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【近況報告】ストーリーノートの今日この頃 ー2024 夏ー

過去5年間、ストーリーノートは毎年4月入社の定期採用を行ってきました。
ですが、ここ半年ほどの間に会社に大きな環境変化があり、その対応のために今年は初めて10月入社の中途採用募集を実施することになりました。
大きな環境変化とはどういったことなのか、今回の採用に臨まれる方のためにも、少しまとめてお話ししたいと思います。

去年の8月にも、会社の近況報告をまとめた記事を書いています。
その中で、私は会社の未来と目標について、こんな言葉で語りました。

  • 会社が成長意欲を持ち続けるなら、必ず達成しなければならないのは、『自分たちのオリジナルタイトルを持つこと』

  • 数年以内に、新作のアドベンチャーゲーム──それも極めてオリジナリティの高いものを毎年リリースできる会社になりたい

この記事を書いてから、まだ一年も経っていません。ですが、そのわずかな間に、会社の置かれた環境、状況は大きく変わりました。
私は社内のスタッフに向けて、こんな話をしたことがあります。
「2025年に会社の状況は大きく変わる。そうなることを想定して準備していこう」
私のこの目論見は外れたらしく、幸福な偶然がいくつも重なり、どうやら一年前倒しの今年──2024年から、会社の状況は大きく変化を始めてしまったようです。

『自分たちのオリジナルタイトルを持つ』

この目標を実現するために、ここ数年スタッフは一丸となって様々な準備を進めてきました。その準備が、この一年で一斉に花開きました。

  • 2023年10月 『まいごの女の子とトレンディ★ゴースト』

  • 2023年10月 『人の財布』

  • 2023年12月 『ドラゴンクエストモンスターズ3』

  • 2023年12月 『SYMBIOGENESIS』

  • 2024年1月 『Project:;COLD case.613 ココフォリア版』

  • 2024年1~3月 『Project:;COLD 2.0 case.674 ALTÆR CARNIVAL』

  • 2024年4月 『かがみの特殊少年更生施設』

  • 2024年6月 『かがみの特殊少年更生施設 設定資料&施設案内』

  • 2024年7月 『人の給与明細』

細かいものまでカウントすればもう少しあるのですが、うちはたかだか30人程度の小さな会社です。プロジェクト規模は大小あるとはいえ、たった一年の間にこんなにリリースが重なるとは考えていませんでした。

ARGプロジェクトの隆盛

特に『第四境界』としてリリースしたARG関連が6作品もあるというのは、完全に想定外でした。しかしながら、同時に象徴的な出来事でもあったと思います。

2020年にスタートした『Project:;COLDシリーズ』で培ったARGの作成技術が向上し、特に『人の財布』や『かがみの特殊少年更生施設』は大きな反響を呼びました。

これらの作品をきっかけとして『第四境界』やストーリーノートの活動を多くの人に知ってもらえ、一緒に仕事がしたいという申し出を連日いただけるようになりました。具体的な内容についてはまだお話しできませんが、どれか一つだけでも驚くような、誰もが知る相手からの申し出を複数いただいています。会社に起こった環境変化としては、これがおそらく最大のものだったと思います。

振り返って考えると、最初の『Project:;COLD』が終わってすぐの頃、手応えを感じた私たちは、より広くARGを展開していくために地道な営業活動に励んでいました。色々な方に声をかけ、企画書を何度も作り直し、現地に足を運んでARGの魅力を繰り返し説明しました。しかし、当時の私たちはまだ実力不足で、色よい返事をいただけることはほぼありませんでした。これ以上の提案は諦めようと決断した日、いつか相手から一緒に仕事がしたいと言ってもらえるような存在になろうと誓ったことを覚えています。
当時を思えば今は夢のような状況で、なんとか一つでも多くの提案を実現させていきたいと、そう思わずにはいられないのです。

ARG以外のプロジェクトについて

では、社内のプロジェクトはARG一辺倒になってしまったのかというと、実際はそうでもありません。
既にリリース済みの『SYMBIOGENESIS』は引き続きシナリオを担当させてもらっていますし、公表済みの株式会社ピンクル様との大型プロジェクトも順調に制作が進んでいます。
他にも大型RPGのシナリオ制作を複数ご依頼いただいており、業界全体では外注業務が減少傾向にある中、ストーリーノートは安定的に仕事を任せていただいています。

また、上記の表明の通り、ストーリーノートらしいオリジナルアドベンチャーゲームを毎年一本リリースしたいという計画も、一歩一歩着実に進んでいます。これらは大規模なものではありませんが、小さくても自分たちらしいインディーゲームを作り上げようと、皆さんにお披露目できる日のことを想像してワクワクしながら開発を続けています。

まとめ

仕事は順調に増えていく中、社員数はこの一年で少し減少しました。
会社を去った原因は人によりますが、極めて大局的に言えば、上記のような環境変化によって社員と会社の目指す方向性にズレが生じてしまった、という現象が起きたことが大きかったように思います。そこをうまく導けなかったのは、リーダーである私の未熟さ故です。

ARGというジャンルは謎解きや脱出ゲームのように見られがちです。もちろんそういった側面があることも事実ですが、私はARGこそ物語表現の最先端であると考えています。
このジャンルが未来の世界でどれほど存在感のある表現になるかは、自分たちの現在の行動ひとつ、そんな可能性に満ちていると思っています。
ただ、多くの人は、自分が幼い頃から慣れ親しんだ表現を愛し、自分もそこで表現がしたいと志すものです。それは映画やアニメといった映像作品、マンガ、小説、ゲーム、おそらくこの中のどれかにほとんどの人が該当するでしょう。
私はそのことを否定したいのではなく、ただ「そればかりではいけない」と考えているのです。

私たちは、ストーリーノートを『物語の表現領域を拡大する会社』と位置づけています。ARGもはじめはそうだったように、まだ誰も知らない新たな表現領域の開拓のために、物語を『アート』と捉え、常に『発明』を重視し、未踏の挑戦を続けています。そしてそれを、世界中の人に体験してほしいと志しているのです。
そのうちのいくつかは既に発明が完了していて、大手のパートナーと組んで商品化する道筋まで立てられています。

シナリオスタッフ募集 2024(10月入社)

さて、色々なことを書いてきましたが、つまるところ何が言いたいのかというと、「人が足らなくて困ってます」ということです。(いや、本当に困ってます……)

会社は現在も大きな環境変化の只中にあります。
もしもあなたが我々と共に荒波を超えてくれる気概をお持ちの方であれば、是非今回の募集にエントリーしてください。

他のどんな会社にも負けないくらい、ここは『発明』と『挑戦』に満ち溢れた世界です。そんなワクワクする世界を、私たちと一緒に冒険してみませんか。

冒険には、いつも仲間が必要。
また新たな冒険の仲間に出会えることを、心から楽しみにしています。

2024.7.17
『第四境界』総監督 兼 storynote代表
藤澤 仁


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