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アートと資本主義の話(最近見た村上隆さんのYou tube📺)

は〜これはもう、かなり面白かった。村上隆さんと斎藤幸平さんと高橋弘樹さんの対談シリーズ(4回分)です🐿️

現代アートのことだけでなくファッションのことや社会のことも知ることができて、アニメ、漫画がお好きな方も楽しめそうです。宮崎駿さん、高畑勲さん、新海誠さん、富野 由悠季さん、鳥山明さんなんかのお話もちらほら出てきます。お時間ある方ぜひ〜!

〈感想〉
現代アート初心者の方にもきちんと分かるようにアーティスト本人から解説してくださった貴重な映像です。

ファッションの世界から見ると村上隆さんは2003年にルイ・ヴィトン(その時のディレクターはマーク・ジェイコブスさん)とコラボレーションしたことが衝撃的で。
私も百貨店にいた時だったのでたくさんの方が買ってくださって「うわぁぁ、うれしい」と感じたものです。何よりショーウインドウがとてもポップで明るかった。

その後ヴィトンではCOMME des GARCONSコラボと、草間彌生さんコラボと続いていったので、日本の芸術が世界中に羽ばたいたのを見て感激していました。(賛否ありますが、少なくとも私は嬉しかった)これは村上隆さんの成功があったから繋がっていったのだと思います。

村上さんはずっと自分の作品は「世界(西洋社会)の中で日本人としての立ち位置」という戦略で制作していて、コンセプチュアルなだけでなく技術力やストーリーも(美術界の裏話含め)見てほしいとおっしゃっていた。

どの作品にも日本画の難しい手法(蒔絵など)が発揮されていて、高価格で売れる作品を作ることで技術者を守っている側面も大いにあると感じられた。カイカイキキ出身のアーティストさんもたくさんいらっしゃるし、日本で現代アートと触れ合える場を作ってくださっているのも、素晴らしいこと。

それにしても全ての作品にアートの歴史からの引用があったり、アンサーがあったり、まだまだ勉強しなければ分からないことがたくさんあるなぁと思った。

23分あたりからの「アートは商品であり、職能画家の方が歴史が長く、社会的なメッセージを発露する歴史の方が短い」という言葉が納得だった。

そして、東大准教授であり哲学者である斎藤幸平さんがマルジェラを着ていて村上さんに「マルジェラ着ている時点でどうなの?(資本主義じゃんの意味)」と突っ込まれる場面もとてもよかった。序盤から「マルジェラ着てる…!」とジャケットの四つ糸を凝視してしまっていたから…。
斎藤さんの「資本主義反対の“貧しく頑張っているんだ”というのを変えたい(だから、あえて着ているんです)」という発言も理にかなっていて素晴らしかった。マルジェラはハイブランドですが、創始者のマルタンマルジェラさんの思想は斎藤さんと同じく「反モード&ポペリズム (貧困者風)」であり、自らの手で作品を作り出す職人気質なので、マルジェラさんと斎藤さんのコンセプトはかなり合っていると思います。もちろん現行のメゾンマルジェラは違う意図で作られていますが、そこを含め、今の斎藤さんに合っていると感じました。

対して村上さんのファッションはNewJeansとのコラボ Tシャツで、さすがとしか言いようがない。勢いがあるものに全力でのりつつ、悲哀があり、シュールでユーモアがあって、さすがすぎたよ。そのファッションの対比も良い動画だったな〜。

村上隆さんとヴィトンさんのコンセプトもやっぱり思想(芸術至上主義であり、ポップで伝わりやすく、そして強固さと驚きがあるところ)が合っているよね。と改めて思った。他のブランドだとちょっと考えられないかも。

ドラえもんはグッチだし、ジブリはロエベ。やはり哲学(空気感)が合うところとコラボレーションしている。

〈感想〉
美術界のリアルな話(保険とかお金とか)も聞けるいい回だった。
4:43あたりからファッションのオートクチュールとプレタポルテについての解説も嬉しかった。オートクチュールを描くためにある既製品。アートもファッションも(なんでもだけど)そうしないと長く続けられず衰退してしまうので、既製品も必要なものだ。コムデギャルソンとプレイ・コムデギャルソンの関係性のようなものなのだよね。

純粋な芸術を求める(というスタンスの)斎藤幸平さんと、「いやでも、フラワーを立体にするのに10年かかってるんだよ」とちゃんと説明してくれる村上さん。実際に第一線でご活躍されているからこその説得力がすごかったな。

宮崎駿監督&高畑勲監督の話も大好きなので嬉しすぎる。
宮崎さんが高畑さんの作品に憧れていたというのはドキュメンタリーで知っていたけれど、村上さんに語ってもらえるとより一層深く伝わってきた。村上さんがReHacQを見ている理由もなんとなく分かった。高橋弘樹さんの物事を真っ直ぐに「面白がる力」「グイグイ聞く力」でインタビューされた側が言語化できていないことを明らかににできるんだろうな。良い動画でした。

〈感想〉
アートもファッションも「歴史」や「背景」を知っているかどうかってとっても大事なんだよな…と改めて思った。確かにベルナール・アルノーさん(ルイ・ヴィトン)と、フランソワ・ピノーさん(GUCCI)の動きを知ってるとファッションってすごく面白くなるからな…!

アートは確かに「富裕層の救済(所有)」でもあるけれど、「庶民の救済(鑑賞)」でもあるよな〜と感じています。現在におけるアートやファッションは貴族だけに許されたものではなく、「誰でも」見ることができるというのが希望があるなと感じているからです。(コレクション動画が無料配信なの、本当にありがたいんです、世界の富豪のみなさんありがとう🥺)
「どこまでが新海誠作品か」という問いかけも面白かったです。

〈感想〉
は〜村上さんの視点からは日本がこう見えているのか…というのが面白かった。私も漫画やアニメは本当に優れていると心から思っているので、うれしい。全世界に向けての「全出版社合同のマンガミュージアム」作って欲しい…と心から思った。

ベルナール・アルノーさんのお話も興味深かった。「現在における本当のファッションの最高位」はその通りだと思うし、(なんせ世界の長者番付トップだし、カシミヤを着た狼だし)LVMHは誰がどう見ても圧倒的だし。

ファッションとアートの可能性。まだまだ考えることがたくさんありそうだな。


今回の発端になった布施英利さんのこちらの動画も面白かった↓

とにかく「美術館で美術を見よ」と。
「ウォーホルもキース・ヘリングもコンセプチュアルなだけでなくめっちゃ絵がうまい」とおっしゃっている。

いやはや…これはファッションも一緒だよな…。
何かに対して批判する人は「実際に見たり試したりしたことがない人」がほとんどで、高額なものも安価なものもWEBで見ただけでは分からなくって、実物を味わわなければ分からない。
試さなければ分からなかったことだけど、やはり高額な服って「とんでもなく服作りが上手い」んだよなぁ〜と感じています。私も超一流の作品の本物を見ること(着ること)、もちろんそうでないものもきちんと自分で味わうこと、ちゃんとやっていこうと思います。

上記の動画もですが、数年前からファッション映画をしっかり見るようになって、だんだんファッション(作る側)の解像度が上がってきたなと思います。

ファッション業界が分かるようになるとアートのことやアニメのこと漫画のこと、社会のことあらゆるところに繋がっていく気がします。
は〜まだまだ勉強することがたくさんあるな…。また感想書きます〜!

〜おしまい〜

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