胎児ドックと出生前検査、新型出生前検査の違い
出生前診断検査、赤ちゃんが生まれる前にどのような病気を持っているかを調べる検査です。
胎児ドックと呼ばれる検査は公式的な呼び名ではなく、胎児超音波検査や、胎児精密超音波検査と呼ばれることもあります。
広義に解釈すると、生まれるまえに赤ちゃんの健康状態を診るという意味では、妊婦健診も出生前診断の一部と言っていいと思います。
ただし、妊婦健診は、あくまで、母体の健康状態を診るもの。
なので、胎児をしっかり診るには、胎児ドックを受診したほうがよいと言えます。
さらに、新型出生前検査(NIPT)も目にする機会も増えました。日本では、臨床研究として 2013 年から開始されたため、新型出生前検査と言われていますが、正式名称は、母体血胎児染色体検査という名称です。
新型が付くか付かないかで、名称がほぼ同じのため、わかりにくいですが、ダウン症候群などの血液のDNAから調べるNIPTと違い、出生前検査はエコーを利用した超音波検査が主になり、検査の手法が異なるので、例えば、赤ちゃんの発育や臓器の発達といったものは、DNAによる検査ではわからないので、別のものです。
それぞれ検査の手法が確立されているため、それらの検査特性を理解したうえで、受けること、受けないことのメリットでデメリットを理解することがとても大事です。
出生前検査を受けることのメリットは、生まれるまえの胎児の健康状態を事前に評価することで、胎児治療に繋がるケースもあるということです。
これは、まず胎児を診察しなければ見つけることはできず、治療に繋がりません。
生まれたばかりの赤ちゃん、子ども、大人も、様々な健診をするかと思います。
生まれたあとの1か月目に行われる新生児健診からはじまり、健康診断や、時には人間ドックも行うかと思います。
その健診の流れを思うと、胎児も一人の人として、出生前検査ももう少し身近で誰でも健診ができる環境があってもいのかも知れません。
次回は、「胎児治療の歴史」に触れたいと思います。
世界でみると、1960年代からやっているそうです。