政治家秘書の種類をわかりやすく5つに分類

「政治家の秘書です」
というとどのようなイメージがあるでしょうか?国会議員の?市議の?とか東京に行ったりするの?とか色々言われます。政治家の秘書ってどんな仕事なのか、5つの種類に分けてざっくりご説明します。

秘書の仕事って実は明確な範囲がなく、勤務条件も仕事内容も、立場や所属する党、資金力、政治家によっててんでバラバラなのが実態です。あくまで、私が知っている範囲になりますのでご了承ください。

国会議員の秘書①政策秘書

国会議員秘書の代表的なイメージとなるのがこの政策秘書ではないかと思います。永田町にいて、国会運営や政策立案を議員と一緒に行う秘書。給料のベースが公設秘書の中で最も高いのも政策秘書です。

政策秘書は誰でもなれるわけではなく、資格が必要です。政策秘書の国家試験(超難関)があるのですが、これをパスして政策秘書になる人はほとんどいません。10年以上公設秘書を務めると政策秘書の資格を得ることができるのでこの制度を用いてなる方が多いようです。

他には弁護士や会計士などの難関資格を持っているとなれるとか、著作があるとなれるという謎の条件もあります。電子書籍でも良いのかどうかは事例がないのでわかりません。

国会議員の秘書②公設秘書

国会議員は3人まで税金で秘書を雇うことができ、これを公設秘書と呼びます。そのうちの一人が前述した政策秘書です。2人目と3人目は公設第一、公設第二と呼ばれます。多くは公設第一が地元の事務所長を務めていますが、第一が国会、政策が地元という珍しいパターンもあります。

公設秘書は国家公務員特別職という肩書きになり、国から給与から支払われます。公務員であるのですが、労働基準法適用外という稀有な存在なため労働者としての人権はほぼありません。いくら残業しようが土日祝日出勤しようが給料は固定です。

その逆も然りで、どれだけ働かなくても給料は同じ。議員の身内が名義だけ公設秘書として登録していたなんて話も過去にはありました。

国会議員の秘書③私設秘書

国会議員の秘書のうち3人までが公設なのでそれ以上スタッフがいれば4人目以降は私設秘書ということになります。私設秘書は議員のポケットマネー、もしくは党支部などから給料が支払われている秘書です。

待遇は公設秘書よりも圧倒的に悪いパターンか、めちゃくちゃいいパターンかのどちらかです。若い秘書は昔で言う鞄持ちみたいな感じで、見習い期間だと言って安い給料で働かされます。一緒には住んでいないけど、一緒にいる時間考えたらほぼ住み込みみたいなもんですよね。若い秘書は私設→公設→出馬という流れで出世していくことが多いです。

めちゃくちゃ給料いいパターンの私設秘書とは、ベテランさんです。公設秘書は65歳で定年となるため、65歳以上のベテランは私設としなければいけません。どうしてもその人の人脈や仕事が必要!と言う場合には当時の公設秘書並みの待遇で継続して働くことになります。

知事、市長など首長の秘書

「クニミツの政」というマンガをご存じでしょうか。千葉県のとある市長選挙が争点になっているマンガです。市長候補者として戦うのが、主人公国光が仕える坂上竜馬と前市長の秘書を務めていた不破俊一。

このマンガを読むと市長や市長候補など政治家には秘書がつきものと思うかもしれませんが、通常はおりません。市長などに秘書がいることもあるのですが、多くは役所の総務課の人が兼任しています。不破さんみたいな野心たっぷりで超優秀な秘書はいません。知事クラスになると秘書室があって秘書がつく場合がありますが、それも役人です。知事が民間から1人雇うこともあるようです。

ましてや元県議で市長候補なんて地位もお金もない人のところに3人も秘書がついて選挙戦を戦うなんてことはありません。「クニミツの政」は市長選と言っているものの世界観は国政そのものです。

国会議員候補の場合、浪人中でも秘書がつくことはあります。この場合は自費だったり党のお金だったりします。

地方議員の秘書

地方議員にも秘書がつくことがあります。これは行政区の規模(ぶっちゃけ給料どのくらいか)とその人によります。それは地方議員の秘書給与というのは補助されないので100%自腹になるからです。

それでも都道府県会議員は秘書をつけている人もいます。秘書というより事務所番だったり、事務仕事をしてくれるスタッフというポジションが多いようです。秘書というよりパートのおばちゃんという印象が強い。

都道府県会議員となると毎月の給与も高いし、政務調査費というものも支給されます。地域によっても異なりますが、人件費に充てるには制限があり、事務所費や広報物などの制作に充てることが多い政務調査費をうまく使ってスタッフ代に充当している議員はたくさんいます。

市議クラスで秘書や事務所スタッフを雇えているのは政令指定都市の市議くらいでしょうか。それ以外は親族に事務や会計を手伝ってもらう程度になります。

まとめ

政治家の秘書と一口に言っても想像以上にたくさん種類があったのではないでしょうか。謎に包まれた政治家の秘書の生態について知っていただくきっかけになれば嬉しいです。

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