ヨメが嬉しそうに報告してくれた
いつもなら、この時間は、外にいる。ボクの仕事も、少しずつ影響が出始め、「今日はもう帰っていい」と言われ、帰宅した。風が強く、びしょ濡れでアパートに着くと、ヨメがちょうど出てきた。
「これからコンビニに行ってくるね」
数分後、ヨメは、ホットコーヒー片手に帰ってきた。お菓子も買ってきていた。ボクに見つかると注意されると思ったのか、ポケットにお菓子を入れて澄ました顔で靴を脱いだ。
定位置のソファに座ると、ヨメはポケットからお菓子を取り出し、ボクに気づかれないように、箱にしまっていた。
そのあと、「はい、コレ」と温かいカフェオレをボクにくれた。「大雨だったのになんで傘を差さなかったの?」「風邪、引いちゃうでしょ」と母親のような説教が始まった。と言っても、愛情たっぷりの優しい説教。
ボクがにやにやしたら、ヨメもにやにやし始めた。
「そう言えばね・・・」
ヨメが突然、切り出した。
家で仕事ができそう。
ヨメが嬉しそうに教えてくれた。
話を聞くと、これまでやっていた業務を自宅で出来るように会社側が対応してくれたとのこと。早ければ、明日から仕事ができると喜んでいた。
「業務時間は短くなるけど、仕事があることは有り難いね」
ヨメが心から嬉しそうにしていて、ボクまで嬉しくなった。