いざ鎌倉

大学を卒業してすぐとあと1度鎌倉旅行したことがあります。
京都で鎌倉時代の研究をしていたけれど、足を運ぼうとは思わなかった。
現場を目で見て歴史を、先人たちの想いを感じることを重んじている今からは考えられないことです。
お金と行動力がただなかっただけですが。
新幹線ですぐに行ける距離だったのに。今の家からだとかなり遠い。
鎌倉散策すごくいい経験でした。

よく「いざ鎌倉!」という言葉を聞きます。
鎌倉に何か事が起こればすぐに駆け付けよという武士の心構え。
急いで駆け付けなくても鎌倉に住んだらいいのではと思われた方、いい感覚をお持ちです。
鎌倉は山に囲まれて一方は海という天然の要塞のような都市。
守りやすい地形ではあるものの実はたくさんの兵を駐留させるスペースに乏しいのです。
常駐しているのは得宗家と北条家・得宗被官の家(長崎氏や平氏・尾藤氏・諏訪氏など)など信頼がおける人達であって、一般御家人は常日頃は周辺の自分の領地に住んでいたのです。
鎌倉は非常に狭い都市であるということ。
切り通しで都市への侵入を防げば大丈夫だということ。
防ぎきれるかどうかがすべてでした。
1333年5月新田義貞の猛攻に屈したのは、鎌倉までの度重なる戦いにことごとく敗れて、鎌倉籠城戦にすべてを託さなければならなくなった失敗のせいなのです。
100年以上続いた武士の都鎌倉は数日で滅びることになったのです。

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