女性を自称すれば「女性スペースを利用できる」はデマ


はじめに

性同一性障害者が戸籍上の性別を変更するには、生殖能力を無くす手術が
求められていたが、2023年に最高裁でこの規定が違憲判決となり、手術
なしで戸籍上の性別を変更できるようになった。

肯定派の主張(1)

女性を自称すれば「女風呂や女性用トイレに入れる」

反証1:厚労省が改めて通知を出している

公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについて

これらの要領でいう男女とは、風紀の観点から混浴禁止を定めている趣旨
から、身体的な特徴をもって判断するものであり、浴場業及び旅館業の営業者は、例えば、体は男性、心は女性の者が女湯に入らないようにする必要があるものと考えていますので、都道府県、保健所設置市及び特別区におかれては、御了知の上、貴管内の浴場業及び旅館業の営業者に対する周知や指導等について御配慮をお願いいたします。

反証2:最高裁の個別意見でも述べられている

5号規定がなければ、男性の外性器の外観を備えた者が、心の性別が女性
であると主張して、女性用の公衆浴場等に入ってくるという指摘がある。
しかし、5号規定は、治療を踏まえた医師の具体的な診断に基づいて認定
される性同一性障害者を対象として、性別変更審判の要件を定める規定で
あり、5号規定がなかったとしても、単に上記のように自称すれば女性用の公衆浴場等を利用することが許されるわけではない。その規範に全く変わりがない中で、不正な行為があるとすれば、これまでと同様に、全ての利用者にとって重要な問題として適切に対処すべきであるが、そのことが性同一性障害者の権利の制約と合理的関連性を有しないことは明らかである。

2023年10月25日 最高裁判例