ミッション8:挑戦してよかったこと
三日坊主と呼ばれた僕も、8週続くといよいよ「習慣」と呼べるようになったのでは?と踏ん反りかえっていたら、提出締切日となりました。気の緩みはダメですね。
今回いただいたお便りは、こちら
「挑戦してよかったこと」
たくさんあります。
むしろ、挑戦しなければよかった
という後悔なんて1つもありません!
そんな僕が選んだ「挑戦」は・・・・・。
はじめての挑戦
これは、僕が19歳の時に行った
「はじめての海外旅行」の話です。
京都に生まれ育ち、京都の学校に通う僕は、それまで一度も関西圏から出たことがありませんでした。
一番遠くて和歌山(アドベンチャーワールド)だったと思います。
そんな僕は、京都の芸術大学に通っていました。
(住まいは田舎なので、片道2時間近くかかっていました)
昔から「変わっているね」と呼ばれ
それを個性だと信じ、強みだと思っていました。だから、個性を活かせる分野「芸術」に関心があり、進学したのですが、さすが芸術大学。
見た目では分からない「センスの塊」のような人ばかり。
1年間に4回 作品をつくって発表する機会があります。
芸術大学では、作品の出来が全てです。
作品の評価で成績が決まり、進級か留年か運命が変わります。
入学したて初めて作品、2回目の作品・・・
どちらも評価は「可」
つまり、普通です。
変わっている集団の中では、自分が「普通」だということに衝撃を受けたと同時に自信を失ったことを今でも覚えています。
これまで見てきた自分の世界の狭さ、自分という存在のちっぽけさを
もっと思い知るべきだ!
と、自分を追い込み、その勢いのままパスポートをつくり
世界一メルヘンな町
ピノキオの舞台となったドイツへ向かいました。
大ピンチ!「コーラ」が伝わらない
小学校までは「この子は天才だ!」と
ちやほやされ
中学校では「英語を使って働きたい!」と
思うようになっていた程
飛行機に乗るなり外国人ばかりの環境に
少し緊張しながらも
僕の挑戦(学生の貧乏旅)がはじまりました。
エコノミーは座席も狭く、さらに前後左右も外国の方なので
席を倒すことも、手すりで腕を休めることもできない状況でした。
窮屈な席で、もがいていた時に何かボタンを押してしまったのでしょう
CAさんがやってきて「どうされました?」と
英語で聞いてくれました。
どう返事すれば良いのか分からず、恥ずかしそうにしていると
隣の人:「水を下さい」と代わりに用事を伝えてくれました。
CA:「あなたも何か飲みますか?」
僕:「イエス!!コーラ、プリーズ」
CA:「sure!hot ?」
僕:(海外ではコーラを温めるの?文化が違うってすごいな・・・・)
「ノー!コールド、プリーズ」
さて、僕のカタカナ英語は伝わったのでしょうか?
答えは「NO」です。
フライト時間は17時間。
オーダーした「コーラ」はいつも、「冷たいコーヒー」で提供されました。
※ちなみに、当時の僕はコーヒー牛乳しか飲めません。
身動きが取れず、前席の方からのリクライニングに耐え、自分はリクライニングできず、飲めないコーヒーを飲み続け、17時間トイレにも行けずに堪える。
僕のはじめての挑戦は、波乱のスタートでした。
何を撮っているんだ!
地獄のようなフライトを終え、ドイツに到着
さすが、ドイツ!
さすが、世界一メルヘンな町ローテンブルク!
どこを撮っても画になります。
元々、コミュニケーションが苦手な性格の上に英語も話せないと分かり
この旅唯一の楽しみが写真撮影となる・・・予定でした。
ホテルの朝食に出てきたリンゴをカバンに入れ、ドイツでもピノキオのようリンゴをもち、撮影しながら歩いていると
男:「おい!何を撮っているんだ!ふざけるな!」
気づかない間に、大通りから路地裏に入ってしまっていました。
あ、死んだな・・・・。
と一瞬弱音が頭をよぎりましたが、死んでたまるか!
僕:「ルック!アイム、テイキング ピクチュア―!ソー、ビューティフルタウン! アンド、ユー! アイ ライク ディス フォト!」
文字通り、いちかばちかの命がけで伝えました。
男:「うまく撮れているじゃないか! 良い旅を!」
と笑顔になってくれました。
腰が抜けるようにチカラが入らなくなり、しばらく川辺で座っていました。
緊張が解け、トイレに行きたくなりました。
驚いたことに、トイレが有料なのです。
あんなにも汚いトイレに、お金を払うのか!!!とまた衝撃を覚えました。
波乱のスタートからトラブル続きの旅行は、1か月近くをかけドイツに始まりチェコ、オーストリアをめぐりました。
オーストリアにつく頃には、ピノキオというよりストロンボリのような
山男スタイルになり、少々のことでは動じない強さを持っていました。
はじめての挑戦で得たもの
無謀にも挑戦したヨーロッパの旅
ドイツでは、憧れていた絵本の世界でしかなかった景色を目の当たりにし、ピノキオ、白雪姫の城。様々な物語が生まれた風景をこの目で見れました。
チェコに流れる「ヴルタヴァ(モルダウ)川」を眺めながら「スメタナのモルダウ」を聞く
地獄のようなフライトのおかげで飲めるようになった「コーヒー」をオーストリアのザッハトルテと共にいただく。
なんて素敵な景色なんだろう。
はじめての挑戦で僕が得たのは
選り好む生き方では到底たどり着かなかった「素敵な偶然の世界」
帰りのエコノミーは、ファーストクラス
帰りの僕は、別人です。
優雅に席を倒し、周囲の方とも気さくに挨拶する。
まるで、帰りのフライトはファーストクラスのようでした。
必ずしも、目標をもって挑戦する必要はないと思います。
僕は「自分を変えたい」
理由なんて、ざっくりとしたもので良いと思います。
挑戦は、人生のちょっとしたスパイスみたいなもの
という捉え方で十分だと思います。
選り好む生き方だけでなく、偶然を楽しむ。
挑戦とは「避けたい変化や、好まない偶然に向き合ってみること」
挑戦の先に新たな自分がいて、世界が広く見える
日本に戻った僕は、「できるけど、やらない。」
やらない言い訳を捨てました。
そんな僕の、はじめての挑戦は
「コーラ好きの少年」を「優雅にコーヒーを啜る大人」に成長させました。
※この旅での数多くの失敗談などは、追々。。