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【遊戯王OCG】オリジン軸インヴェルズ(アウトバースト型)
はじめに
本記事が初投稿である。
伝わりづらいものになっていると思われるが、決して真に受けすぎないようにしてほしい。
構築に至る経緯
【インヴェルズ】はアドバンス召喚を主軸として戦うテーマ、というのが一般的な見解である。
が、それだけでは何もかもが足りない。高打点耐性持ちに対してイマイチ有効打に欠ける癖に、デュエルのペースを常に握り続けない限り勝ちに恵まれない。リンクはおろか、エクシーズ期の段階から、アドバンス召喚主体の動きだけでは心もとなく感じるようになった。なんなら『青き眼の乙女』1枚で詰んだ事さえあった。
ということで、アドバンス召喚だけで戦うのをやめよう。
そう考え、【オリジン軸インヴェルズ】の研究に取り掛かったのが今から7年前の話である。
今回は、その中でも特に動きが綺麗だったデッキを紹介する。
レシピ
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採用カード解説
☆【オリジン軸】の考え方について
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実に7年前のカードとなり、筆者の最推しカードでもある『インヴェルズ・オリジン』は、①で(条件付きとはいえ)互いの展開力を大きく阻害し、②でリンク先にモンスターがいる限り超耐性を獲得、③でフィールドのモンスターが破壊された時、その数までデッキから同テーマカードをリクルートできる。
盤面に対する影響力が高く、リンク先のモンスターを安易に除去しても③の効果で後続を生み出して再度耐性を獲得できる。
あと、忘れられがちだが③は同名ターン1効果ではない。複数枚展開すればその数だけリクルートできる他、使い終わった『オリジン』を墓地に送り、再度『オリジン』を特殊召喚してもリクルート効果を再び使用できるようになる。
この③の効果を活かし、純構築ではほぼ不可能とされた大量展開を狙うのが【オリジン軸インヴェルズ】の特徴だ。
☆『オリジン』を最速召喚しよう
『オリジン』で展開するにあたってまず大前提となるのが「『オリジン』のL召喚に成功すること」である。
ということで、まず『オリジン』を最速で召喚する。
必要なものは「『ヴェルズ』モンスター2体」であるため、以下の方法が無難なプランとなる。
『レスキューラビット』→『ヴェルズ・ヘリオトロープ』×2特殊召喚
『ヴェルズ・カストル』召喚or『インヴェルズの魔細胞』特殊召喚+『ヴェルズ』モンスター召喚
『インヴェルズの魔細胞』を特殊召喚→リリースして『インヴェルズ・マディス』をアドバンス召喚→『魔細胞』を蘇生
基本的には【ヴェルズ】などでみられる展開方法だろう――3つ目を除けば。
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『インヴェルズ・マディス』は、『インヴェルズ』モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功すると墓地の『インヴェルズ』モンスターを蘇生できる。
基本的な【インヴェルズ】では(主に上級は除去札としての役割が大きいので)採用されにくいのだが、【オリジン軸インヴェルズ】においては、
『オリジン』のL召喚につなげられる
墓地の『オリジン』を再利用できる
という理由から、他上級モンスターよりも採用価値が高くなっている。
もちろん彼を採用しなければデッキはスリムになるが、コンセプトにも噛み合う上、【インヴェルズ】としての最後の矜恃みたいなものなので、そこは大目に見てほしい。
というか【インヴェルズ】からアドバンス召喚の要素を抜いたらそれは【ヴェルズ】では?
☆起爆札/自爆札を用意しよう
『オリジン』を召喚できたなら、次は『オリジン』で展開するために必要な動作――「破壊」を行う。
具体的に言うと、『オリジン』の展開をするために必要なのは「(『オリジン』が参照できるタイミングで)破壊する/されるカード」である。
相手の場を荒す強力なカードは多々あるが、その場合、相手がモンスターを場に出してくれることが大前提となり、能動的な展開力に欠ける。
しかも今はどこもかしこもカードパワーが底上げされており、先攻を渡そうものならただの除去程度ではビクともしない盤面でターンが返ってくる可能性も十分にありうる。
ではどうするか? 自分の場のモンスターを破壊すればいいのである。
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PREMIUM PACK 2022の赤っ恥
『アウトバースト・ドラゴン』は、「起爆札」としての価値が比較的高い。
①の効果で、自分フィールドにモンスターがいれば手札から特殊召喚でき、その後自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
一見すればディスアドバンテージしか生み出さない悲しきドラゴンなのだが、『オリジン』がいれば破壊は全てアドバンテージに変換できる。
特殊召喚後の「場にいる間、闇属性しか特殊召喚できなくなる」という制約も、このデッキではあまり関係がない。強いていうなら追加で『オリジン』を展開できない程度だ。
そして、相手ターンに自信を素材に含んだドラゴン族リンク召喚を行う起動効果を持つ。
上述の制約がつくため基本的には「闇属性・ドラゴン族モンスター」しかリンク召喚できないが、少なくとも『オリジン』がいる状態であればリンク3まで繋がる。
(なお、現構築ではあまり強いリンク3モンスターが居ないため使用頻度は低いと考え、採用はリンク4のみとなっている)
これほど噛み合った起爆札もそうそう居ないだろう。
ただ、このカードだけだと展開初動としては欠ける。そこで、もう1枚「簡単に特殊召喚できて」「勝手にフィールドで破壊されてくれる」カードを採用した。
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①の効果で特殊召喚し、その後自身を破壊する(「ヘルグレイブ・スクワーマー」も「『ユベル』のカード名が記されたカード」であるため可能)ことで、『オリジン』のリクルート条件を満たすことができる。特殊召喚条件である悪魔族も『オリジン』のみで達成できる。
そしてちゃっかり②で墓地の『インヴェルズの魔細胞』をリクルートできる。
このカードの弱い点を強いてあげるとするならば、「カード名に『インヴェルズ』がない」ことだけだ。
『アウトバースト・ドラゴン』と『ヘルグレイブ・スクワーマー』のどちらが『オリジン』との相性がいいかというと、それはもちろん『ヘルグ一概に比較はできない。
『アウトバースト・ドラゴン』の主な利点
一気に展開できる
守備力が高い(2800)
アクセルリンクで自主退場できる
『ヘルグレイブ・スクワーマー』の主な利点
フリーチェーンで奇襲性に富む
破壊するか盤面に維持するか選択できる
自己完結している(他の被破壊カードを必要としない)
と、個々の特性が光る場面が違うためである。
☆するとどうなる?(展開プラン)
『オリジン』で「破壊」を確認すると、その数だけ『ヴェルズ』をデッキからリクルートできる。
では何を持ってきて、どう展開するのか?
結論から言えば、『ヴェルズ・ケルキオン』さえ持ってこれれば後はどうとでもなる。
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なお初手引きすると大変厳しいので2枚投入
『オリジン』の効果で『ケルキオン』が出てくる状況は、(何らかの妨害を貰っていない限り)必ず墓地に『ヴェルズ』が2体おり、そのまま『ケルキオン』の①で回収、②で召喚する。
このテクニックは【ヴェルズ】でも十分利用されうる展開プランであり、認知度は比較的高いだろう。
本デッキにおいても、基本の動きは上記の展開である。
『アウトバースト・ドラゴン』などで複数枚破壊できていた場合は、単純に守備力が高い『ヴェルズ・マンドラゴ』や墓地へ送られることで仕事ができる『インヴェルズの先鋭』などをデッキから引っ張ってくることが多い。
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リクルート後の展開プランはいくつかあるが、基本は以下の3つである。
リンク+エクシーズ
リンク4
シンクロ
リンク+エクシーズは、それこそ【ヴェルズ】でよく見る光景だろう……『オリジン』+『ヴェルズ・オピオン』or『ヴェルズ・ナイトメア』の構えが磐石、とされる。
本デッキは高レベルモンスターの利用価値が高いことから、『ヴェルズ・オピオン』の採用を見送っている。
そのため、基本は『ヴェルズ・ナイトメア』を構えることになるだろう。
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他にも、『ケルキオン』から再召喚できる『ヴェルズ』は全て闇属性であることから、『レイダーズ・ナイト』⇒『アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』で強引にフィニッシュするプランもある。
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リンク4は、本デッキでは『ヴァレル』モンスターの2種類から選べるようになっている。どちらかといえば先攻で立てるよりも、中盤~終盤の押し込みに利用することが多い。
中でも『ヴァレルガード・ドラゴン』は破壊との相性もよく、よく使われるカードの1枚だ。
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総合的に見てかなりシナジーする
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圧倒的な突破力を見せてくれる
シンクロは、『精霊コロゾ』を使用することで展開できるようになる。
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なんと召喚条件を『オリジン(Lモンスター)』+『ケルキオン(魔法使い族)』で賄える。『ケルキオン』の効果でレベル4『ヴェルズ』を展開できていたなら、そのままレベル8シンクロモンスターまで繋がる。
『ヴァレルロード・S・ドラゴン』を選べば、今しがた『精霊コロゾ』の素材として墓地へ送った『オリジン』を自身に装備しつつ、妨害を構えられる。
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また、起爆札として『アウトバースト・ドラゴン』を使っていた場合でも問題なく出せ、そのまま闇属性レベル12シンクロモンスターに繋げることも可能だ。今回は『騎士皇アークシーラ』(+サーチ先として『騎士魔防陣』)を採用した。
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総じてとても柔軟に動けるため、相手に対応して出力先を変えつつ、しっかりとデュエルペースを握って戦い続けることができる。
また、これはVジャンプ本誌でも明言されていたことであるが、『簡易融合』で呼び出すこともできるので、さらなる上振れ展開も狙える。
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暴れすぎないことを祈るばかりである
☆他サポートカード
①【ビーステッド】ギミック
主に『アウトバースト・ドラゴン』のサーチ目的で採用された。
『アウトバースト・ドラゴン』は『深淵の獣マグナムート』⟵『深淵の獣ルベリオン』⟵『混沌領域』のルートでアクセスできる。
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制限カードが多く、素引きが難しいのでサーチカードは多めに搭載した。
『混沌領域』を増やしても問題ないようにするため、『深淵の獣ルベリオン』以外のサーチ先として『古聖載サウラヴィス』も併せて採用している。
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『ヴェルズ・ザッハーク』を採用することで、『深淵の獣マグナムート』で『ヴェルズ』モンスターに触れるようになる。
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こうしてサーチした『ヴェルズ・ザッハーク』を、『侵略の侵喰感染』でデッキに戻しつつ、他の『ヴェルズ』カードに変換することも可能だ。
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また、『深淵の獣ルベリオン』から『復烙印』にもタッチできる。
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『闇の誘惑』はもちろん、『ヴェルズ・ケルキオン』のコストとして除外が増えるため、それらをデッキに戻せると、継戦能力がぐんと伸びる。
他にも、『精霊コロゾ』+『深淵の獣マグナムート(『深淵の獣ドルイドヴルム』でもOK)』で『深淵の神獣ディス・パテル』にアクセスできる。
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チャンスこそ限られるが、決定力に富む1枚だ。
以上のように、【ビーステッド】は本デッキにおけるもうひとつの潤滑剤のような働きをする、なくてはならないテーマとなっている。
②『ナイトメア・スローン』
主に『インヴェルズの魔細胞』or『ヘルグレイブ・スクワーマー』のサーチ目的で採用された。
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『オリジン』が出せない場合は『インヴェルズの魔細胞』を、自爆札が足りない場合は『ヘルグレイブ・スクワーマー』をサーチでき、初動の安定力向上に一役以上も買ってくれる。
デッキ枚数がとても嵩んでいる本デッキでもそれなりの初動展開成功率を誇ることができているのは、このカードがあってこそ。
【ユベル】にタッチすれば②の効果も利用できるようになる……まだまだ研究の余地があると言えるだろう。
③『ブラックホール・ドラゴン』+『ブラック・ホール』
主に上振れ要員として採用した。
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今回使っている『アウトバースト・ドラゴン』と『ヘルグレイブ・スクワーマー』は、どちらも「対象を取らない破壊効果」であるため、このカードの特殊召喚条件を満たすことができる。
また、サーチした『ブラック・ホール』も除去+展開札として利用できる。
このカードもドラゴン族であるため、『深淵の獣マグナムート』でサーチできる。
なお、『アウトバースト・ドラゴン』と闇属性ランク8エクシーズが狙えるが、今回は『精霊コロゾ』の枚数を増やしたかったこともあり、今回は採用を見送っている。
④威迫鉱石─サモナイト
主に復帰や押し込み要員として採用された。
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『オリジン』を蘇生対象に入れるだけで相手が困った顔をする。
強カード3枚から選ばせるのも良いが、あえて『オリジン』を囮にして『インヴェルズ』モンスターを蘇生するよう誘導させ、アドバンス召喚することで相手の意表を突くなど、使えば使うほど味が出る1枚だ。
⑤鉄騎の雷鎚
主に『オリジン』とのシナジーがある即効性のない妨害札として採用した。
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『オリジン』の制約効果で互いの縛りを設けた上で、『鉄騎の雷鎚』で相手が使ったEXモンスターゾーンのモンスターの効果を止める。
その他にも、本デッキは「魔法・罠に対する除去」がやや不足しているため、条件こそあれどそれらに触ることのできる、という役割もある。
この枠は正直『鉄騎の雷鎚』である必要性も薄いように感じられる。『神の宣告』などの汎用的なカウンター罠カードや、そもそもこのカードを抜いてデッキを少しだけスリムにしてもいいかもしれない。
その他のカードに関しては、汎用的なカードや説明不要なフィニッシャーカードなどであるため、詳しい紹介は割愛する。
実践結果
遊戯王関係の知人(【幻獣機】使い)に依頼して、実際に何戦かテストデュエルをさせてもらい、感触を確かめた。
協力いただいたれんこん氏に、ここで深く感謝申し上げる。
結論から言えば、やはり動き出しは非常に良く、中盤~終盤までほぼ無駄なく行動できた。
『精霊コロゾ』を絡めたシンクロ展開が特に強く、攻撃力4000の『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の盤面維持力はやはり目を見張るものがあった。
戦績としては半々といったところで、展開しきってそのまま押し切って勝つ、想定通りのプランで勝てている状況だった。
ただやはりと言うべきか、『オリジン』の初動展開に失敗した場合の出力および継戦能力は大幅に下がってしまった。
『闇の誘惑』などのドローソースカードや、各種サーチカードなどをブラフとしてかませながら本命の展開を狙うなどの創意工夫が必要と感じた。
さいごに
本デッキだけでなく、【オリジン軸インヴェルズ】は様々なカードが採用できる可能性を秘めている。
コレでもう完成、ということはほとんど無く、新しいカードが登場する度に少しづつ形を変えながら進化していくのが、面白いと感じられるデッキだ。
起爆札/自爆札の数だけ、【オリジン軸インヴェルズ】のデッキ増えていく。
まだ見ぬ新しい【インヴェルズ】を探すべく、これからも研究を進めていきたい。