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「どんなことも自分次第」能年玲奈さん主演の映画「Ribbon」で学んだこと。

先日、能年玲奈さんこと「のん」さんが、監督・脚本・主演をつとめる映画「Ribbon」を見てきました。

監督も、脚本も、さらに主演もつとめるって、大谷くんもびっくりするんじゃないかというレベルのマルチプレイヤーなので、「どんな映画なんだろう?」と気になっていたのですが、ひとによって評価は分かれそうなものの、個人的にはすごいよかったなぁと。

のんさんが映画を通じて伝えたいメッセージが、なんとなく受け取れたような気がしています。

というわけで今回は「Ribbon」の感想戦です。

がっつりネタバレ入るのと、映画からどんなメッセージを受け取ってどんな風にこれからに活かしていけそうか的な話します。それでもよろしければぜひ。

物語の概要をざっくり説明します。かんたんにまとめると、コロナ禍で絵を描く2人の美大生の話です。

美大の卒業制作展示会がコロナによって中止になり、作品が大きすぎて持ち帰れない多くの学生が、自ら必死で描いた作品を壊すところから物語が始まります。

のんさん演じる「いつか」の作品は、幸運にもぎりぎり持ち運べるサイズだったので、なんとか持ち帰り、作品づくりを継続しようとするのですが、心配してくれる母とぶつかったり、コロナに過剰反応する父や妹と時間を過ごしたりで、どうにも作品作りが進みません。

一方で、山下リオさん演じる「平井」は作品が大きすぎてとても持ち帰れず、作品作りが進められずに苦しんでいました。どうしても作品を完成させたかった平井は、出入り禁止になったキャンパスにこっそり入って、絵を描き続けます。

ある日、学校に忍び込んだことがバレてしまい、「退学になるかも・・・」と平井からいつかに連絡が。

平井から状況を聞いたいつかは、「なにやってるんだよ!?」と語気を荒げますが、力強く「絵を描いてるんだ!」と返す平井。

バチバチにけんかしたあと、「どうしても絵を持って帰りたい」と希望する平井の願いを叶えるべく、夜のキャンパスに忍び込む2人。

そのままでは大きすぎて持ち運べない絵をハンマーやノコギリで壊し、バラバラにして持ち帰ります。

その後、壊れた絵を受け取ったいつかが、自分の絵と持ち帰った平井の絵を組み合わせて創作し、自分の部屋を使って2人だけの作品展示会を開いたところで物語はおわります。




映画の中では、「コロナ禍」というのが前面に押し出されていました。

想像もつかないほど多くの学生がコロナの影響を受け、文化祭、体育祭、修学旅行、場合によっては入学式や卒業式など、多くのイベントを諦めざるを得なかったことでしょう。

一生物の思い出になることも多いので、苦悩した人もたくさんいたはずです。

映画の中でも作品展示会が中止となり、長い期間、魂を込めてつくってきた作品を自ら壊すことになってしまった学生たちが、相当に苦しんでいる様子が描かれていました。

ここで終わってしまうと、10年後20年後、「展示会が中止になって、作品壊さなきゃいけなくてしんどかったよね…」で悲しい思い出となっちゃいそうなんですが、平井といつかは違ってまして、

学校に忍び込んででも絵を描き続けた平井の行動力に触発され、完成した絵を壊して持ち帰り、自らの作品と合作することで、とんでもない作品 (ほんとに素人目なのですが映像越しでも感動しました)を作り上げるんです。

一人暮らししている自宅を会場とすることで、キャンパスの上だけではなく空間ごとデザインして、まるで部屋そのものがひとつの作品といえるような、そんな工夫もされていました。




注目すべき点は、いつかの作品は「コロナ禍」だったからこそつくり上げられた作品だということです。

コロナ禍でなければ、作品展は中止されなかったし、平井の絵を壊して持ち帰ることもなかったし、部屋ごと作品化することもなかった。

おなじ「コロナ禍」という逆境にあっても、工夫次第でチャンスに変えられる実例を見せてもらえた気がして、すごく勇気づけられました。

10年後20年後、ただ作品作りを諦めた学生は「あのときコロナで作品展中止になって寂しかったよね」で終わってしまいそうですが、

平井といつかは「コロナで作品展中止になっちゃったけど、バチバチに喧嘩したり、夜に学校に忍び込んで作品壊して持ち帰ったり、いつかの部屋で作品仕上げたり、結局最高の思い出になったよね」と語り合っていそうな気がします。




というわけで

・どんな状況でも自分次第
・ばちばちに喧嘩したこともいい思い出になる
・より良い創造は、既存の「よい」を破壊することで生まれる
・視野を広げることで、キャンパスだけでなく空間ごとデザインできる

などなど、色々な気づきを与えてもらえた映画でした。

じつは、平井の絵はそのままでも十分にスケール感があって素晴らしい作品だったのですが、破壊し、いつかの作品と再構築することで、さらに素晴らしくなったように感じました。

「これ以上良くできないだろう」と思うものでも、いったんぶち壊してみることでさらにいいものができるかもしれません。

凝り固まった自分の脳みその中身含め、今年はこれまで積み上げた自分の概念をぶち壊してみようと思います。

今回ご紹介できなかったところ以外で、おもわず笑みが溢れるようなコミカルな部分もたくさんあっておもしろかったので、よろしければぜひ劇場で見てみてください。

それではまた!




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