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ほおずき市に行ってきた日記


昨日は市川真間の「ほおずき市」に行ってきた。

ほおずきのオレンジに癒される。


まだ明るいうちに到着すると、すでに「手児奈霊神堂」の前にたくさんの屋台が並んでいる。

射的や輪投げ、楽しそうだったなあ。久しぶりにお祭りらしいお祭りに参加した。なんでも4年ぶりの開催だそうだ。

いつも閑散としている分、お堂も嬉しそう。



ステージには女性アイドルの人たちや、手児奈太鼓を叩く女性オンリーのグループなど。

手児奈さんは万葉集の時代にいた絶世の美女だったらしく、かの山部赤人も手児奈さんについて詠んだらしい。
だからなのか、女性が元気なお祭りだった。

・焼きそば
・たこ焼き
・クラフトビール
・チョコバナナ
・あんず飴
・ラムネ
・フライドポテト
こちらの屋台は制覇!^^

このお祭りの見どころは19時から始まる「灯篭流し」なのだけど、まだまだ時間がある。そしてとても暑い。


涼を求めて、手児奈霊神堂から徒歩1分。真間山弘法寺へ向かった。

おばショットを撮る夫。真間山の真の字に鳩が隠れていることが有名。


ここの階段なのだが、めちゃくちゃ急勾配。

似たところでは愛宕神社の「出世の石段」が身体にキツかった記憶があるのだが、それを優に超えてキツい……!

一段一段が高いのよ。絶対ひざを90度に曲げないと上れないし…泣

身体を鍛えるため、3往復したのだが、無理……ギブ……


階段でおばショットを撮る夫。



ちなみにこの階段には怪談があって・・・(やかましわ)
涙石」と呼ばれる石があるのだ。

どんな晴天の日でも濡れたままの「涙石」には、とある侍の幽霊が泣きながら座っているのだという言い伝えがある。

けっこー目立つ石なので、その存在はすぐにわかる。

なんなら何度も隣を通った。


夫「きっとそのせいでこんなにも身体がキツいんじゃない…………?」

怖がらせようとしてくる夫。やかましわ。

でもそれでなきゃ説明がつかないほど疲れてます。

いや、、、
憑かれているのかもしれない、、、(やかましすぎ)



19時。

真間川のほとりに人が集まってきた。

お坊さんたちが行列をなしてお経をよむ。

お経が響き、厳かな雰囲気になってくる。


昼の熱気が嘘のように静まり、空は紫に、風は涼しく吹き抜けていく。

私と夫も、両家の先祖霊を供養しようと、灯篭流しに申し込んだ。

火を入れると幻想的な雰囲気を増す灯籠。
係の方が流していくスタイル。
塩が撒かれ、水が揺らめく。
意外と滞留し、一時キングスライム状態になる。
下流から見ると順調に流れ、美しかった。


夏の夕方ってなんだか不思議だよなぁ。

生ぬるいような、それでも涼しさが一粒まじっているような風と。

蝉が生命を謳歌するかしましい鳴き声と。

まぶしい青空が強烈な西日に覆われて、紫にピンクにと光を乱反射していきながら、やがて一日が静かになっていくことを伝えるのと。

いつまでも明るいように思えた空が急に闇深くなって星々を映すのと。

夜の空気の中でリンリンと、鈴が鳴るような虫の鳴き声がするのと。

生命が燃え尽きるように太陽も何もかもがうるさく思えるような昼から、
急激にシンと静まり返る夜がやってくる。

あれだけうるさかった生命たちが、もう休むのだとばかりに、とことん鎮まる。

こんな季節は、たしかにこの世とあの世の境目があいまいになって、会いたかったあの人がちゃっかりこちらに紛れ込んでいても、何もおかしなことはないような気がするよ。


祭りから自宅付近に帰ってくると、今度は別の場所で盆踊りをやっていた。なんて日だ。

家にいる時に、どこからともなく盆踊りの音が聞こえてくるとワクワクしてしまうのはどういうわけなんだろう。

音に誘われて、少しだけ見に行く。

太鼓が楽しげに鳴り響く。


見よう見まねで踊って、盆踊りの輪に加わった。一心不乱に他の人と体の動きを合わせていると、一種、トランスのような状態になってくる。

盆踊り自体は、その昔、死者の魂をなぐさめてあの世へ送る動きだったというのだが、なんとなく納得である。
何がどう納得とかではなくて、こうして踊っているとそんな気がしてくるだけだけど。

今日は一日、町全体が活気にあふれているのが良かったなあ。

街の中華料理屋さんは満杯で、近所のお祭り好きおじさんたちが輪を囲んでお酒を飲んで談笑しているのが、窓から見えた。

コンビニの入り口にはたくさんの小学生たち。親御さんからお小遣いをもらったのか、みんなで楽しそうにアイスを食べながらポケモンの話をしていた。


人が楽しそうにしている様子を見るのは、心に良いもんだなぁと思う。

どちらかというと自分には人嫌いの気があると思っていたが、そうでもないのかもしれないな、と発見した。

人って愛しいなあ。命って愛しいなあ。

そんなことに気づく、夏の夜だった。








仁礼(にれ)

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