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人口減少時代、ありあまる既存住宅は再生可能なのか、これからの住宅と住宅地はどうあるべきなのか―書籍「郊外を片づける」

「住宅地、特に郊外住宅地のこれからについて危惧がある」
建築家・野沢正光が警鐘を鳴らす――。

高度成長期に拡張し続けた郊外の住宅地が人口減少により縮減に向かう現代において、空き家をはじめとするあり余る既存住宅は再編可能なのか。持続可能な住宅と住宅地の回復と創出のために、郊外の住宅地を考え、その対応策を模索し提示することを主題とした野沢正光さんの遺稿。

発刊にあたって
数年前より野沢正光が執筆をしていたテキストを一冊にまとめました。著者
である野沢は2023年に逝去したため、残した言葉や意図がそのまま伝わ
るよう文章にはあまり手を加えておりません。野沢は、無秩序に開発され住宅だけが集まっている郊外住宅地の今後を気にかけていました。自宅が郊外にあるため、ここで語られていることは郊外で暮らす自身の経験に基づいたものと言えます。「片づける」という表現は、執筆当初からキーワードとしてたびたび使われています。今あるものを否定するだけではなく、認めつつ工夫をしてよりよくしていくという意味を含んでおり、野沢の建築家としての姿勢が端的に表れた一言だと思います。
                          野沢正光建築工房

「郊外を片づける」より

建築・街づくり・住宅建築に携わるすべての人、建築を学ぶ学生に向け、野沢正光さんが思いのたけを綴った書籍です。2025年3月20日発行(新建新聞社)。

【コンテンツ】 
序文
1.住宅は個人のものだろうか
2.住宅が滅びる根拠
3.住宅と住宅地の変遷
4.規制と緩和が奇景を生む
5.資源としての住宅を考える
6.高性能住宅のトリック
7.共のものとしての住宅地
8.公・共・私
9.宅地デザインの可能性
10.整えること、片づけること
座談「片づけることのクリエイティブ」野沢正光×真壁智治×三浦祐成
 郊外を片づけるー2025年のリアリティ 三浦祐成
あとがき
本の消息 ①真壁智治 ②岩﨑遊