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海外ミステリー本感想12「IQ」


ようやく読んだ。本棚で寝かせ過ぎか。

   ジョー・イデ著
      IQ
  ハヤカワミステリ文庫

ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアはIQと呼ばれる探偵だ。ある事情から大金が必要になった彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。
だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ」という異様なものだった!
奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。そんな彼が探偵として生きる契機となった凄絶な過去とは。

あらすじより

日系アメリカ人ジョー・イデの作家デビュー作がこの本。50代後半での文壇デビューであるが、すでにこの作品で多くの賞を受賞している。
IQとはアイゼイア・クィンターベイの通称。
黒人街のシャーロック・ホームズと呼ばれるような推理で活躍している。

物語は過去と現在が交互に紡がれていく。多くのミステリーは主人公の過去の模様を紹介しながら展開されるが、本書も同様でこの過去の部分がなければ現在の彼のことを理解することは出来ない。
過去の出来事が彼の未来を決めてしまったと言える。

巨犬を使った殺し屋の捜索も重要だが、過去から連続するある問題についても少しづつ進展していく。
これは当然ながらこの作品が1作で終わるのではないことを暗示している。
私はこの作品を購入しただけで終わっているがすでにIQ2が刊行されている。
こちらも早急に購入し読まなければならない。

それにしてもミステリーの世界はどこまで広がっていくのだろうか。
様々な事象に刺激を受けて多くの作家が珠玉の作品を日々生み出している。
「そうきたか!」と思わず声を上げることもいまだにある。
どんでん返しがこの世界の主流なのではないかというぐらい見事にひっくり返される。
これだからミステリーを読むことはやめられない。
著者との1対1の真剣勝負をこれからも楽しみながら、ミステリーを読む生活を今後も続けていきたいと思う。
私はミステリー大好き人間なので、ミステリーがない生活なんて考えられないと常に思っているが、皆さんはどうでしょうか。


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