ペレニアルガーデン講座 第2回(2024年6月13日)
講座前日は、6月にも関わらず30度まで気温が上がり、天気予報では引き続き晴れの予報でした。ハラハラしながら迎えた講座当日、心なしか風も涼しく感じる曇り空。まだまだ暑さに慣れてない身体にはちょうど良い気温でした。
9時過ぎから続々と集まる受講生。サポーター(昨年のワークショップ参加者で講座手伝いを希望された方々)が、同じ班の方を誘導しながら、和やかな雰囲気作りをしてくれました。
講座の始めに、前回お休みした方を中心に各班で自己紹介。あちらこちらで笑顔や笑い声が聞こえ、楽しそうな雰囲気が感じられました。
有限会社スマイルプラスの木村さんより1回目の講座の振り返りのスライドを見た後、NPO法人グリーンワークスの三浦さんより1回目のアンケートの紹介と質問に関する回答がありました。
感想としては、
・宿根草のことを座学と実習でしっかり10回も勉強できるので楽しみ!
・昨年植えた植物がどのように育っていくのか楽しみ
・手入れの方法を学べるワクワク感
・サポートしていただける人が多く頼もしかった。スタッフの表情も柔らかく良い雰囲気でした
など高評価な感想が寄せられました。
また、質問では
・植物名を知りたい
・花の名前をおぼえたい
などがありましたので、昨年の植物配置図を配布し、また、今回の講座の中で花名札をつくりましょう!と回答
講座は座学からスタート
1つ目は、グリーンワークスの谷村さんより、「コミュニティガーデンについて」。コミュニティガーデン=「地域の庭」であり、近年、地域コミュニティの希薄化、防災面、少子高齢化や環境問題など、さまざまな社会課題が出ているなか、それらを解決する手段としてコミュニティガーデン活動が注目されています。関わる人、関係性も様々で、事例として、調布や府中の行政と市民、新木場の企業と社員・地域の人々、そして6月に見てきたばかりのロンドンのコミュニティガーデンの事例も挙げて、まちなみがきれいになるだけでなく、安全・安心で環境にもよく、仲間づくりもでき、心と身体の健康にもいい、すばらしい効果・効能が確認されてることを紹介しました。
ここで、グリーンワークスが関わっているコミュニティガーデンからレモングラスを提供してもらい、ハーブティで一服。レモンの香りが会場中に満ちて、参加者の気持ちをリラックスさせてくれます。実はこれもコミュニティガーデンの必須アイテムで、ガーデンで切り戻しなどで摘み取ったハーブを利用してみんなが楽しむ!楽しみながらお手入れをするとやる気がアップしてますます活動が楽しくなる、というちょっとした仕組み作りの一つなのです。
そんなリラックスした雰囲気の中、2つ目の講義は、木村さんより「選択的除草について」のお話。
草取り(この講座では、生物多様性の観点を大切にしているため、あえて雑草とは呼ばずに”草”と表現)は、それぞれのガーデンによってはちょっと遠慮してもらいたい草を、季節によって、そして種類によって取り方が違うことを説明。
まずは、「どうして植えてない草が生えるのか?」という理由を解説。そして、全ての草を除草するのではなく、「育てたい花より大きく育って覆いかぶさり、他の植物の成長を阻害するもの」「成長がとても早いツル性植物」など、ターゲットを決めて除草する、だれももがわかりやすく、簡単な除草のやり方を説明。
そして、イネ科の取り方は、成長点の上で切ってしまうと、成長点が刺激されてますます元気に育ってしまうとか、多年草の草は根ごと取れるものは丁寧にとるけれど、根が深過ぎて取れない抜けないものは、出てきたものをひたすら取り、光合成を阻害して弱らせる作戦など、臨機応変な対応をしましょうという説明に、みなさん合点がいったようで、フムフムと頷いている方が多かったです。
3つ目は三浦さんより、宿根草園での実践前に「お手入れの仕方」の講義
「茶色いものをとる」「エッジ(境)を際立たせる」「倒れている枝を地際から切り戻す」「大きくなった雑草をとる(選択的除草)」の3つのポイントを押さえれば、効率的かつ効果的な方法でガーデンのお手入れができる、と写真をまじえながら説明。
そして、後半はいよいよ 参加者が待ちに待ったお手入れの実践です。
いよいよ実践のお手入れです
班ごとに宿根草園へ移動し、いざお手入れに!1ヶ月前とは全く異なる風景に、「綺麗」「すごい成長!」など驚きの声があちらこちらで上がってました。一般来園者で写真をじっくり写真を撮っている方も多く、邪魔にならないように、お手入れの説明を開始。三浦さんが今咲いている花の解説しながらガーデンツアーを見て周り、今日のお手入れは2段階に分けて行う旨を説明。
最初は選択的除草。今日のターゲットは「エノコロ草などのイネ科の草、アメリカセンダングサ、西洋ダンチク、スギナ」。見本を見せて、班ごとにエリアを決めて15分で草取り。最初は植えた植物と草の区別がつかなかった受講生も、しばらくすると目が慣れて、ドンドンとターゲットの草を見つけては抜いていって、あっという間にゴミ袋もいっぱいになってしまいました。
次に切り戻し。「花がたくさんついているけれど、倒れ込んでいる「ネペタ、アキレア、クナウティアの3種」をばっさり切り戻しますと説明。
デモンストレーションでネペタの切り戻しをすると「キャー、まだは花がついているのに、そんなにバッサリ切るの?」と悲鳴にも似た感想があちらこちらであがりました。この3種は切り戻しても、またしばらくしたら花が咲き始めるので大丈夫。今日は切り戻しても再度花が咲くものを切り戻していますと説明。
その後、各自でターゲットを決め、一人1植物以上 切り戻しの実践をしました。最初は恐る恐るハサミをいれていた参加者も、最後の方はもう少し切った方が、風が通りやすいかも、などと隣の受講生と話し合いながら、お手入れに夢中になっていました。
さっぱりしたガーデンを眺めながら、今度は「花の名札つくり」をしました。
神代植物公園の松井園長から、植物公園における植物ラベルの表記についての説明書きを参考に、今咲いている植物、そして、これから咲きそうで来園者にも目につきやすそうな植物に、花名札をつけていきました。
まだまだお手入れを続けたいけれど、残念ながら時間切れとなり終了。
次回のご案内をした後、名残惜しくも講座終了。
解散後、希望者のみでミニブーケ作りをしました。まだ花がついている植物の切り戻しをしたので、これをそのまま捨ててしまうのは忍びない。でも、園外に持ち出すことはできないので、紙コップに水をいれて、切り戻した植物でミニブーケを作り、それをセンターに飾りました。宿根草園に立ち寄れなかった来園者にも、初夏の宿根草を楽しんでいただけることでしょう。