも告知するサークルはあるが、やはりTwitterが強そうです。特に新規読者を獲得する手段はTwitter頼りになるのではないかと予想されます。
以上より、評論系サークルの宣伝はTwitter依存が強いと言えるでしょう。Twitterの運営に同人誌の宣伝が左右される構造になっているため、Twitterに依存しない情報系同人誌プラットフォームの必要性が高まっていると言えるでしょう。
▼質問2-4:今までに何冊くらい同人誌を作ってきましたか?
【回答選択肢】
1
2~5
5~10
10~20
20冊以上
その他...

サークル運営者のうち、ほとんどの人が複数冊の同人誌を作った経験があるようです。半数弱が10冊以上の同人誌制作経験があるとの結果になりました。すべての選択肢がおおよそ均等に分布している感じでした。
サークル初参加(1冊のみ製作)やサークル参加数回(2~5冊製作)が多数を占めるわけではなく、半数が10冊以上の同人誌を製作しているということで、同人活動歴が長いサークルの方の回答が多いようです。
▼質問2-5:サークルメンバーや執筆者はどこで集めましたか?(複数選択可)
【回答選択肢】
自分一人である
友人・知人
SNS等で個別に声をかけた
SNS等で一般募集した
その他...

64.5%が一人サークル。知人・友人を誘ったのが53%であり、SNS等での募集は10%台まで低下するという結果になりました。一人でサークルを運営するか、友人・知人とサークルを運営するのが多数派のようです。SNSで執筆者を募ったりするのは結構限定的な層のようです。
「自分一人」の回答が64.5%で「友人・知人」の回答54%との和が100%を超えますが、これは複数選択可としているためで、複数サークルを運営している場合や、友人・知人やSNSなどで募集をかけたが結果一人になったというケースが考えられます。
▽質問2-6:同人誌の宣伝について現在不満に思っていることや課題点などがあれば教えてください
情報系同人誌プラットフォームの開発に役立つ非常に有益な意見が数多く集まりました(全87件)。この場を借りてお礼申し上げます。
一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
最も多かった意見はTwitterへの依存が強いという類のものでした。これは本アンケートのきっかけとしてTwitter依存が課題としているのもあるかもしれません。
▽質問2-7:サークル運営について現在不満に思っていることや課題点などがあれば教えてください
こちらも質問2-6と同じく、非常に有益な意見が数多く集まりました(全66件)。この場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
最も多かった意見は、どのようにしてサークル活動をより良いものにしていくかという課題でした。同人誌製作のための協力者を如何にして集めるか(寄稿者の他、編集者など)、サークル運営のために必要なノウハウやスキルをどのようにして獲得していくかに課題を感じている人が多いようでした。
●大項目3:同人誌執筆について
同人誌執筆について伺います。
▼質問3-1:同人誌執筆として、何冊くらいの同人誌に関わってきましたか?
【回答選択肢】
1
2~5
5~10
10~20
30冊以上
その他...

申し訳ございません。20~30の項目を作るのを忘れていました……。
結果としては割と均等分布になりました。多くの人が複数冊の執筆経験があり、4割くらいが10冊以上の執筆経験がありました。質問1と同様に、アンケート全体の回答数243件に対して168件の回答があったことから、アンケート回答者の約7割は同人誌執筆経験があるようです。質問3-1と比べると、サークル運営者とサークルを運営していない人では、サークル運営者の方が製作した本の数は多いようです。
5冊以上が約66%、10冊以上が48%となることから、本アンケートはベテラン勢が多いと思われます。年2冊発行のスピードで20冊制作するのは10年、年4冊でも20冊制作するのは5年はかかるため、本アンケートの回答者は同人誌制作においてかなりのキャリアを有していると思われます。ベテラン勢の回答が多数集まったことは心強いことです。
▼質問3-2:同人誌の執筆依頼やサークルメンバーとしての勧誘はどこで受けましたか?(複数選択可)
【回答選択肢】
自分のサークルで同人誌を作った
知人・友人から
SNS等で個別に声をかけられた
SNS等で一般募集している企画に応募した
その他...

7割くらいが自分のサークル、5割超が知人・友人からという結果になりました。SNS等で、つまりネット主体の勧誘は20%弱ぐらいでした。
アンケートの詳細を確認すると複数の回答を選択している人がいて、自分でサークルを作りながらも、知人やSNSで執筆者として勧誘を受ける、両方の立場を取る人が一定数いることがわかります。相互扶助というべきか、助け合いというべきか、同人の良い文化であることが言えます。
▽質問3-3:同人誌の執筆について困っていることや不満であることなどはありますか?
多くの意見が集まりました(全74件)。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
困っていることや不満であることの代表例として下記のような意見が多く見られました。
「時間が無い」「技術が不足している」「専門家の協力が欲しい」「プロジェクト管理」「印刷やデザイン、レイアウト、校正など制作上のノウハウ不足」「部数や予算、報酬」「本への反響や感想の少なさ」
結局のところ、「知見の共有不足」に起因する悩みが多く見られました。制作フローやデザインから、内容に関する議論まで、そのノウハウを共有したり議論したりする開けた場が求められているのかもしれません。
●大項目4:即売会と同人誌の購入について
▼質問4-1:評論系同人誌を目的としてサークル参加したことのある同人誌即売会について教えてください(複数選択可)
【回答選択肢】
コミックマーケット
文学フリマ
こみっくトレジャー
技術書典
コミティア
同人誌即売会にサークル参加したことがない
その他...

6割弱がコミケ参加経験あり。次点はコミティア、文フリ。その次はおもしろ同人誌バザール(項目に含めるのを忘れていました……)、技術書典でした。逆に言うと、「評論・情報系」で大きなくくりになるとこのあたりしか即売会がないとも言えます。
他にも数多くの情報系同人誌の即売会を挙げてくださる方がいました。東京とびもの学会、めしけっと、旅チケット、歌姫庭園、などなど、どうもありがとうございました。
また、同人誌即売会にサークル参加したことがないという人も27.5%いました。
▼質問4-2:評論系同人誌を目的として一般参加したことのある同人誌即売会について教えてください(複数選択可)
【回答選択肢】
コミックマーケット
文学フリマ
こみっくトレジャー
技術書典
コミティア
同人誌即売会に一般参加したことがない
その他...

こちらは質問4-1と傾向はおおむね同じでした。コミケが7割弱、次点でコミティア、文フリ、おも同、技術書典といったところで、サークル参加よりも一般参加の方が参加しやすいのも有り、質問4-1よりもコミケやコミティア、文フリなどは10%程度参加者が多い傾向がありました。
他にも数多くの情報系同人誌の即売会を挙げてくださる方がいました。中には知らない即売会もあり、大変参考になりました。
▼質問4-3:即売会では平均的に1回の参加につき何冊ほど評論系同人誌を買いますか?
【回答選択肢】
1冊
5冊
〜10冊
〜20冊
21冊〜

半数が5冊以下という結果で、10冊以上は20%程度でした。1回の即売会で購入する評論系同人誌の数はそれほど多くないと言えそうです。
※一人当たり5冊買うと仮定し、サークル参加者一人に対し一般参加者の比率が1:5とすると、単純計算で1サークルあたりのイベント売上冊数は30冊。サークルによって売上冊数の振れ幅はあるでしょうし、これを多く感じるか少なく感じるかはサークルによって変わりそうです。
▼質問4-4:即売会では平均的に1回の参加につきどれくらいのお金を評論系同人誌購入に費やしますか?
【回答選択肢】
〜1000円
〜2000円
〜5000円
〜10000円
〜20000円
20000円〜

半数が5000円以下の範囲に入る結果でした。質問4-3を含めて考えると一冊数百円~1000円程度が相場でしょうか。中には1万円を超える人も20%程度いるようです。
▼質問4-5:評論系同人誌について、即売会に行く前に自ら頒布情報を仕入れに行きましたか?仕入れに行った場合は、どこから仕入れましたか?(複数選択可)
【回答選択肢】
特に自ら情報を仕入れに行ってはいない
各即売会のカタログ(紙/電子)で調べた
Twitterで調べた
各サークルのWebサイトなどで調べた
その他...

8割超が「Twitterで調べた」のようです。自らハッシュタグを漁りに行ったり、自分の追ってるサークルが出ていないかをサークルアカウントに見に行ったりすることはあるでしょう。次点でカタログが57%、各サークルのWEBサイトなどが23%でした。活動の主体をSNSではなく、自分のWebサイトなどに置いている人も一定数いるようです。
また、特に自ら情報を仕入れに行っていない人は13%でした。結局、即売会のサークル情報を事前にしる手段は大きく二通りで、「即売会に出ているサークルを調べる」か「あるサークルが即売会に出ているかを調べる」かであって、前者がカタログ、後者が前項の「Twitterで調べた」にあたるのではないでしょうか。
▼質問4-6:評論系同人誌について、即売会に行く前に頒布情報が偶発的に流れてくることはありますか?
【回答選択肢】
ある
ない

9割超が「ある」という結果になりました。Twitterを見ていると、偶発的に流れてくることがありますよね。逆に言うと、「偶発的に情報が流れてくる状況下にいる≒SNSから評論系同人誌の情報が得られるようなコミュニティに所属している」とも言えます。
▼質問4-7:前質問で「ある」と答えた方に質問です。その情報はどこで流れて来ましたか?
【回答選択肢】
Twitterで他者のRTから
Twitterで自分がフォローしているユーザーのツイートから
BOOTH等の通販サービスの新着情報から
その他...

「Twitterで他者のRTから」が9割超、「Twitterで自分がフォローしているユーザのツイートから」が8割弱。これも「偶発的に情報が流れてくる」というに値するSNSが主にTwitterであることに起因するのでしょう。
BOOTH等の通販サービスの新着通知からも少数だが存在しているようです。追っているサークルに関しては新着通知もそこそこ機能しているのでしょう。
▼質問4-8:即売会と関係のないタイミングで評論系同人誌に関する情報を収集する頻度について教えてください。
【回答選択肢】
毎日
毎週
毎月
まったくしない
その他...

半分近くが「まったくしない」という結果になりました。
「同人誌」という存在が、特に読み手の目線からすると即売会に直結しているため、そもそも即売会がない時期はそこまで意識に入れていないのかもしれません。作り手からしても、普段は自分の作っている同人誌とその周辺にしか意識が向かない人は多いかもしれません。年に数回だけ意識を向けるだけで十分とも言えます。
自由記述の回答が結構多く、「身内で情報交換する場所がある」「自ら収集することはないが、TLに流れてきたら調べたりはする」という意見がありました。
▼質問4-9:即売会以外で評論系同人誌を購入する場合、どのような手段で購入しますか?(複数選択可)
【回答選択肢】
同人ショップの店頭で
同人ショップの通販(含BOOTH)で
サークルの自家通販で
即売会以外で評論系同人誌を購入しない
その他...

最も多いのが、同人ショップの通販(BOOTH含む)。
現状最も便利で使われているのが同人ショップだからでしょう。買う側からしても、売る側からしても、売買という行為は中間業者やプラットフォームを買わせたほうが安心だしやりやすいというのはあります。店頭で買う層も3割程度いるようです。
自家通販層も3割程度ということで結構いるようです(BOOTHをここに含んでいる可能性あり)
▽質問4-10:評論系同人誌と即売会について、不満に思う点や課題点などがあれば教えてください。
情報系同人誌プラットフォームの開発に役立つ非常に有益な意見が数多く集まりました(全92件)。この場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
代表的な意見としては、即売会が交流としての機能を持つが議論の場や交流がイベントの場以外で起こりにくいこと、ジャンルの分類やサークルの区別がつきにくいこと、見本誌閲覧の場が有効であること、即売会の機会が少ないため入手性や搬入部数の点で悩ましいこと、地方に即売会が無いこと、などがありました。
▽質問4-11:評論系同人誌の情報収集について、不満に思う点や課題点などあれば教えてください。
情報系同人誌プラットフォームの開発に役立つ非常に有益な意見が数多く集まりました(全84件)。この場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
代表的な意見としては、Twitterに情報が偏っている割にTwitterの検索性が悪いこと、告知が流れてしまって見逃してしまい買えなくなること、TwitterなどのSNSやWEBサイトが告知の主流であるが故に発信力の勝負になってしまっていること、などがありました。
●大項目5:評論系同人誌プラットフォーム(仮)について
現在企画中の評論系同人誌プラットフォーム(仮)について伺います
▼質問5-1:評論系同人コミュニティを接続するプラットフォームがあるとしたら、あなたはそのサービスを利用してみたいですか?
詳しくは以下のリンクをご覧ください
https://pouncing-vase-76b.notion.site/3186db13649149fab34cda459e5b24a4
【回答選択肢】
はい
いいえ
どちらでもない
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243件の回答のうち、「はい」が83%の201件、「いいえ」が4.3%の10件、どちらでもないが、13%の32件という結果になりました。
情報系同人誌プラットフォームのサービスを利用してみたいという回答が200件以上(8割以上)あり、情報系同人誌プラットフォームの需要は十分にありそうです。この回答から開発の着手を始めました。
ただし、明確な「いいえ」も4.3%(10票)あることには留意したいところです。
▼質問5-2:前質問で「はい」と答えた方に質問です。サービスに求める内容は何ですか?(複数選択可)
【回答選択肢】
同人誌情報閲覧
サークル情報閲覧
即売会/イベント情報閲覧
試し読み機能
長文投稿機能(簡易的ブログ)
短文投稿機能
その他...
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「同人誌情報閲覧」は9割強。次いで、「サークル情報閲覧機能」(8割)、「イベント情報閲覧」(7割強)、「試し読み機能」(6割強)となる。評論系同人誌の情報が集積されたプラットフォームが望まれていることがわかりました。そのため、プラットフォームを開発する際には同人誌情報の集積を第一に実装したいと考えています。
長文投稿機能(2割弱)が短文投稿機能(2割強)より少なく、ブログ的な立ち位置を求めている人は少ないようです。
「フォロー機能」「検索機能」「お気に入り機能」のように実装すれば便利そうなアイディアも多数あるため、プラットフォーム開発時の参考にさせていただきます。
▼質問5-3:2問前の質問で「いいえ」と答えた人に質問です。特に利用したくない理由は何ですか?(複数選択可)
【回答選択肢】
既に情報の取得に満足しているため
わざわざ新たなサービスとして使うことに魅力を感じられないため
評論系同人誌について、情報が集約されていることに魅力を感じられないため
その他...
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「既に情報の取得に満足しているため」「わざわざ新たなサービスとして使うことに魅力を感じられないため」「評論系同人誌について、情報が集約されていることに魅力を感じられないため」といった理由で、評論系同人誌プラットフォームを利用するつもりは無いと回答した方々がいました。
▽質問5-4:その他、評論系同人誌プラットフォーム(仮)について、現時点でのコンセプトなどについて気になる点や仮にサービスがあるとしたときに欲しい機能など、ご意見があれば教えてください
情報系同人誌プラットフォームにどのような機能が欲しいか、開発に役立つ有益な意見が数多く集まりました(全81件)。この場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
代表的な意見として、最も多かったのは「検索性」でした。様々な情報(本やサークルの詳細情報、イベント情報など)を掲載すること、そしてその情報を検索できるようなプラットフォームにしたいと考えております。また、ジャンル区分についても多くの意見をいただきましたので、評論・情報内の各ジャンルや隣接するジャンルについても区分したりタグをつけれるようにしたりして、広いジャンルを掲載できるようにしたいと考えております。その他プラットフォーム自体の方向性やマネタイズについて心配されている方のご意見もいただいております。
様々なご意見をいただきましたので、今後どのようにプラットフォームを開発していくか検討していきたいと思います。
●大項目6:自由記述
▽質問6-1:評論系同人誌というジャンル全体についてご意見があれば教えてください。
情報系同人誌というジャンルへの様々な意見が集まりました(全79件)。ご意見を記載してくださった方にこの場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
代表的な意見として、評論系というジャンル分けについての意見や、ジャンル全体の盛り上がりを期待したいという意見、評論系同人誌の面白さや楽しさについての意見、評論というジャンルについて真摯に考察した意見などがありました。
▽質問6-2:以上の質問以外に、何かご意見がございましたらご自由にお書きください。
情報系同人誌プラットフォームに対する意見が数多く集まりました(全52件)。この場を借りてお礼申し上げます。一つ一つ掲載したいところですが、回答者の特定につながる個別質問のため詳細は非公開とさせていただきます。
最も多かった意見としては、情報系同人誌プラットフォームの開発を「応援します」という旨のコメントでした。応援どうもありがとうございます。皆様の応援のお言葉もあり、情報系同人誌プラットフォームの開発に着手しています。今後ともよろしくお願いいたします。
また様々なプラットフォームの開発にあたって、様々なアドバイスもいただいております。いただいた助言を参考にサービスを開発していきます。
■評論系同人誌プラットフォームアンケート謝辞と今後のお願い
今回のアンケートはこちらの想定を大きく超える243人の方にご回答いただきました。どうもありがとうございました。数が集まることでプラットフォームの開発を決意することができました。それから自由記述のコメントについても、情報系同人誌界隈のことや、今回提起したプラットフォームについて熱心に考えてくれている意見が多く、大変参考になりました。いただいたご意見には全て目を通しております。重ねてお礼申し上げます。
いただいた回答、それからご意見をもとに私たち開発チームは情報系同人誌プラットフォームのための情報プラットフォーム「ジンフォ」を開発しました。そして、自分のサークル情報を入力していってくださると幸いです。たくさんの同人誌に関する情報が集まれば集まるほど、ユーザーにとって便利なサイトになっていきます。皆様、何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。
情報系同人誌のための情報プラットフォーム「ジンフォ」は以下のリンクから!