人生の本質は暇つぶしというけれど、本当にそうかも、と思った話。

これまで何度か書いたことがあるのですが、「人生の本質は暇つぶしである」という話をよく聞きます。


ホリエモンこと堀江さん:
「僕たちは、生活をするため、生きるために働く時代を超越しました。」

東京喰種:re:
「この世界はまるで玩具(おもちゃ)箱だ。遊ぶだけ遊んだら時間が来てはい御仕舞」

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僧侶であり、参議院議員も務めた、今東光さん:
「人生はな、冥土までの暇つぶしや。だから、上等の暇つぶしをせにゃあかんのだ」



これらの格言が示す通り、どうやら人生が暇つぶしであるという考え方は本当らしい、という気づきが最近ありました。

少し前に部署が変わってごりごりに時間を持て余している、というお話を以前の記事で共有させていただきました。

内容については規定でちょっとお伝えできないのですが、インバウンドのコールセンターでお客様の対応をする、的な仕事でして、8時間の労働時間中、お客様対応している時間は本当にわずかで、あとはずっと「待機時間」なんですね。

もちろんお客様対応している時間は、「ディズニースタッフが出張してきたのかな?」といえるほどのホスピタリティーをバリバリに発揮して仕事しているのですが、とはいえ残りの時間はずーっと待機。

お客様がまったく並ばないアトラクションと化しています。

最初のうちは、専門知識を勉強するために業務関連マニュアルを読んだり、業務関連情報をホームページから得たりするのに時間を使っていました。

ところがどっこい、それほど難しい仕事でもないため、あまり理解度の高くないぼくでも2日も読み込めば理解できてしまいます。

こうなると、いよいよ持て余している時間をどう使うか、真剣に考えなくてはなりません。

じゃあどうやって時間を潰しているかというと・・・

電話がかかってくるまで、ひたすらボケーっと窓から外を眺めています。

文字通り、ボケーっと。。

インターネットは閲覧規制がかかっているので、見れるホームページはほとんどありませんし、かといって、業務情報はほとんど読み込んでしまっています。

となると、やれることといえば、隣の席の人と話すとか、PCにもともと入ってるアプリケーションを触るとかしかないんです。

職場のコロナ感染対策上、不要な会話はなるべく避ける必要がありますし、PCで使えるアプリケーションもほとんどなし。

結果的に、窓から見える景色を、マスクという世間と自分を遮断するフィルターの下で口をぽかーんと開けて眺めていた、というわけです。

暇をつぶす手段が少ない中で時間を有効に活用するっていうのは、意外と難しいものなのですよね…。




あまりに暇だったもので、ちょっとした思考実験をしてみました。

たとえば、広さ6畳ほど、すべての壁や床が真っ白な立方体のような部屋に入れられたと想像してみます。

その部屋には窓もなにもありません。水と食料が床に置いてあるだけ。

「ここで 1ヶ月を過ごしてください」

そう指示され、どうしても1ヶ月過ごさないといけないとしたら…

暇を潰す手段が何もない状況ですので、きっと相当しんどいと思うのですが、期間は決まっているのでなんとかなりそうな気もします。

おそらく最初は筋トレなどで体を鍛えることによって時間を潰しにいくでしょう。

「1日に1万回の腕立て伏せができるようになる」的な目標を掲げて、ひたすら腕立てをやる、とかすると、ある程度時間はつぶせそうです。

とはいえ、1ヶ月間ずっと筋トレだけをしているわけにもいきませんし、ふつうに飽きると思います。

やることがない割に時間はあるので、筋トレを継続することはできそうですが、1ヶ月を終えた頃には、おそらくバキバキに仕上がった筋肉と反比例して、真っ白な窓のない部屋で過ごした時間により、メンタルが相当やばくなっていそうです。




思考実験、第二段階。

まっしろな部屋に「窓」がつきました。

だいぶ救われます。

なにしろこれまでは周りを見渡しても、まっしろな壁、床、天井しかなかったのですから。

もはや「白ってなんだろう?」とゲシュタルト崩壊を起こすほどの環境下で、窓から顔をのぞかせ、外をみることができるようになったのです。

これはしあわせ。助かる。

外を眺め、空を流れる雲をぼんやりとみたり、通りをいく人の数を数えたり人間観察したり、夜には星や月を眺めることもできます。

「おい俺の筋肉、あのひと可愛いと思わないかい?どうなんだい?」

と、1万回腕立て伏せで仕上がった筋肉と会話したりすることで、これまでよりは割と楽しく時間を潰せることでしょう。

暇なのには変わりないけど。




思考実験、第三段階。

紙とペンが支給されました。

歓喜、ブログやイラスト大好きのわい、歓喜。

紙とペンがあれば、「想像」を「創造」に変えることができます。

これまで頭の中でしか描けなかった世界を大きく広げることができるわけです。

窓の外に広がる世界を絵として描いたり、これまでに繰り広げてきた想像をもとに小説を書いたり、イラストと文章を組み合わせてマンガを描いたり。

日々の記録を取ることもできそうです。

ここまでできるようになると、「暇を潰す」という表現よりも「時間を活用する」という表現の方が適しているようにも思えますね。




思考実験、第4段階。

読みたい本が好きなだけ支給されるようになりました。

もはや「暇」は敵ではありません。友人です。

暇があるおかげで、全世界のありとあらゆる本が思う存分読めるのですから。

暇、万歳。

朝から晩まで、眠る時間以外ずっと、自己啓発、小説、漫画、歴史などなど、興味のあるものをかたっぱしから読み漁るでしょう。

読み疲れたら眠ったり、窓の外を眺めてぼんやりしたり。

過ごす時間を「しあわせ」、と表現してもいいかもしれません。




思考実験、第5段階。

部屋に「ひと」が追加されました。

誰でもいい、自分の好きな人を自分の空間に連れ込めます。

これは嬉しい…!!

本を読んだり、ペンや紙を使って創作をしたりして時間を活用できてはいたものの、久しく筋肉としか会話していなかった自分。

正直、ひとと会話できないのは寂しかった…。やっとひととコミュニケーションをすることができる。

気のおけない友達や、いれば恋人と一緒に時間を過ごすでしょう。

しりとりをしたり、支給された紙とペンを使ってトランプを作って遊んだり、読んだ本の感想を言い合ったり、外を歩く人を見て「あのひとすごいおしゃれしてるけど、これからどこにいくんだろうね?」なんて話したり。

1日が終わる頃には、気持ちのいい疲れに包まれてぐっすりと眠ることができそうです。

好きな人たちとのコミュニケーション、最高。




思考実験、第6段階。

「スマホ」が支給されました。

無敵です。

Netflix、YouTube、オンラインゲーム、Twitter、ありとあらゆるアプリケーションをダウンロードすることができます。

もはや紙とペンを使って創作をすることも、窓の外を眺めることも、連れ込んだ人たちとガッツリコミュニケーションすることも少なくなりました。

愛の不時着、梨泰院クラスをはじめとした韓国ドラマにのめり込み、SNSでつぶやいたり、ゲームにいそしんだり。

一日中スマホと向き合っています。おはようからおやすみまで 石田 featuring スマートフォンです。

1ヶ月どころか何年だって暇を潰せる。たくさんの面白コンテンツが詰まってるんですもの。

「・・・あれ。これだけたくさんの面白コンテンツを毎日みることができているけど、そもそもぼくって何がしたいんだっけ…??」

と湧いた疑問をこころに抱えながらなら、にはなりそうですけど。




というわけで

思考実験をしていて思いましたが、これは人生の縮図ともいえるなぁと。

広さや期間は違えど、「世界」という名の「部屋」で、平均85年間ほどの時間を与えられ、支給物を活用して時間をすごす、というのはおなじ。

なるほどたしかに「人生の本質は暇つぶしである」といえそうだなぁと。

暇つぶしなので、人生においてもどんな時間の過ごし方をしてもよさそうです。

一生本を読んでてもいいでしょうし、Netflixで映画やドラマに明け暮れてもいい。ぜんぶそっちのけで好きなひとたちとコミュニケーションとっててもいいし、会社をおこして人助けをしたり社会の問題解決をしてもいい。

なにしたってありなのですが、今東光さんがおっしゃるとおり、どうせ暇つぶしなら上等な暇つぶしをしたいものです。

思考実験から注意しないといけないポイントもみつかりました。

☑︎ 自分の部屋にわざわざ苦手な人を連れ込む必要はない
☑︎ 支給物が多いので、適切な選択肢を選ぶために判断軸 (どう暇つぶしをしたいか、とか) が必要
☑︎ 世の中には魅力的な支給物がたくさんあるので、そこに時間を割きすぎないこと

などなど。

実際に思考実験してみると、本質的なものがぼんやり見えてきて、いい時間の過ごし方をするヒントにもなりますので、一度やってみるのもありかもしれません。

なにかの参考になりましたら!


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