【執筆日記】一セットの服で自分を好きになるを書くときに、私が考えていたこと📖【赤裸々】
\🌷とてもうれしいお知らせですっっ🌷/
この度、2冊目の書籍「一セットの服」で自分を好きになる/幻冬舎/あきや あさみが発売されることになりましたっっっ🙌🎉一年かけて書いた内容ぎっしりの新作、ぜひぜひお手にとって欲しいです🥰
幻冬舎さんでまた講演会をさせていただけるとのこと…!
嬉しい限りです🥹
こちらの日記noteでは……!
昨年から書いていた執筆日記を公開したいと思います🖊️
本を作っていた時のリアルな心の動き、日記なので、いつもと文体が違うと思います!読みにくいと思います。ちょっと挫けたことも書いています。
自分のために書いていましたが、せっかくなので公開してみます📖↓
📖2023年5月7日に書いた執筆日記
みんながこの日記を読んでいるということは、2冊目の本がこの世に出た(出る)のでしょうね。今は2023年の5月7日。そう、幻冬舎大学3回目の講演から1ヶ月よ。
無事に出版できたのでしょうか…。そうですか、出ましたか。ということは私が書いたんだね、私は書けたんだね。よかったね、よかったね。
ちなみに、今はまだ一文字も書いていません。
このときのフレッシュな感情を残しておきたいと思って、筆をとっています。
編集者さんの竹村さんに「2冊目もどうですか?」と言っていただき、「ああ、なんて嬉しいのでしょう!私に2冊目があるのだなんて!!」と血が燃えるような日々を過ごしています。しかし「2冊目書いてま〜す✌️」というのは、まだ今の時点では恥ずかしい。だってまだ一文字も原稿が書けてないからね!!
そわそわしている。春らしいそわそわだ。一作目を書いたときも春だった。書けなかったらどうしようという恐怖と、書いてみたいという希望がせめぎ合っている。そう、あの「怖くってさわやかな希望」を私の身体はまだ覚えている。
今日は、街に出ている。
あるあるなのかもしれないけれど、自宅(一人暮らし)で文字があんまり書けなくなってきた。集中できないのだ。すぐお昼寝しちゃうし、すぐ食べてしまうし、すぐ漫画を読んでしまう(私はのび太くんのような人だから)。
今はカフェにいる。カフェはいい、まず寝ることができない。
そしてあんまりトイレに行きすぎるのも何なので水分も控える。外の環境って適度に集中できるものだと思う。一作目を書いていた時はまだ引っ越したばかりで自宅がなんとなく「カフェ」であった。しかし今は家に慣れ親しんでしまってなんかリラックスしちゃうんですよね!
高揚感とか快楽に近しい脳の動きをしている。しかし焦っている。本当に焦っている。いいものが書きたいからだ。書けなかったらどうしよう & いい本が書きたいの気持ちでいっぱい!(まだ一文字も書いていないけれどもね!)
赤裸々なことを言いますが、私は「出版」の素人で、「出版」がまだわからない。始まりがインターネッツのブロガーなので「執筆」とか「原稿」という言葉がとっても新鮮。まだ世界に生まれたばかりなのだ。初めて本を出したのが2022年なので、私は2歳児だと思ってあたたかく見守ってほしい。お願いします。
一作目を出してから街で声をかけていただくことが多くなった。「本読みました!」とすれ違いざまに言ってもらったこともある。そんなことあるんだな〜!すごいことだ!何事も経験してみないと分からないことだなぁ。
今、新宿の紀伊國屋さんに来た。
次の本をとてもいいものにしたいので、偉人の空気を感じたい思ったのだ。今、いい本の触れている「空気」を吸っているところ。世の中には、面白そうな本がたくさんあるねぇ。深呼吸、深呼吸。偉大な先生たちの作品を前に深呼吸したら、ちょっとは素敵な本ができるかもしれない!今、本を買ったら読んでしまって書けなくなるから買ってはダメだ。ああ、買ったらだめ、だめ。
たんまり買った。
面白い。本ってめっちゃおもしろいな〜。は〜最高。
📖2023年5月9日の執筆日記
カフェに来ている。毎朝、違うカフェで3時間書くことにした。そうやってモチベーションを保とうという寸法だ。スタバ、ドトール、タリーズ、マクドナルド、スタバ、ドトール、タリーズ、マクドナルド、スタバ、ドトール、タリーズ、マクドナルド、スタバ、ドトール、タリーズ、マクドナルド。そして地元にあるカフェもほぼ回った。気温が暖かいうちになんとか書きたい。
📖2023年7月2日の執筆日記
とても暑い。今までカフェでいろいろ書いていたのだけど、暑すぎて移動すら嫌になってしまった。その時閃いたのが「家の中で、机の位置を変えること」だ。
広い家ではないが、いろんなところに机を持っていくことにした。
四角いテーブルなので4方向、どちらから座るかというのも気分が変わっていい。
キッチンやお風呂場に机を持ち込んで、書くのも試した。
時間帯により座る位置も変えている。
午前中、午後、夕方、夜とくるくる移動している。こうすることによってなんか集中できる気がするのだ。なんなんだ。暑いけど、陽の光が愛おしいな。
【2023年7月13日の執筆日記】
大体2ヶ月書き続けた。今日一回目の原稿を竹村さんにお送りした、7月入ってからは兎にも角にも原稿を書くことだけを考えて生きた。
📖2023年9月12日の執筆日記
渋谷でお打ち合わせ。竹村さんが「間口は広めにとりましょう!」と言ってくださった。本を読んでくださる方の層を広めに考えましょうということだ。
私は気を抜くと変なことばっか書いちゃう。
なので、そうだよなぁ、「広めに」大事だなぁと思った。元ネタが分かりづらい「漫画っぽいセリフ」などは、極力、少なくしていこうと思った。そうだよなぁぁ。
1冊目を出してから「もっとふざけてほしい」「もっと軽い口調で書いてほしい」って何人かに言ってもらって、「そうか〜書籍でもふざけた方がいいのか〜…」と思って、一度キャイキャイ書いてみたのですが、いざ活字や縦書きの本になると、なかなか上手くいかない。私も自覚していた。
竹村さんに「あきやさんが知らないところで読んでいる読者の方(幅広い年代の幅広い嗜好の方)もいらっしゃるのですよ〜」と言ってもらって、なんて、希望のある言葉なんだろうかと思った。
ありがたいことに私は活動をはじめた瞬間から反応の見えるSNSという国に住んでいて、ご感想を下さる方がいらっしゃって(本当に本当に本当に本当に嬉しいことです)、しかし「感想などはあえて送っていないけれど、読んでいますよ」という方も、居てくださるのだよなぁ。そうよね、あえてターゲットをせばめにいくこともないのよね。と思った。
さくらももこ先生とか、カレー沢薫先生とか、辛酸なめこ先生とか、本当に天才的にユーモアが上手い人だけが、印字された活字の「おもしろ」に耐えうるんだよなぁ〜と一歩大人になった。私にはまだ早いのだ、練習あるのみ。なんにせよ、一度自分の中で思いっきり書いてみたことで、気持ちがスッキリしてよかった。
よしよし、舵を切りなおそう、方向転換だ。
大航海時代だ!!わーい!!
📖2023年9月18日の執筆日記
原稿を読み返した。二ヶ月前の自分がすでに知らない人だ。うう…。
もっと上手く書きたい、もっと上手く書きたい。言葉巧みになりたい。天才が右手に降りて来ないかな。イタコの修行でもするか…。太宰先生、夏目先生、川端先生、どうか降りてきてください。
しかし、私よ、5年前の自分の文章を読んでご覧なさい。たぶん、今のがちょっとだけいいよ。自分の才能の無さに震えて泣き眠るにはまだまだ早いのだよ。必要なのは、たくさん考えることと、書くことだ。文章を書き始めてからはまだ5歳ではないか。未就学児よ。ランドセルも背負ってないのよ!
数を書こう、数を。よしよし持ち直した。本が出る時に、この執筆日記をみんなに読んでもらって笑ってもらおうね。大丈夫大丈夫。きっとみんな待っててくれる。
📖2023年9月22日の執筆日記
冒頭部分を苦戦しながら書きなおす。
何度も読み返して、みる。
もう一回、書き直す。
もう一回、書き直す。
繰り返し。
📖2023年10月19日の執筆日記
ウワァァぁぁ。苦しい。
とりあえず、全部書いた。全部書いた、と思う。深夜よ、毎日深夜よ。
少しでも伝わったらいいなぁと思う、この気持ちが。
📖2023年11月29日の執筆日記
竹村さんと打ち合わせ。新宿のパパスカフェ。思い出の詰まったカフェ。1冊目の打ち合わせでも使っている。こないだもランチに来た。すごく気に入っているのだ。
天井が高くってさ、紅茶が熱くって、ミルクもあっためてくれて、いい。
竹村さんはシナモンティーを飲んでいて、とってもかっこいいな、素敵な方だな〜って思った。本が似合う人はシナモンティーが合う。私も次はシナモンティーを飲もう。竹村さんのコートもとてもかわいかった。
内容が「この感じでいきましょう!」という事でほっとした。
そして「もっと言い切っていいんですよ」と言ってもらってハッとする。
たくさんの方との会話の中で「みんなにとっての正解ってないんだな」と分かってしまった。分かりすぎてしまった。「言い切ること」が怖くなっていたのかもしれない。この言葉は「誰か」には伝わるけれど、「誰か」には伝わらない。誰かには「いい」けど、誰かには「悪い」。
それがありすぎて、「こうです」がなかなか言えない。
「こういうこともあります〜」にしかならない。でも責任を持ってカッと目を見開いて「こうです」ということも必要だ、必要なのだ。「こうです」って言い切って「傷つきました」っていう方がいらっしゃったら、私が直接抱きしめに行けばいい。抱きしめる機会を作ればいいんだ。
中には1,540円のお金と引き換えにレビューに「作者の人間性に失望しました」とか叩き潰しにくる方がいらっしゃる。そんな時、正直「え〜ん泣」と思う。そんなことをしないでくれ…。でも「え〜ん泣」と心で泣きながら書き続けるしかない。伝えたことがあるからだ。
今回、改めて思ったのは、本を書くには「時間」ということ。
時間だ、本当に「時間」がとても必要なのだ。
そのためには日常の「労働」の部分をできる限り少なくし、学びや体験の機会を多くし、気合を入れてグッとモグラになる事が必要だ。
普段動かないのにさらに机に齧り付いて運動しなくなるので、身体がどんどん丸くなる。重くなる。顎がもたつく。白髪が増える。友達は結婚したり、出産したり、移住したり、出世したりしている。世間にはいい本がどんどん生み出されていく。
周りがすすむ。
私以外の世界がどんどん早回しで進んでいく。
いや、しかし、私は、それでも書きたい。
時間は、命だ。命を費やしてはじめて「何か」が生まれるんだよなぁと本当に思う。焦りはしないけれど、心を決めて「何をするか」「何をしないか」取捨選択しないと。
📖2023年12月11日の執筆日記
終わらないHa~HA。思わず頻繁にYAZAWAさんが降臨するくらい終わらない。
もうかれこれ14時間くらい、ずっとずっとずっとずっと部屋の一箇所にいて書き続けている。肩が限界だ。時間はすなわち命だ。命と引き換えに本は出る。
漫画家さんとか推理小説家さんとか、頭の良さもすごいけど、座りっぱなしで考えてすごいなぁと思う。タツキ先生のルックバッグを思い出す。あの背中を、思い出す。自分の背中を俯瞰で見る。漫画が、本が私の背中を押す。
📖2024年1月2日の執筆日記
お正月だ。
写真を撮っている。
ここ数日、ずっとずっと写真を撮っている。
カメラマンさんに写真撮りお願いしましょうか?と言ってくださったのですが、その前に自分ができる範囲で写真を撮ってみようと思って、ここ数日、ずっと撮っている。
光の加減とか、分からん!!けど撮ってる!!!
大きい白い紙を買って、脚立も買って、撮ってる!!!
日が沈むまでずっと撮ってる!!!!
もう分からなくなってきた!!
けど、自分の好きな服を撮っているから楽しい!!!!!!!
年明けは、ずっと一人で写真を撮り続けていた。竹村さんにお送りしたら「写真そのまま使いましょう!」って言ってくださった。うれしい。いいお正月になった。
📖2024年1月10日の執筆日記
初校を直している。
ああ、ああ、なんて…!私の文章の拙さよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜語彙力の狭さよ。苦しい。苦い。かれこれ26時間くらい同じ場所に座っている。
今までの人生で私が読んできた本はどうしたのだ。
いっぱいいっぱい読んできた、あの日々はどこに行ったのだ。
どんなにいい文章を摂取してもこれしか書けないのか。
もどかしい。もっともっともっっと書けるようになりたい!と思って、わぁわぁ泣いてしまった。
深夜4時にコンビニからゲラを送付した。風が冷たい。1月だから、風が冷たい。しばし、夜明け前の公園で風に吹かれてみた。コーヒーを買った。空が暗い。
制服化しているから、今も同じ服を着ている。ずっとワイズのシャツワンピースを着ている。夏物だ。そりゃ寒い。けど着たいから着ている。
ああ、山本耀司先生。私はこのワンピースを着て、この本を書きました。
この服がなかったら書けませんでした。
私は、一生のうちに一度でもワイズの服を着られるなんて、思っていませんでした。でも買いました。私はデザイナーにはなれなかったけど、ファッションに齧り付いていたかったから。
ああ、服が私を動かしている。
いい服を着ることは、いい人生にしようと自分と約束することなんだと思う。
📖2024年2月20日の執筆日記
カバーイラストを見せてもらう。
感ッ涙。とても素敵。ブルーのシャツが描かれていて、あまりの嬉しさに鳥肌が立った。ポップアートの中に自分を入れていただいたような嬉しい感覚。
一乗ひかるさんの絵がとても好きで、グッズを少しずつ集めさせていただいていたので心からうれしい…🌷一乗さんコラボのオルビスの化粧水のボトルも何度も詰め替えて使っている。あまりに嬉しくってポスターも買ったのだ。ありがたやありがたや…みなさんの力でできている…!!
📖2024年2月23日の執筆日記
再校のゲラが届いて、いそいそとチェックさせていただいている。写真の部分も入っていて、いよいよという感じ。
いや〜〜〜〜〜校閲さんってすごい、すごい、すごい。「そうそう、その文章、違うなって思っていたの〜!」というところを的確に変えてくれる。最高!天才!ブラボー!文章のプロ、校閲さん!ありがとうございます!LOVE!生き返った!!!いいぞ、いいぞ、面白くなってきたね!!
📖2024年2月26日の執筆日記
深夜4時です。2月だから寒い。雨上がり、道が濡れている。息が白い。
再校のゲラを出しに行った。
封筒を抱えてコンビニまで行く時に空を仰いで「ああ、どうか、必要な人に届きますように」と強く念をこめた。ぎゅっと胸に力を入れて送った。
深夜だから店員さんがなかなか出てこない。「遅くにすみません」というと20代の男性店員さんが「いえいえ、寒いっすね、夜までお疲れ様っす。」と言ってくれた。やさしい。夜の優しさが、人間の優しさが、沁みる。
書いた文章が活字になって書店に並ぶのは、最大の喜びに溢れていて、嬉しい。同時に怖くもある。真夜中で誰もいない道で、「ああ、どうか」と何度も祈る。
「本」と書いて、「きぼう」とルビを振りたいくらいの気持ちだ。
朝が来る。希望の朝だ。
眠れなくて、買った本を読む。
ふと、小川哲さんの「君が手にするはずだった黄金について」を手に取ったら、偶然にも開いたページにこんな文章があって、泣いてしまった。
「なんらかの奇跡」が私と読んでくださる方の中に宿ることを祈って。
新作を持ってみんなに会いに行けるのを楽しみにしています。
4月3日、発売です。
〜おしまい〜
\ あきやが書いた1冊目の本、発売中です📖読んでみてね🦫 /
イェイイェイ!! イツモアリガトウ!! ミンナダイスキ!!!