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オーディションのはなし

7月ライブ当日朝6時。
私はマクドで人生どうしようと思いながらコーヒーを飲んでいました。酸っぱおいしい。

なんとか希望を見出さないと気持ちが死んじゃう。なんでもいいからなんとかなれの一心で、高卒求人を眺めていたところ、どういう巡り合わせか、ある有名芸能事務所のオーディションがあることを発見しました。

これだ!!!!

保存してた求人を全部消し、勢いのままに応募フォームを送信しました。

一瞬の気休め、現実逃避でしかないと分かっていながらも、どうせならちょっと楽しいことをしたい。ワクワクしたい。そんな気持ちで応募していました。

ライブ前日はこれが最後だと思い込んでいたせいで心がズタボロ。でも当日の朝は意外と清々しい気持ちでした。
駐車場で煙草を吸ってたらナンバー2222の車の下に猫がいて少し嬉しかったです。

まねきねこฅ^•ω•^ฅ


そんなこんなで応募したオーディションに今日行ってきました。

自己PRと特技があれば披露してもらいます。とだけ書かれたメールを頼りに、オーディションの面接ってどんなもんじゃろうと思いながら、元々あったピンネタを2分に整え心斎橋に向かいました。

現地に着き、エントリーシートを書いている時に気づいたのですが、やけにかわいい子が多い!!みんなアイドルみたいにかわいい!!
これでおもしろかったらなんも勝てないじゃんと半ば絶望をしていました。

ですが、面接が始まって自己紹介の時に、かわいい子がアイドル志望だと言っていてなるほど!ってなりました。他のかわいい子も女優志望。芸人志望は私だけでした。

そう、芸人だけのオーディションじゃなかったのです。募集要項をあまり確認せずに応募してしまったせいで、完全アウェイの空間に飛び込んでしまっていました。黄色い水玉模様で虹色のフラフープを持ったやつがいる空間ではありませんでした。

大道芸人みたい🤹‍♀️


こりゃあヘタこいたと思いましたが、とにかくやるしかない。私は水玉のワンピースを脱ぎ、下に着込んでいたヒートテックとタイツ一丁に早着替えをしました。そしてかわいい女の子に奇妙な目で見られながら、渾身のイルカショーを披露しました。ecstasy〜✨

ネタ見せをさせてもらった場所があまりスペースがなくて、フラフープくぐりが一度も成功せず泣きそうになりました。笛も上手く鳴らないし。ネタどうこうよりパフォーマンスとして悔しかったです。

なんとか地獄の空気の中ネタ見せを終え、特技披露の時間になりました。

私の順番の前のアイドル志望の子が、「私の特技はぶりっ子です」と言っていて度肝を抜かれました。芸人が特技を聞かれた時に、私の特技はおもしろですと言うようなことだと思うからです。ぶりっ子だけで人生生きてこれましたと言っていて、筋金入りのアイドルだと感心しました。私だったら絶対におもしろだけで生きてこれましたとは言えませんから。

すごいなあと思っていたら、私の順番が回ってきました。エントリーシートの特技欄に書いた、Queenのボヘミアンラプソディのオペラパートを1人で歌いきるという特技をやって欲しいと言われてしまいました。

さすがに超かわいいぶりっ子を見せられた後にボヘミアンラプソディは嫌すぎる。ただでさえヒートテックタイツの化け物なのに。

世の中こんなにも女の子な人がいるのに私は一体なんなんだと少し憂鬱になりましたが、むしろ丁度いいフリなんじゃないかと無理やり思い込みました。

そして、Queenのメンバー4人を自分に降ろし、100パーセントで歌い切りました。

ありがとう。フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョン。

ややウケだったよ。

Queenのメンバーに申し訳ない気持ちになりましたが、審査員の人が「皆さん、こんな風になんでもやってみた方がいいからね」とフォローなのかディスなのか分からないことを言ってくれたので良しとします。

こうして私の人生初のオーディションは終わりました。

面接の後、着替えていたら、審査員の人に「君、将来は芸人になるの?」と聞かれました。

そして私は、「はい!絶対なります!」と言っていました。

今まで親にも友達にも、薄らと芸人になることは伝えていましたが、今日ほど堂々と芸人になると言えたのは初めてでした。自分でもびっくりするほど迷いなく言えました。

結果にはあまり期待していませんが、改めて腹をくくれたなと思います。
大学は結局どうなるのかまだ分かりませんが、少し未来に希望が持てました。

滅多に見れないべっぴんさんいっぱい見れたしね!!


Queenのボヘミアンラプソディじゃない好きな曲

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