全国早稲田学生会連盟:インタビューサークル、サークルインタビュー vol.7
人物研究会のサークル横断インタビュー。今回は全国早稲田学生会連盟さん。同じ早稲田生でも出身地で理解度がだいぶ違う印象の全早連さん。なんか東京を除け者にして随分楽しそうだな!?
談○全国早稲田学生会連盟
企画広報 門田さん、寺田さん
取材○人物研究会(吉澤、篠崎)
構成○人物研究会(吉澤)
「全早連」≠「稲門会」?
──まずは全国早稲田学生会連盟(全早連)とはどういった組織なのかを教えて頂けますか?新入生にはサークルとの違いを知らない人も多いかもしれません。
門田 全早連は、早稲田では少数派の地方出身の学生が気軽に参加できる団体であり、地方出身者ならではの悩みを共有できます。全早連は地方稲門会を統括していて、下部組織として各地方の学生稲門会があります。各学生稲門会に入ると、自動的に全早連に所属することになります。
寺田 全早連に所属した学生は、各学生稲門会の企画にも全早連の企画にも自由に参加できます。なので、自分の地方に留まらず全国の友達を作ることができます。組織としては常任の幹部が7人いて、地方稲門会に所属している人から選挙で決まります。また地方出身者には一人暮らしをしている学生が多くて家族と会えない寂しさを感じることもあるんですよね。そういった環境では同じ地方出身の学生で集まり方言や訛りを聞ける全早連には安心感があります。
門田 東京にも区ごとに稲門会がありますが、あちらは校友会が仕切っています。
寺田 おもな活動の一つには地方出身の学生に向けたイベントの運営があります。またイベントの主催が地方稲門会の場合でも全早連がお手伝いします。例えば、東北稲門会が芋煮会をした場合ですと、全早連が他の稲門会に連絡してたくさんの学生に来てもらいました。
──「東京ハイク」も全早連さんのイベントでしたよね?
寺田 コロナがきっかけというのもあると思うのですが、今年から実施終了という連絡が学生生活課からきました。
門田 いまは新たな企画を考案しているんです。でも状況が落ち着かないとどうしようもないですね。
──いまの全早連さんにはどういった方が所属していらっしゃるのでしょうか?
寺田 有名なのはTwitterでバズった岡田さんです。昨年の東北稲門会の幹事長なんですが……。早稲田駅に東北稲門会の広告を掲示したはずが自分の証明写真が印刷されていた方です(笑)。
──ありましたね。
寺田 一部で話題なのは遠藤レイさんという特殊な帽子を毎日被っている方。被っていないと人に気づかれない説……。
話題になった早稲田駅の広告。出典はオカダダイキさんのツイート。
地方出身!ようこそ早稲田!
──今年は新型ウイルスで新歓が中止でした。全早連さんにはどんな影響が出ていますか?上京自体ができない学生もいますよね。
門田 毎年、春は学生生活課にご協力いただいて、「ウェルカムパーティー」を開いていたのですが……。今年は中止になって大きな新歓の機会を失ってどうなるかな……。
寺田 秋には「稲門ふるさとパーティー」もあるですが、この状況では開催できるかわかりませんね……(※1)。
──私も全早連さんの「ウェルカムパーティー」がきっかけで稲門会に入りました。
門田 そう!まずは地方出身者に認知してもらう必要があるんですよ。私も入学した時は稲門会をまだ知らなかった。「ウェルカムパーティー」は、まだ友達がいない入学式の数日後に開かれるっていうのがまた良いんです。それを機会に同郷の友達を増やせるし、先輩とも知り合えて相談もできるし。いいよねって感じです。
寺田 地方出身者は同じ高校から早稲田にくる人が少なくて、本当に孤独な状態だから。そこで友達が増えるとすごく嬉しい。だから沢山の新入生が来るんだろうな。
──オンラインでの新歓や広報活動は?
寺田 いまはTwitterを中心に、noteには広報記事を投稿して全早連を広めていこうとしています。よそのサークルさんとのオンライン合同新歓にも参加しています。
──noteを拝見しました。あちらはお二人が書かれている?
寺田 そうです。くだらない内容しか上げてない(笑)。
──漫才の掛け合いみたいですね。
門田 素で話してる内容をそのままって感じです(笑)。ボケしかないんですよね(笑)。でも全早連の堅苦しくない雰囲気を発信するには一番いいかな。
──あの、失礼になるかもしれませんが「全国早稲田学生会連盟」という名前に初めは堅苦しい印象がありました。
門田 そうですよね。ごてごてしてる(笑)。
──SNSで勧誘する際、プロフィールに出身県が書いてないと困りませんか?
門田 そうですね。全早連では公式LINEも準備していて。そちらで新入生から相談を受ける際に出身県も聞いています。
──新入生の人数は例年と比べてどうですか?
寺田 何十分の一ってくらい少ないです。例年は「ウェルカムパーティー」の効果が大きかったので……。早稲田の10号館1階に大講義室あるじゃないですか?そこが埋まる人数が来るはずだったので、正直全然足りないですね。
──どんな新入生に入ってほしいですか?
寺田 地方出身!つまり東京、埼玉、神奈川以外出身なら誰でも来てほしいですね。
東京の人には何もない?
──全早連さんのような地方出身の早大生は東京出身者をどう思っているのですか?「東京育ちっていけ好かないな」とか?
寺田 初対面では方言が通じない(笑)。東京育ちは標準語を使いこなせていいなって思います。方言は結構いじられることが多くて(笑)。
──全早連さんでは方言が飛び交っている?
寺田 入学したての頃は(笑)。でも学年が上がるうちに標準語に慣れてきちゃう。それでも関西弁の人は全く直らなかったりします(笑)。私は鹿児島出身で全早連でも少数派なので標準語で落ち着いていますね。
──門田さんはどちらの出身ですか?
門田 私は熊本です。
──お二方の間でも「訛っているな」ということありますか?
寺田 鹿児島の方言は異言語なところがあるので(笑)。地方でも若い人は方言と標準語を合わせた喋り方をしますね。『西郷どん』みたいに「おいどん」なんて言わないし適度に方言を使っています。でもイントネーションは結構違うみたい。
門田 上京した頃は恥ずかしがってた(笑)。「田舎者みたい」って。田舎者なんだけど。
──東京の人は「帰省」を「田舎に帰る」と言いますよね。「夏休みは田舎に帰るの?」って。
寺田 ですね(笑)。でも田舎の自覚ありますからね……。東京みたいに大きな建物が無いですし。
門田 都会の人はキラキラしてる(笑)。
──地方出身の人は全早連さんの大きなイベントで友達を作る機会があるけれど、東京の人にはその日は何もないですね。家でじっとしているしかない?
門田 そんなことないですよ(笑)。秋の稲門祭は東京の人も楽しめます。ぜひ来てくださいよ。大学で唯一お酒を飲むことが許された日です!都民の方は自分の区の稲門会に行ってみるのもいいですね。
「早稲田は地方の力でできている」
──人物研究会には座右の銘を聞く慣例があります。全早連さんの座右の銘は?
寺田 全早連には「早稲田は地方の力でできている」という言葉があります!
門田 東京の人の前では言いづらいです(笑)。
──地方出身の新入生に向けてメッセージをお願いします。
門田 私からは「何とかなるさ」です。めっちゃバカみたいですけど(笑)。地方から来てるのに、コロナで大学に行けない、友達も作れない。新しい環境で悩むこともあっても窮屈な気持ちになるんじゃなくて、大学生活を自分らしく楽しんでくれたらと思います。何とかなりますよ!
寺田 私は、早稲田でしかできないこと、都会でしかできないことを自分なりに探してやろうと毎日模索しています。「後悔しないように。自分にできることは何でもやろう」ですね。新入生の不安を私たち上級生は先に経験してきているので。少しでもアドバイスできることがあるはずです。気軽に連絡いただけたらと思います。
──ありがとうございました。
取材日:2020年4月23日
LINEビデオ通話使用
※1 2020年度の稲門会は残念ながら中止になりました(2020年5月22日)
人研編集後記
生まれた場所は違えどみんな同じ早稲田生。両者は分かり合いたいに違いない。「早稲田なのに田んぼが無え」というあなた!郷里の話に花を咲かせに全早連さんまでご連絡を。
☆全国早稲田学生会連盟☆
「東北の郷土料理をみんなで作って楽しむイベント!このようにお互いの地元を感じる機会もあります」 ※写真は芋煮会の時のもの。
「noteに各地方学生稲門会の紹介文を上げているので見てください!」
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★人物研究会★
「会いたい人に会いに行こう」をモットーとする1965年創立のインタビューサークル。早稲田祭などでは講演会の企画運営も行う。早稲田大学入学以前の素性は不問。新会員募集中。