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1歳児、社会に出る


この4月から子供が保育園にお世話になっている。
2月終わりに「保育園に預けよう!」と急ぎ足で情報収集。1週間後の二次募集の締め切りに間に合うように4つの保育園を見学し、夫婦ふたりの就労証明の書類各種かき集めた(夫婦でフリーランスなので、規定の用紙の他に、今までの実績や昨年度の確定申告の写しなどを15枚くらいガサガサッとまとめてなかなか大変だった)。

3月中旬、見事第一希望の園への入園が決まった。
「あれだけ必死に書類をまとめたからな・・・」と思ったら、どうやら二次募集では、我が家しかその園に希望を出していなかったみたいだった。なにはともあれ決まって本当によかった。

入園式を迎え、翌日から慣らし保育が始まった。慣らし保育とは子供が保育園に慣れるための期間のこと。子供の様子によってこの期間は異なる。
大体どの子も2時間の預かりから始め、4時間、6時間と保育園にいる時間を伸ばしていく。

初日の預かりでは、いつもと違う環境に興味津々だった子供。
0歳1歳児クラスの部屋に入ると、子供は家には到底置けないような大きくて家の形をしたプラスチックの滑り台に目を奪われていた。

だっこひもからリリースするといちもくさんに駆け寄っていった。その隙に私はエプロンや手拭きタオルなど必要な備品を準備をし、部屋を出た。扉の小窓ごしに子供のキョトンとした顔が見えたかと思うと「エーン」と泣き出す声が聞こえた。

「あの後すぐにケロッとした顔で遊びはじめていましたよ!」
と迎えのときに先生が教えてくれた。

「明日からはお昼を食べてから帰ってみましょう」
「調子がよかったので、お昼寝までしてみましょうか」

先生はその日の子供の様子を見て、迎えの時間を設定してくれる。
我が子は2日に1回のペースで順調に時間を伸ばしていった。

慣らし保育も終盤に差し掛かった先週末。
子供を迎えにいくと
「お母さん、今日◎◎ちゃんが保育園でうんちをしたんですよ!」

と先生が教えてくれた。一瞬どうしてそんなことを教えてくれたんだろうと思ったけど、少し考えて「保育園の環境に慣れたのだ」ということに気づいた。

しかも、迎えに来た私のことは気にしつつも、先生に手を伸ばし甘えているじゃないか。

この10日ほどで、子供の中で保育園は非日常から日常になった。

1年2ヶ月、私と夫と過ごす時間が一番長かった子供。24時間、トイレに行くときも一緒だった生活から考えると、保育園通いが始まったことは大きな大きな変化だ。

ねえ、新しい社会は楽しいかい?

迎えの時間、園の掲示板に貼られた一日の様子の写真を見ることが、今の一番の楽しみなのだ。


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ナカノヒトミ
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