海外ミステリー本感想11「キングの身代金(新訳版)」
エド・マクベイン著
キングの身代金(新訳版)
ハヤカワミステリ文庫
87分署シリーズで有名なエド・マクベインの小説。揃えないといけないなと思っていたらほとんどの作品が現在は絶版。
こういう後悔が本当に多いといつも思う。
他にもそういう作家が数人いるから、私のミステリーの収集はなんて抜けているのかと自分にあきれてしまう。
今回初めてマクベインの本を読んだ。87分署シリーズが人気があり、ホープ弁護士シリーズと共に継続的に翻訳出版されていることは知っていた。
何故購入して読んでいないのかは自分でもわからない。
過去の自分に買いなさいと伝えに行きたいものだ。
自分の息子ではなく運転手の息子が間違って誘拐された時、同じように身代金を用意することが出来るかというのがこの作品の最大のテーマ。キングが身代金を払えば破産してしまうということがあり、彼は断固支払いを拒否する。この行為は人として果たして許される決断なのだろうか。誘拐犯は人違いに気付くものの身代金要求は取り下げない。追い詰められていくキングと警察。果たして無事に子供は救出されるのか。
マクベインが日本で人気がある理由がこの本を読んでみてわかった気がする。
読みやすい文体と軽妙な会話が飽きさせない。
展開が早いからどんどん読み進めていくことが出来る。
シリーズものが長い間続く秘訣がこういう点だろう。
確か日本でマクベインのこのシリーズ原作で映像化されたと記憶している。
今まで触れてこなかったことを反省し、今後は古書で入手して少しでもマクベインを読んでいこうと思っている。
先日の本の市では並んでいなかったからもしかしたらたくさん市場に出ていないのかもしれないが。
きちんと購入しなければいけない本をちゃんと買うことの大切さを、改めて思い出させてくれたのがこの本であった。
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