家づくりの基礎知識10 自然素材を正しく理解して使う
家づくりにあたり知っておきたい「基礎知識」。
ポイントをわかりやすく体系立て、シリーズでお伝えしていきます。
家づくりの基礎知識10 自然素材を正しく理解して使う
* 自然素材検討のポイント*
1. 自然素材のメリット・デメリット
あたらしい暮らしでは、健康と心地よさを求めて自然素材を生かした家を選ぶ人も少なくありません。
人気の自然素材といえば、無垢材、漆喰や珪藻土などがあげられます。
あたたかみや美しさを感じられる素材です。
自然素材はその性質から、高い調湿機能をもつので、室内が快適になったり、時と共に変化する素材の経年美を味わう楽しみもあります。
ただ、自然素材ゆえに扱いが難しいこともあり、素材を使う場所やメンテナンスの知識も必要です。また手間や工程が工業製品の規格ものに比べ多く、時間もかかることから、工期や価格の確認も大事です。
素材の持つ特性としても、自然のものなので集成材に比べて無垢材は傷がつきやすく、水に強くないなどの特性があり、塗り壁も汚れが付きやすく落とし方に注意が必要なこともあります。
家の中のどこでどのように素材を生かしていくか、しっかり打ち合わせで決めていきましょう。
※参考図書『和MODERN9』木を生かした住まい
2. 素材の特性を知る
自然のものなので、色や形、大きさなどはいろいろです。
統一されたものにはない味わいある空間ができあがります。
自然素材が使われる例として
・無垢材をつかった床や天井、あらわしになった梁・柱
・漆喰や珪藻土などの塗壁
・和紙を使った壁
などがあります。どれも建築や左官など高い技術が求められるため、仕上がりはとても美しいものとなります。
無垢板はぬくもりがあり、肌触りが良く、珪藻土や漆喰は、調湿性があるので結露やカビの発生を抑える効果が期待できたり、耐火性に優れ、吸音性なども高いことが知られています。
素材の持つ特性を知ったうえで、用途を決め、自然素材の魅力をふんだんに取り入れていきたいですね。
3. 意匠性を楽しむ
床材を選ぶとき、無垢材も木によってさまざまな表情や特徴があります。
チークやメープルなど硬くて耐久性の強いもの。
スギやパインのように木肌がやわらかくあたたかみのあるもの。
木目の出方や、肌触り、耐久性など素材の持つ特性を生かして、好みのほか、床に求める条件などから素材を決める方法もあります。
壁の塗り方や色、木材の魅せる表情で、家のデザインが楽しめます。伝統的な和風住宅のもの、和モダンの住宅のデザインなど、自然素材があらわす、それぞれの味を楽しみたいですね。
※参考図書『和MODERN7』素材とデザインを楽しむ家
※参考図書『和風住宅25』