リスクマネジメントのプロとしての自分
ある大手企業からの依頼で、最近完了したプロジェクトのテーマはリスクマネジメントである。国内外の大企業のリスクマネジメントの実態(体制・方針・プロセス・成否)を調査・分析し、クライアントへの示唆を抽出し、提言をまとめ、担当役員とディスカッションをさせていただいた。
そもそもビジネスにおけるリスクマネジメントとは何なのか。
ビジネスとはチャンスを取りに行くことだ。
チャンスを取りに行くことには必ず大なり小なりリスクが伴う。
リスクとは何か。危険ではない。危機でもない。一言でいえば不確実性である。
何の不確実性かといえば、ビジネスの目的を達成するかに関わる不確実性である。
自らの製品やサービスをそもそも開発するところからして確実なものなどない。
どれだけ売れるかも100%予測することは不可能である。
しかし予測しなければ経営資源を確保し配分できない。生産も営業もおぼつかない。
こんな経営の基本中の基本をわざわざ持ち出す理由は、突き詰めて考えるとリスクマネジメントが経営そのものであることに思い至るから。
そう考えると、実は自分が学生時代(修士)に確率統計とシミュレーションを駆使する信頼性解析を軸とした研究に取り組んで後、研究者としてエンジニアとして、自然リスク定量化を行なう新規事業を立ち上げたり再保険会社と共同での商品開発を実施したり、実務家(新規事業やプロジェクトマネジメント)として戦略コンサルタントとしてやってきたことは、すべてリスクマネジメントを如何に行なうかを追求してきたことになる。自分のキャリアに一本軸が通った。
そう。その軸とは事業機会マネジメントである。