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切落杯 参戦記

10月5日に開催された地下クイズ大会「切落杯」に参戦してきました。
ふとXで見つけて「地下クイズの大会あるんか。よっしゃ出たろ」くらいの気持ちでエントリー。

主催者さんについて詳しいことは知らないものの、若い方らしいということで、2次元エロやネットミームなど、普段あまりやらないジャンルを強化しておいた方がいいと考え、事前にそこそこの対策はしたつもりだったのですが、まー結果から言えば付け焼刃でどうにかなるものではなかったなというのが正直なところです。

以下流れに沿って感想。

<1stラウンド>

近似値問題が3問。
江頭2:50がトルコで逮捕された時の罰金はいくら?(日本円で)
という問題は自作したことがあるのでピタリ賞を狙えると思ったんですが、60円か70円か思い出せず、60円と解答してハズレ。そもそも70円ですらなく75円だった。

ちびっ娘たちがアクメ遊具でイクッ!!電マジャングルジム』というAVで、電マジャングルジムに使われた電マの本数はいくつ?
という問題はさすがに知らなかったですが、平均的なジャングルジムの構造を考えればそんなに多くはないだろうと考え、ちょっとオモシロ解答も狙って108本と解答。正解は250本で、やや外した感あり。

クイズバースアールのオーナーが子供が生まれたことを報告したポストについた現時点(当日13時)でのいいね数はいくつ?
という問題はそもそも何が地下なのかよくわからなかったのですが、スクショされたポストを見る限り、何やら炎上したばかりなのだろうなということが窺えました。
知らんけど有名人ではなさそうだから800くらいで解答。正解は300ちょっとだったかと。

で、ここに大会で規定した近似率(?)をかけて、ポイントを加算していくという方式。私は2位で3ポイントを得ることができました。

<2ndラウンド>

1stラウンドで得たポイントを元に2組に分かれての早押しクイズ。
4〇1休のルールで、勝ち抜け3人。エンドレスチャンスなので、他の人の答えを聞いて絞り込む戦略も使える。

早押し1回戦ながら難易度はかなり高め。WxYで出そうな基本的な問題以外はかなり歯ごたえのあるものばかり。最後まで聞いてもわからないものも少なくなかった。
ネットのネタとか2次元エロなどの問題が多いのは予想通りだったものの、実際に読む&プレイしていないとわからないような問題も結構あって、そのへんのジャンルが得意そうな人(偏見)でもスルーになるケースが少なくありませんでした。
難しい問題に頭を悩ませていると易問で無駄に問題を聞きすぎて押し負けることが多くなり、厳しい戦いを強いられましたが、どうにか3位で勝ち抜けることができました。

<3rdラウンド>

2回戦と大体同じルール。今度は誤答ペナルティ2休なので注意したいところ。

問題の傾向は基本的に一緒。ていうか多分ほとんどの問題を主催者さんが1人で作ったと思われ、それゆえの偏りも見られたがそれについては後述。
偏りとは別に単に趣味を出しただけみたいな、それこそ自分がオカズにした作品に関する問題などもちらほら出されたが、さすがにマニアックすぎたのか、その手の問題はほぼスルーとなった。
ただこのラウンドくらいから2次元&ミーム関連以外の問題では段々とピントがあってきた感じで、今度は1着抜けができました。(といいつつ記憶が曖昧。2位かもしれない)

基本的な戦略としては、早押しは焦らずに、スルーされそうな難問を拾いにいくという気持ちでいたのですが、スルーされそうで拾えたのは「エルドリッジ」を問う問題くらいで、あとは普通に早押しをしていた気がします。

<4thラウンド>

5〇3×で解答権がエンドレスからダブルチャンスに変更。飛びルールも出てきたので、そろそろ慎重さが求められてくる頃合い。

問題の難易度は相変わらずで、うっかり押した問題が深見東州の先を問う問題で早々に1×。(彼が『吾輩は霊である』などの著書を執筆した時のペンネームを問う問題。夏目漱石にシャレた答えなのはわかっていたが、何も出てこなかったので深見東州と解答)
その後は2〇くらいの時点で2×を付けてしまい、早くも飛びの危機。しかし機会を待って自分の問題を引き寄せ、なんとか勝ち抜けを決めることができました。ウィニングアンサーは「恋して昇天ナンマイダ」。
実はその前の阿部定に関する問題も早押ししようかどうか迷ったのですが、ちょっと2×で冒険する勇気が出ませんでした。

<準決勝1>
全員参加のボード15問。4ラウンドまでの合計点で上位7位が準決勝2への進出が確定で、私も既に進出を決めていましたが、それはそれ。クイズは全力でやる。
ボードクイズになるとやはり問題の毛色も変わってきて、より「地下クイズっぽい」問題が多かったと感じます。
1問目はコミック版とノベル版の『薬屋のひとりごと』の表紙を並べて、作画担当が脱税で逮捕されたのはどっち?という2択問題。幸いにも漫画の方をちょっと読んだことがあったので間違えずに済みました。
次は陰謀論界隈でお馴染みの1人称「和多志」を漢字で書けという問題。2文字目までは覚えていたのですが、3文字目はうろ覚えで「志」と書いたら当たっていた。(ちなみにトップ画像はAIに「和多志」のイメージで描いてもらったものです。どこに和多志要素があるのか?)

他に正解できたのは「和歌山毒物カレー事件」「十字架ら」「スカイフィッシュ捕獲用の道具」の計5問。15分の5ではイマイチという印象だったものの、1位の人でも7問正解くらいで、この5問正解という人が全体的に多かったようです。同着ながら私は順位の差でアドバンテージ2P獲得。
坂口杏里の『What a day!』のパッケージ裏面に書かれたキャッチコピーを答える問題は当てたかったです。「なんて日だ」にちなんだものだったのは覚えていたものの正確には思い出せず、「なんてヒダ」と解答して誤答。(正解は「なんてHだ」)

<準決勝2>

8名での早押しで10〇5×。ボードクイズの上位者から最大4Pのアドバンテージあり。
これまでの流れだったらこれくらいの差は埋められるかなと高を括っていたのですが、むしろこの準決勝からが作問者さんの本領発揮だったという印象。

これまで以上に2次元&ネット関連問題が増え、体感では5割くらいそうだったような。(そこまでではなかったと思いますが、あくまで体感)
この流れにやはり私を始めとする中高年はなかなか太刀打ちできず、それ以外の問題でも押し負けが続いてポイントを稼げませんでした。特に世田谷一家殺人事件とりりちゃんの問題で押し負けたのが個人的には悔しかった。
最終的に決勝進出を決められた御三方はいずれも20代くらい(多分)だったと思います。

<決勝戦>

アタックサバイバルと呼ばれる形式で、持ち点25からスタートして、最後まで生き残った人の勝ちというルール。
普段競技クイズに親しんでいないせいか、どんなルールだろうが押して正解すればいいんじゃないの?とか思ってしまうのですが、競技クイズには競技クイズの戦略というものがあるのでしょう。準決勝でもそういうものの一端を見れましたし。

さすがに決勝らしく問題の難易度もまた1段階上がった感じで、前半はかなりスルーや誤答が続く展開に。
個人的には準決勝よりは決勝の問題の方がまだ好みだったかなという印象ですが、勝てなかった以上はどうしようもない。

また決勝だけで「おま〇こ」を答えさせる問題が3回も出てくるなど(「オチ〇コ」もあった)、いかにも地下クイズの大会だなぁという雰囲気に我々敗者組も盛り上がっておりました。
それだけでなく後半は展開的にも熱いものになりました。特に残り2人になってから9-1という相当に勝ちやすい状況でもりさんがリードするも、こゆきさんが2-1まで追い上げる展開は、見ている側も手に汗握りました。
しかし最後の2Pを覆すまでには至らず、もりさんが優勝。おめでとうございます。
単に2次元やミームに強いだけでなく、幅広い問題に対応されていた印象がある。デッドヒートを演じたこゆきさんも同じくらい強かった。準決勝ではかなりこの方に押し負けた印象。

<総評>

1回あたりの参加上限25人ということで、WxYに比べるとだいぶこじんまりした大会だったのかと思う。(個人的にオープン大会はあれしか知らないので平均がわからないが)
そのせいか運営も主催者さんとスタッフ1名という少なさだったが、場の仕切りなどは割とちゃんとしていたと思うし、時間通りに進行していて良かったと思う。

問題については先にも書いたが、恐らくほとんどを主催者さん1人で作問されていて、それゆえの偏りが出てしまったのは仕方がないところと思う。
2次元ネタやネットネタが多いのは中高年にはきついとはいえ、逆にいえば自分らが普段親しんでいる問題は若者に厳しいともいえる。
「地下クイズはもっと青問出してくれたら勝てるのに」と思っている人は界隈では少なくない印象がある。この大会はある意味そういった鬱屈を晴らすものになったかもしれない。
2次元エロの場合、ドラえもんやポケモンなどのような人口に膾炙した作品がないので、どうしても作問者の趣味に偏りがちになりやすい。そこのバランスをどう取るかは課題だが、このジャンル自体は今後もっと深掘りされていっていいだろう。

他にもSCP財団に関する問題が出たのだが、私は「SCP」と聞いた瞬間に無理だと思ってボタンから手を放してしまった。
だが2ちゃんねるや学校の怪談から広まった話の一部が定番化していることを考えれば、SCPからも今後定番化するものは出てくるのかもしれない。

全体的に良かった点としては、わかる問題わからない問題にかかわらず、面白い切り口の問題が多かったこと。
仙波吉兆のささやき女将を問う問題では、「現在は耳が遠くなってささやくことができないらしい」という前フリから入ったり、「証拠隠滅を図った政治家で」という前フリで小渕優子から池田佳隆のパラレルに繋げるなど(同じ問題を私も作った)、面白い問題作りを意識した姿勢には好感が持てた。

一方その面白い切り口という点でも世代の差を感じる部分はあったが。
例えばネット上や○○界隈でこういわれているといった「評判」を取り入れた前フリが結構あったと思うのだが、これはネットやSNSなどを中心に情報を仕入れる人の感覚のなのかなと思った(違ってたらごめんなさい)。
その手の問題で特に良かったなと思うのが「高島雄平」を問う問題で、確か「たった1人で統計学に立ち向かう男」などの評判を前フリにしていたと思う。(しかもそこで押して正解する人がいた)

ただ個人的にはアンダーグラウンドとサブカルチャーは分けて考えていて、地上波のクイズ番組では使えない問題が必ずしも地下だとは思っていない。
例えばネットミームというのは何かしら面白い要素があるが故にミーム化するのであるが、地下クイズというのは本来は笑えない話を題材にして、できることなら面白く料理してクイズにするという遊びで、アプローチが逆なのである。
アンダーグラウンドなネタの中からどんな面白要素を引っ張り出すかは作問者次第で、故に偏りも出やすい。
だから地下でありながらはじめから面白い「キセキの世代2014」と呼ばれる一群なんかは使い勝手がいいのだ。

個人的にはアンダーグラウンド7:サブカルチャー3くらいの割合が、幅広い世代が楽しめるちょうどいいバランスなのではないかと思っている。
地下クイズはその気になればとことんアングラ方向に突き抜けることもできるが、それをやったところでただ不愉快なものに終わるだけなので、ちょっとサブカル的な柔らかい問題も適度に織り交ぜることで、「遊び」としてちょうど良いものになると思う。

決勝には行けなかったが、今後自分が作問をしていく上で得るものの多い大会だった。

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