冷え性彼女の雪山コーディネート案-上半身編-
彼女のプロフィール
滅多に汗をかかない、冷え性、代謝低
1シーズン10〜15日使用想定(12〜4月)
本州2000m級以下のゲレンデ滑走のみ
「汗かかないから大丈夫」と言いヒートテックを4シーズン使っているみたいだが、そろそろ服装を整えてあげたい。
先シーズンまでヒートテックを重ね着+ダウン+アウターという着こなしをしていたが、わたしが考えるレイヤリングについてをお話しよう。
今回は7Lなど上級者向けレイヤリングを目指す訳ではなく、あくまで初中級者向けとして3L〜5Lで調整出来る範囲で物をチョイス。
ちなみに値段=機能とは必ずしも
"高ければ高い方が良い訳では無い"
のでその点勘違いしないようにお願いしたい。
ヒートテックについて
ヒートテックは身体からの常に出ている蒸気(水分)を凝縮熱という熱源に変換するが、蒸らさないためにレーヨンなど通気性を確保するために他の素材を混ぜた生地を使っている。
しかしどんな生地でも乾くスピードが追いつかないと水分を吸えば吸うほど透湿性が損失していくため汗をかくと一気に冷える、そして大体は悪循環で寒くなるパターンが多い。
繰り返しになるが汗をかかなくても
"人間は常に水蒸気が出ている"
事を忘れないように。
GORE-TEXについて
素材(メンブレン)を提供しているメーカー、WLゴア&アソシエイツ社
素材提供後はGORE-TEX社の厳しい品質試験を受ける、その基準をパスするとGORE-TEXというロゴが使用出来るようだ。
メンブレンは0.2マイクロメートル、ミリ単位だと0.0002mmの穴が空いたシート生地。
新素材のePE
PTFE(テフロン)を熱して引っ張るとe PTFEになる
プラスチックのポリエチレンを熱して引っ張るとePEになる
"e"はexpandのeだったと思う。
eを大文字にするとEPE、発泡ポリエチレンか 又は輸出加工企業という意味になる。
ePEは既に開発されて提供され始めており、今後使用するメンブレンはこのePEを含めたものに変わっていくだろう。
詳しくは先日24/10/25に公開されたアークテリクスのYouTube動画(90秒)を見ると素人が説明するより説得力があると思う。
L1 ドライレイヤー
防臭かつ夏冬問わず汗冷えを抑えてくれる優れ物。
ドライレイヤー候補の中でも汗と肌が張り付かないのでこちらはマストチョイス(敏感肌とかの方は試着してから検討しよう)
タンクトップのタイプならオールシーズン使用可能、わたしも実際にタンクトップ型を使用している。
ちなみに"防臭"最強アンダーウェアは宇宙飛行士のアンダーウェアコンセプトで作られたMXPシリーズ、現在はGOLDWINグループのNEUTRALWORKSと統合している。
アンダーウェアの匂いが気になる方、女性ならMXPベーシックライトショーツとかをオススメする。
L2 ベースレイヤー
スーパーメリノウールと悩んだが、彼女はアンダーバストがかなり細身なので脇下にステッチが2ライン入っているのでフィット感を優先した、1シーズン通して使うことを想定してこちらをチョイス。
1カラーしか展開してないが厳冬期と使い分け出来るなら同社のこちらもオススメしたい。
L3 ミッドレイヤー
モンベルのトレールアクションと悩んだが、パタゴニアのR1をチョイス。
パタゴニアの中でもR1 AIRと悩んだ。
R1 AIRならハーフジップかクルー、サーマルは温度調整出来るようにジップジャケットにしたがここは好みでもOK
モンベルなら通気性&ストレッチ性と価格で言えばトレールアクションに軍配が上がる、保温性求めるならクリマエア。
あとミッドレイヤーはチャック出来るポケットが1つ以上付いてるものをオススメする。
↑紛失防止と暖気でポケットを使用(小型の貴重品、凍りついたギア、スマホ等電子器具など)
L4 ミッドアウター
ここはコスパ最強のモンベル!
デフォルトはスペリオダウン、厳冬期の悪天候時はプラズマ1000、春はベスト着用しない
そして気になるところ、この2つの違いについて
表20/裏10デニール 800フィルパワー 145g
7デニール 1000フィルパワー+バリスティック エアライト 116g
と言われても全然わからない方、大雑把ですがデニールが生地の厚み、フィルパワーがダウン(中綿)の品質と関係していると認識してもらえれば良いと思う。
つまりこの2つだと前者より後者の方が高品質ということになる(生地、軽量、透湿性、ストレッチ性、保温性)
ちなみにユニクロのウルトラライトダウンは
デニール不明 640→750(2024new model)フィルパワー 186g
である。
タウンユースで暖かいと言われるウルトラライトダウンで640〜750フィルパワーなので、単純にスペックでも上回っていることがわかる。
あとは生地とキルティングとシーム次第で防寒性能が変わるが、ここがユニクロとの値段の差である。
L5 アウター
ゲレンデ滑走目的のため
パウダーガード(パウダースカート)
ハンドゲイター(リストガード)
フード
があることを前提条件としてアウターを選んでみる。
ピークパフォーマンスのジャケットがお世話になっているお店で割引してもらえるとのことで誕生日プレゼントとして即購入。
ミレーやゴールドウィンのウェアも可愛くてデザイン性も良く、この2つは中綿入りのゴアテックスアウターで暖かくて悩んだウェア。
良いと思う反面流石に1シーズン通して着用するアウターに中綿入りを選ぶ勇気はなく、あくまでレイヤリングで細かく調整出来るように中綿無しで選んだ。
冷え性が前提として、ベースとセカンドレイヤーで3レイヤーにしたい場合は中綿ありアウターでも良いと思うが
結局の所どんな物を選ぶかは
"どこに行くのか"(標高、気温、ルートなど)
"使用環境"(着用者の体質、行動量、スタイル)
今回の内容は本州1000〜2000m級のゲレンデ滑走のみを想定しているが、最終的に何を選ぶかは目的次第である。
まとめ
春秋
L1+L2+L4又はL5=3レイヤー
冬期
L1+L2+L3+L5=4レイヤー
L1+L2+L3+※L4+L5=5レイヤー
※スペリオダウン
厳冬期
L1+L2+L3+※L4+L5=5レイヤー
※プラズマ1000
こちらが彼女へのコーディネート案になる。
主のレイアウト
使用環境
アルパイン、バックカントリー、ゲレンデ滑走、ハイキング
代謝高、滝汗族
ペース かなり早い
行動量 多い
活動範囲 標高1000〜3000m級
夏冬問わず1年中着用しているドライナミックメッシュ
アウトドアではマストアイテム、猛暑日のタウンユースとしても使用。
厳冬期のみこちらをベースレイヤーとして使用。
厳冬期以外は同社のポーラテックデルタのロングスリーブを使っている。
汗かきなのでサーマルではなくエアーをチョイス。
とにかく透湿性を確保して蒸れないようにし、汗冷えしないことを徹底することが大事。
春秋はセカンドレイヤーが別の薄いウインドシェルがアウターになることも多々ある。
長時間の休憩など身体の動きを止める時のみ着用。
基本的には化繊綿ベストを着用しているが、厳冬期はこちらをたまに使用。
レイヤリングの中で1番出番が少ないのはL4レイヤー、自分がインサレーション少ないのも理由の一つ。
他人にはソフトシェルか化繊をオススメする。
OAKLEY公式に商品が見当たらなかったので、わたしが実際に着用した写真を失礼。
ハードシェルかつゴアテックスプロのため生地は丈夫だが使用感は硬め、音がカサカサパリパリするイメージ。
現状生地の硬さ以外は何一つ不満がないウェア。
日本ではあまり恩恵が少ないが、特定の周波数音当てるとその音が増大して反射して位置発見出来るRECCO付きなのも嬉しい。
そして現在狙っているウェアはこちら。
次にメインアウターを新調する時に欲しいが、全然財布に優しくない。
Sweet Protectionはノルウェーの水、森、雪、川を冒険するために高品質なギアを作っているメーカー。
オススメ
説明不要の厳寒地用コスパ最強インナー。
代謝が良い場合や行動運動量が多い人はM.W.を、オールシーズン着たい人はL.W.を、夏はクールメッシュ、とジオラインだけでも驚くほど幅広く色々なラインナップが展開している。
タイツやバラクバやパンツもあるので、興味あれば調べてみてほしい。
最高品質のベースレイヤー。
アウトドアに触れる人であれば、誰が見てもこのエンブレムを見ると安心する。
ベースレイヤーとしてはトップクラスのお値段なのがネックだが、着用すると最高水準の高スペックに納得すると思う。
保温最強クラス、極暖すぎるベースレイヤー。
アイスブレイカー社はニュージーランドのウールしか使わないGOLDWINグループメーカー。
ウール100%は耐久性が低いのがワークマンやユニクロ商品で証明されているが、260テックは耐久性も防臭性も確保されたソフトメリノファイバー、そんな高品質ウール100%は流石の値段である。
"濡れても保温性が持続"これがヤバい。
麓から山頂までずっと着ていられるのがコンセプト、つまり暖かいし汗冷えもしない。
肌に直接触れない限り、濡れても濡れたと気づかないとの噂を友人から聞いた。
秋冬春3シーズン使用可能なセカンドレイヤー。
代謝高い人や暑がりにもオススメ、値段も安価でコスパはトップクラス。
PolartecR Power StretchR Pro生地に4way仕様、速乾ストレッチで快適性がとても高い。
値段は気持ち高い方だが、クオリティを考えると安いと言えるだろう。
L3ミッドレイヤーとして、青天時のL4アウターとしても使用可能なインサレーション。
軽度な撥水シェルに、ハーネスやウエストベルトに干渉しない隠しジッパー式ハンドウォーマーポケットが2つあり、アルパインやクライミングにも対応しやすいのが流石のパタゴニア。
こちらも防風撥水生地のインサレーション、ミドラーアウターどちらにも使用可能。
熱がこもりやすい脇部分には中わたを封入していないのはGOOD。
グループメーカーのノースフェイスやヘリーハンセンやマウンテンヘッドは街や山で見かけるが、GOLDWINはあまり他の人と被りにくいのもオススメ理由の一つである。
冒頭の方でGORE-TEXについてを一読している人は理解しているPFASフリーで撥水加工したアルパイン向けのインサレーションレイヤー。
耐湿性、透湿性、防風性、空気透過性が高い、かつ軽量でトップクラスの品質。
軽量で高い保温と通気性を備えたトレラン用のアクティブインサレーション。
ミドラーor持ち運びレイヤーどちらでもOK。
L4アウターとして、レインウェアとして。
ゴアテックスでも説明したメンブレンを独自開発。
DRYEDGE™は"本格的な"アウトドアで必要になる耐水圧の20000mm、そして透湿性はなんと驚きの50000g/㎡/24h
とはいえベンチレーションが存在しないので、蒸れは前面のジッパーを開けたりして調整することになる。
高スペックの割に最安値アウターなのは嬉しい。
定番のマウンテンハードウェア。
アルパイン、クライミングなら同社トレイルバースゴアテックスジャケットをオススメする。
こちらはベンチレーションやパウダーガードありでコスパがとても良い。
使用用途、使用環境に応じて選ぶと良い。
パウダーガード付きゴアテックスの個人的コスパ最強アウター。
3000m〜級のアルパイン、アイスクライミング対応と商品説明があるが、スノースポーツ対応出来る万能アウター。
ポケット数は少ないが、ポケット位置はハーネスやウエストベルトに干渉しないデザインも評価したい。
ドイツのブラックダイヤモンドからこちらを紹介。
縦横方向へのストレッチ性がある4wayにBD.dryの3L生地、耐水圧20,000m 透湿性20,000g/㎡/24hと通気性が同じ値段帯の中では高スペックである。
当然ベンチレーションやパウダーガード付き。
国内ではオルトボックスのザックを背負う外国人スノーヤーを見かけたことがある人もいると思うが、あまり日本では知られていないドイツの老舗メーカー。
耐水圧20000m 透湿性32,000g/㎡/24hと高スペック。
ヴァイキングを象徴とするノルウェーメーカー。
生地はGORE-TEX PROで、表地は70デニールをベースに要所を160デニール生地で補強されており、耐久性がトップクラス。
ファスナーを上げたままフロント、脇下、腕後ろの3箇所にベンチレーションがある高品質ライディングジャケット。
最後に
わたしはアウターは他人と被りたくないのでスノーヤーとしては変わった物を選びがち。
スキーならフェニックスやデサント、ボーダーならAKバートンや686、みたいなゲレンデで露骨に良く見るウェアは個人的には避けたいと考える派(他人にはオススメする、AKウェア好きだし)
ということもあり、スキー&スノボメーカーより山メーカーを選びがちになるのだろう。
今回紹介出来なかったマーモット、ホグロフスなど他にも色々良いメーカーが沢山あるので是非自身でも調べてみてほしい。
結論根本的には"好きなものを着る"で良いと思う。
ギア選びの自己解決が不可能な場合は、相談もらえれば即レスは難しいが時間ある時に対応可能なので気軽にコメントしてほしい。DMでは返信不可、パブリックで見れるコメント欄でお願いしたい。
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