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お金の健康診断を国民的サービスに

株式会社400Fではこの度総額12億円の資金調達を行いました。今回は既存投資家としてSBIインベストメント、Skyland Ventures、新規投資家としてAflac Ventures、三井住友海上キャピタル、T&D Innovation Fundよりご出資いただきました。本当にありがとうございます。そして次のステージへの挑戦権を得られたことを嬉しく思います。

このnoteでは今回資金調達を通して私が考えていたことをまとめてみました。是非多くの方に読んでいただけると嬉しいです。

明るい未来をうまく想像することができない

明るい未来をうまく想像することができない。400Fのコーポレートサイトはこんなひと言で始まります。この言葉は共同創業者の加々美君が発した言葉でした。

彼と僕とは10歳の差があります。僕は1981年生まれで今年41歳。就職する時には超氷河期が溶けた直後であり、リーマンショック前です。社会人になった時には郵政民営化なども含めて日本が変わっていく!という高揚のようなものを持っていました。

また当時はまだまだSNSなども普及していなかった時代で、情報が溢れかえり息苦しさを感じるというものではありませんでした。ところがそれから10年、日本は薔薇色の未来ではなく希望を見出せない世界に変わってしまっていったのでしょうか。

元来ポジティブな性格であることもあり「明るい未来をうまく想像できない」という表現にはいまいちしっくりこない部分が多くありました。しかし、少子高齢化、ウクライナ問題、インフレ、円安、コロナウイルスなど数多くの出来事がこの間起こり、そして将来に対して明確に明るい希望を持つこともできないという感覚になってきました。

将来に不安があると人はどうなるのでしょうか?それは保守的になります。不安があるのに思いっきって何か挑戦するなんてことはできません。不安に備えて色々と我慢をする生活を強いられます。結果として消費は抑制され経済活動は活発化しません。

他方でグローバル化した現在において日本は自立的に経済を成り立たせることは不可能です。そして世界を取り巻く状況は刻々と変化をしております。直近では超緩和政策からの逆戻しで米国を中心とした金利上昇が起こり、そして円安にも拍車がかかっています。また世界各国でインフレが起こり、日本ものその影響から逃げ出すことはできません。

つまり自分達で防衛しているつもりでも外圧によって自国の国力、ひいては国民の資産が劣化していっているのです。日本は相対的に豊かな国でありますが、物価上昇による生活不安などは高まってきています。さらに、今のような状態では遅行的に悪影響は蔓延していきます。

今日本に必要なのは行動を起こすことなのです。しかし、行動を起こすというのは言葉としては簡単ですが、自分一人で考えて決断して一歩踏み出すことは簡単ではありません。お金に関係することであればより一層その傾向が強まります。

潜在的にみんなアドバイスを求めている?

ネット証券大手のIR情報を見ると昨年末時点のNISA(NISA、つみたてNISA)の稼働率は60-70%程度であり、SBI証券と楽天証券の合計で200万口座の未稼働口座があります。

ロボアドバイザー最大手であるウェルスナビの2022年6月末時点での口座数は35万件弱です。市場シェアを圧倒的に握る同社の6倍弱の口座がネット証券で眠っています。

またオンライン経由での生命保険の加入率は20-30代でも5%強であります。マッキンゼーのレポートによるとグローバルベースでもオンライン経由の生命保険加入率は10%程度となっています。

SNSの世界などではリテラシーの高い方の発言が大部分を占めます。そのため、プラットフォーマーのアルゴリズムに染まっていると誰しもが自分で判断して正しい意思決定をするべきである、と感じてしまいます。

もしそうならばつみたてNISAのような口座は投資銘柄まで指定されているので誰もが簡単に判断して投資をして稼働率は100%近くなるはずです。また保険についてはもっとオンライン加入率が高くなってもおかしくありません。でも現実は違う。それはなぜでしょうか?

それは金融商品が説明商材だからです。日用品のように毎日意思決定して買うものでもないため判断軸が難しかったりします。売買を繰り返す金融商品であれば価格感動も高いのですが、長期にわたる資産形成商品においては価格に関しての感動度もそれほど高くありません。

オンラインで情報を検索しても無数の情報が出てきておりどの情報を信頼していいかわかりません。またお金のことは今すぐ意思決定しなくてもなんとか生活をしていくことができます。結果として様々な判断を先延ばしにしてしまう傾向があります。

つまり誰かにそっと背中を押してもらわないと意思決定をやりにくいのです。これは行動ファイナンスで言うナッジに該当するものであります。

アドバイスを信用できるのか?

アドバイスを潜在的に求めていることはわかったけども、ユーザーにとってそのアドバイスを本当に信用できるのか?と言う論点があります。

それは本当にその通りだと金融業界に2005年からいる僕は感じます。金融の専門家だからといって盲目的に信用していいわけではありません。また、レモンの原理のようなものが金融アドバイスの世界にもあると思っています。

それはユーザーがアドバイスを受けることに対して疑心暗鬼になっていることです。「何か売りつけられるのではないだろうか?」「本当に信用してお金の相談をしていいのだろうか?」など、ユーザーはアドバイスを受けることに対して消極的になっています。そのような状況では正しい意思決定をすることができず結局何も行動をしないままになってしまいます。

しかし、今の日本では行動をしないことこそがリスクになります。その状況を打破したいと思い「お金の健康診断」というサービスを2018年にリリースいたしました。お金に悩んでいるユーザとお金の専門家をマッチングするサービスになります。

ユーザーは約30問の家計等に関する定量・定性アンケートに回答すると同地域・同世代の方と比較したお金の状況が表示され、後は待っているだけでお金の専門家からアドバイスが届きます。

お金の専門家はユーザーの登録情報を閲覧してピンポイントでアドバイスを提供することができ、マッチングをするとそのままチャットでやり取りをします。

このサービスを2018年から開始しており、その間にユーザーフォーカスインタビューを数多く行ってきました。その中で共通して得られた非常に興味深い顧客の声が「このサービスだといざとなった時に逃げられるので気楽です」という言葉でした。そして僕たちが見つけた顧客の心の声は以下のようなものでした。

真面目にお金について悩んでいるけど、売りつけられたり騙されたくない。かといって店頭に行くのは嫌だし、保険ショップも入りにくい。またネットで調べても何を参考にすればいいかわからないし、自分で決めきれない。

このような顧客の課題を解決するものがお金の健康診断であると僕たちは確信しています。

お金の健康診断を国民的サービスにするための投資

もちろんお金の健康診断についてまだまだ改善すべきところが数多くあります。今回12億円を資金調達したのはその改善点を解消しお金の健康診断を国民的サービスにするためであります。

マッチングプラットフォームとしてコロナ前から運営しており、ここ最近では月間2万人以上のユーザーが登録をしてくださっています。そしてそのユーザーとプランナーがマッチングをしているデータなどを400Fでは有しています。

つまり、どのような家計データのユーザーがどのようなやり取りを通してどのようなプランナーとマッチングするのかというデータが非常に多く蓄積されてきました。結果としてお金の相談相手に関する相性や、プランナーの特徴などもわかるようになっております。

今後はこのマッチングアルゴリズムの精度を磨いていくことで登録した時点で最適なマッチングが起きるようにテクノロジーに投資をしていきます。

そしてお金の健康診断の認知はまだまだありません。そこで今後は認知拡大に向けたマーケティングへの投資を大胆に行っていきます。

2022年5月にChief Growth Officerとして元エイチームフィナジー社長だった林さん(かずさん)がジョインしました。その後矢継ぎ早に施策を打つことによって、元々TVCM等を打つことで獲得する予定であったユーザー数に近い数値をマスマーケティングなしで達成することができるようになりました。

また大量登録があったとしてもユーザーのファネル遷移率には問題がなく、最近ではプロダクトアップデートをしたことでむしろファネル遷移率が大きく改善しております。そのため、今後大きく資金投下をしてもプロダクトの効率性は低下しないと考えておりお金の健康診断の認知を高めるための投資を行なっていきます。

この二つを行うことで「お金について少しでも悩んでいる方」がお金の健康診断をご利用いただくと最適なアドバイスを受けることができ、お金の悩みを解消してやりたいをやる決断を行うことができます。

現在漠然としたお金の悩みを持っている方が気軽にお金の相談をできるプラットフォームはありません。だからこそお金の健康診断がその立場になるべきだと考えております。体の健康診断は誰しもがやるものです。お金の健康診断も誰もがやるべきものだと考えます。そのため今後お金の健康診断を国民的サービスにしていきます。これが私の考えていることになります。

最後に

お金の健康診断を国民的サービスにしていくにはまだまだ仲間が足りません。現在絶賛採用中ですので、少しでも関心を持っていただいた方は是非一度カジュアルにお話を出来ましたら嬉しいです。

特に弊社では相当程度の権限移譲を早期から行い学習する組織を形成していっています。給与も自己申告性であり、大きく成長をしていきたい人にとっては最高の環境だと思っています。Wantedlyにもそんな弊社のカルチャーに関する紹介記事がありますので是非ご覧くださいませ。

皆様からのご応募をお待ちしております!よろしくお願いします!


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