技術は人の困難をなくしてくれるの?
『Web3とは何か』という書籍のプロローグの中にある一文です。この一文自体が何の意味をなしているのかと言ったら、書籍を読んでもらいたいところではありますが、本記事で取り上げたいことはそういうことではありません。
本記事の目的としては、
技術の発展や進化は何が目的なのか
「Web3」と「技術の発展や進化」の目的は一致しているのか
を考えていくことです。
本記事の対象者は、
Web3って何だろう?
どういうことが面白いんだろう?
ちょっと技術関連は興味あるけど、きっかけがない
などの人に向けたものになります。少しずつ、用語の解説も含めながら行いますが、なるべく専門用語は使わないか、別の事例で例える努力をするので、ぜひ最後まで読んでいただきたいと思います。
技術の発展と進化
「web3」というワードはどこかで聞いたことはあると思います。この用語はどこもかしこも、聞いたことあるだけで現在「〇〇 x.0」が流行りすぎててちょっと気持ち悪いくらいです(笑)
技術の発展や進化はなぜするのか?
技術の発展または進化というものはなぜしなければならないのでしょう?正直、今の世界でも完璧に見えてしまいませんか?
スマホ一台でどこでもネットに接続でき、Suicaをかざせば駅のホームに入れる。お金を入れれば自販機で水だって変えて、本すら紙で持つ必要がない。そんな世界です。
でも、それだけでは満足いかないという強欲な生き物が人間なのです。
顔が好きな男性を見つけたけど、ずっと一緒にいたら違う男のところに行ってしまう女性というような感じかもしれません。彼女がいるのに別の女性と遊んでいる男性も同様です。こういう人のことを肯定も否定もしませんが、ある意味「人間的」であると思いませんか?
人間は、その場や空間、道具に飽きてしまう生き物なのです。
技術の発展や進化の目的は何か?
人間がそういう生き物なのは、感覚的に理解してもらえたと思います。
しかし、それはあくまでも感覚的なものであり、明示的に示すには「人間的すぎ」て、逆に違和感を持ってしまいます。
そこで、
この一文が出てきます。その場や空間、道具に飽きてしまうことから、何かしらの不満が見えるようになってきます。付き合いたての時には、彼氏が好きすぎて何にでも許してたけど、長年、付き合ってたり結婚までして一緒にいると悪いところ、欠点などが目に見えて"不満"へと変わってきます。この世についても"不満"が溜まっていくのです。
その不満を解消していくのが技術の役目だということを明示的に示したものが上の一文になるのではないでしょうか?いわゆる「カリフォルニアンイデオロギー(Californian Ideology)」というやつです。これによってインターネットに対して、本来ではない価値観がついていますが、結果的に拡散の仕方としては良かったと言えるかもしれません。一概には言えませんが…
さて、目的の話でしたよね。
技術の発展や進化は「不満を解消する」というものが目的となるでしょう。
じゃあ、どんな不満が解消されてきて、解消されようとしているのでしょうか。
どんな不満を解消するのか?
みなさん、重たい本をカバンの中に入れて持ち歩きたくないですよね。持ち歩いているやつがいたら、kindleとかiPadとかをお勧めしそうです。その現象がWebの始まりです。機械を扱う人たちにとってマニュアルが必要ですが、1000ページ以上あったり、100ページを見てたら、「詳しくは780ページに記載」とあったり、新たなページを開くのに苦労していました。
そこで誕生したのが、HTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)というやつです。これは、簡単に言えば文章に役割をつけたものになります。
<title>技術の発展や進化</title>
<body>なんかあーだこーだ言ってみる。目的は自由からの解放らしい。</body>
<title></title>というのは文字の通り、タイトルです。そのページのタイトルを表します。ページを開いてる時に上に出てくるタブの名前がこれです。
<body></body>で囲まれている文がページの中身の文章です。
要は、題名(title)と本文(body)がある状態です。本をいちいち広げるのはめんどくさい、というところから始まったのがWebになります。しかも、そこにハイパーリンクという別のページに一気に飛ばすものが出てきたことで、簡単に参照しに行けるようになったのです。
意外と「本」由来なの多くない?
Webという概念、システムそのものもマニュアルや本から始まっていましたね。そう考えると、amazonも本屋さんから始まっています。
本は昔からあり、いまだに形を変えつつも紙や電子であり続けるものになっています。もっとビジネス的にも歴史として何か変えたものの由来は本からくるのかもしれませんね。
Web3の技術の発展と進化
Web3の思想はどこからきたのか?
Web3とちょっとかじったことがあれば、「中央集権」や「非中央集権」という言葉が最初の方に出てきます。FAGAM(GAFA)という世界的大企業や日本でいうトヨタ、富士通、電通、博報堂のような各分野で独占的=中央集権的になっている状態に一石投じたのが、Web3です。
この中央集権というのはいいところはありつつも、その企業がどうにでもできてしまう状況になるということです。つまり、YouTubeというプラットフォームがそれを利用するYouTuberたちの動画をいくらでもどうにでもできてしまう状態なのです。すごくいい例がガーシーのアカウントの剥奪ですよね。ガーシー本人が良いか悪いかはおいておき、特定の個人をプラットフォーマーであるYouTubeがどうにでもできてしまいます。アカウント削除だけでなく、レコメンドに出やすくすることもできれば、広告を入れるタイミングや数も操作できてしまいます。そうしていくことで、独裁的にならざるを得ない状況になっていってしまいます。
そんなプラットフォーマーに抗おうという思想から生まれたのがWeb3になります。
分散主義
デセントラリズム (Decentralism)とも呼ばれます。中央集権的な権威や制御から解放されるために、"分散型のプラットフォーム"を重要視しています。。分散主義は、個々それぞれが公平にコントロールと発言権を持つことを目指します。
(どうでもいいけど、政治的な思想の中から選べば、)アナーキズムやリバタリアニズムといった思想が近いかもしれません。
透明性と公正
透明性と公正性が最も重視されています。その象徴がブロックチェーンと呼ばれるものです。詳しくは省略しますが、この技術は透明な取引記録をオープンな状態にし、あるルールを基礎としたシステムによって、公正性を追求します。
こう考えるとリベラリズムや社会主義の側面があったりもしますね。(どうでもいいけど。)
個人のプライバシーと自己所有権
個人のデータやデジタル資産の所有権などもあります。そこから生まれたものがNFTだったりします。個人のプライバシーを保護や自己決定権を強化することで分散主義にも通づるところがあります。
イノベーションと自由な競争
オープンソースである側面やそのエコシステムが、多様な人々の新しいアイディアやイノベーティブなプロジェクトを展開し、さらに競争が進むことを推し進めています。
こうみると、資本主義や市場主義っぽい。(どうでもいいけど。)
Web3は必然的で偶然的
Web3という考え方自体は、そう新しいものではありません。社会主義の政府がクソだから、反発を起こして民主主義にしよう的な話と同じようなことかもしれません。
"不満"が何かヒントとなり、新しい技術や今ある技術を応用して、新規的なもので革命を起こしいく途中のWeb3は今後どうなっていくのか楽しみですね。
書籍の紹介
本記事は『Web3とは何か~NFT、ブロックチェーン、メタバース』という書籍からヒントを得て、まんま同じようなことを書いていたり、ちょっとつけくわえているものになります。
この本、めちゃくちゃわかりやすく、面白かったです!