【競艇/ボートレース/データ分析】追い風・向かい風が結果に与える影響
本記事では，競艇における追い風・向かい風が結果に与える関係を調べました．
一般的に，
追い風ではインコース（スロー勢）が有利である一方，
向かい風ではアウトコース（ダッシュ勢）が有利
であることが定説とされています．
そして今回独自に検証した結果，以下の結論が出ました．
【結論】
向かい風が特に強い場合（6[m/s]以上）ではダッシュ勢が非常に有利！
検証方法
（少々数式が入るので，マニアアックな人向けかもですが．）
まずは，追い風・向かい風を数値化する必要があります．
今回は，ボートレース公式サイトに公表されている風の向きと強さを利用します．向きをθ, 強さvとすると，追い風・向かい風指標Wは以下のように表すことができます（ボートレース公式サイトで公表されている風向きは，１６段階なので，周期 T は１６です）．
$${W = v\sin(2\pi\frac{\theta}{T})}$$
Wは，+であれば追い風，-であれば向かい風のように判断することができ，
さらにその値の絶対値がボート進行方向の風の強度を示します．
評価指標には，ダッシュ勢の3連対率を用います．
ダッシュ勢の3艇が3着以内に何艇入ったかの割合です．
具体的には，レース結果が1-2-5であれば33%，1-4-5であれば，2/3で66%，4-5-6であれば100%です．
この指標について，
追い風時：W > 0
向い風風時：W < 0
のレース間平均をそれぞれ求めました．
なお，検証区間は，2014 ~ 2022年です．
結果と考察
追い風時：W > 0 → 35.4 %
向い風風時：W < 0 → 36.7 %
でした！
追い風時も，向い風時も大体35~36%の3連対率であることから，
全体としてダッシュ勢（4,5,6号艇）のうち１艇が3着以内絡むレースが多いことがわかります．
さらに若干ですが，1.2%程度，向い風時の方がダッシュ勢の3連対率が高いことがわかりました．
このことは定説通りの結果でしたが，
向かい風（W < 0） or 追い風（W > 0）のような単純な基準だと，レースに大きな影響を与えるほど，重要なファクターにはならないと考えられます．
追加検証（向かい風の強度とダッシュ勢3連対率）
向かい風時に，ダッシュ勢の3連対率が若干高くなることがわかったので，
今回はさらに，向かい風の強さと，ダンシュ勢の3連対率についての関係についての追加検証を実施しました．
まずは，下の図と表をご覧ください．
向かい風[m/s] | ダッシュ勢の3連対率[%]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5 [m/s] | 37.7 [%]
6 [m/s] | 38.1 [%]
7 [m/s] | 38.8 [%]
8 [m/s] | 40.4 [%]
9 [m/s] | 40.6 [%]
向かい風が強くなっていくほど，ダッシュ勢の3連対率が上がってますね！
さらに，向かい風が8 ~ 9[m/s]以上のレースでは，ダッシュ勢の3連連対率は，40%程度にまで跳ね上がります．
向かい風強い時に，ダッシュ勢の舟券買っとけばいいじゃん！と思うかもしれませんが，風速の強さが6[m/s]以上のレースは，全体のレースの1%程度しかありません（泣）．さらに，8~9[m/s]以上のレースとなると千レースに１回くらいの出現頻度です．そのため，そもそも購入できるレースが少ないと思われます．とは言え，向かい風が5[m /s ]以上のレースを購入する際には，ダッシュ勢を考慮した舟券購入が必須ですね！
まとめ
・追い風・向かい風のような基準では，ダッシュ勢の3連対率にほぼ差はない
・向かい風が特に強い時（6 [m/s]以上）に着目すると，ダッシュ勢の3連対率が飛躍的に上がっている．
解析方法のご提案や，ご意見などあれば，競艇AI ジンベイのDMまでお願いします！