鹿児島で生まれ育った自分が、文化格差について考える。①
■自分の経歴について
鹿児島県の鹿児島市で生まれ育ちました。
高校まで鹿児島で暮らし、福岡の大学に進学しました。
現在は大学4年生で、自分の考えたことについて発信したくなったので、noteを書き始めました。
■文化資本と文化格差について
文化資産とは、社会学における学術用語(概念)の一つであり、金銭によるもの以外の、学歴や文化的素養といった個人的資産を指します。
絵画、ピアノなどの楽器、本、学歴、言語の使い方、振舞い方、センスなど様々なものがそこには含まれます。
文化格差とは、東京や京都といった都会と、地方で育った人の間で、享受出来る文化資本に差が生じていることをいいます。
■地方と都会との文化格差についての自分の考え
この記事を書くにあたって、そもそも都会と地方とで、文化格差は存在するのかよく考えたのですが、現実に、純然たる格差がそこにはあると言わざるをえませんでした。
2024年の東京都の大学進学率は、71.3%で全国1位、反対に鹿児島県の大学進学率は36.2%で、全国最下位でした。
東京で生まれ育った人は、大学に進学するという選択肢が当然としてあるのでしょうが、鹿児島で生まれ育った人は約3人に1人しか大学に進学していないということです。
その他にも、例えば絵画に触れることの出来る美術館の数と展覧会とを比べてみても、東京都とそれ以外の地方とでは明確な差があることでしょう。
映画館や図書館といった公共施設、ひらかれるアーティストのライブの数を比べてみても、それは同じことがいえると思います。
■地方でも享受できる文化について
上記で都会と地方との文化格差について挙げたのですが、この時代においては、地方でも受け取ることの出来る文化が山ほどあります。
例えば
・映画館が近くに無くても、動画配信サービスで過去の名作アニメ、映画、海外ドラマを見ることが出来る。
・アーティストのライブに行けなくても、youtubeでアーティストの音楽やMVを見ることが出来る。
・劇場に行かなくても、youtube で芸人のネタを無料で見ることが出来る。
・能や歌舞伎といった伝統文化はnhkの放送で見ることが出来る。
・塾に通えなくても、youtubeにある数多の無料教材から勉強することが出来る。
などです。
(他にも地方ならではの体験として、自然との触れ合いなどがあります。)
インターネットが世界中に張り巡らされた現代において、都会と地方とで受け取れる情報に差はありません。その点で、昔に比べて現代では文化格差が縮まっていると言えると思います。
しかし、問題は、地方に住んでいる人は、東京に住んでいる人に比べて、実際に赴き、参加するといった「体験」が出来ないことにあります。
そもそもインターネット環境が整っていない家が、地方において未だにあるでしょうし、例えば、「こういった画家がいて、こういった絵を描いた」という情報を受け取るのだけでなく、実際に美術館に行って感動するという体験をすることで真に身につくものもあるでしょう。
更に身も蓋もないことを言うと、受け取れる情報の差も実際あると思います。様々な背景を持つ人が集まる東京に住み、その人々と関わることで、インターネットのみからでは受け取れない、ある種の考え方や価値観のようなものも養われると睨んでいます。
■一旦の終わり
書いているうちに少し長くなってしまったので、今回はここでいったん終わりにしたいと思います。
まだ言いたいことがあるのですが、それは次の記事に書こうと思います。
次は「教養と、地方に生まれた者としての矜持」について述べたいと思います。
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