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地下クイズ 裏取り物語

今回はちょっと趣向を変えて、地下クイズを作っている時に「ソースによって書かれている内容が微妙に違う」ネタに出遭った時のお話を書こうと思います。


以前書いたかもしれませんが、私は雑誌、書籍、新聞など、紙媒体からネタを仕入れることが多いです。

何かの本で面白そうなネタを見つけたら、ネットで検索して照合するというのが普段やっている基本的な裏取りの方法になります。

しかし時にはそれが一致しないこともあり、そういう時は一致している部分だけを使ってクイズを作ったり、お得意の「~と言われているのは何?」というぼやかした問い方でクイズにしてしまったり、しなかったりという風になります。


1つ例を挙げてみましょう。

テーマはアメリカの殺人犯、ハリソン・グレアム。

グレアムは1987年にフィラデルフィア州で、7人の女性を殺害し、さらに腐敗するまで遺体を自室に保管して弄んでいたという輩。

で、問題はグレアムに下された刑罰。

最初にこの人物を知ったのは別冊宝島の「死体の本」というムックなのですが、それによれば被害者1人につき懲役7年から14年の不定期刑と終身刑を別途言い渡されたとあります。

ところが有名な殺人鬼情報サイト「殺人博物館」によれば、1件については終身刑、6件について死刑が言い渡されたとあり、食い違いが出て来てしまいました。

ちなみに殺人博物館様の方ではブライアン・レーンとウィルフレッド・グレッグによって書かれた「連続殺人紳士録」という書籍を参考にされたとのこと。

「死体の本」の本は、殺人事件のノンフィクションも書かれている作家の平山夢明さんの記事でした。

こうなってくると判断が難しい。

そこでアプリーチを変えて確かめてみればいいのでは?と思いつき、アメリカの死刑制度について調べてみることに。ちょうど「死刑百科事典」という本が手元にありました。

この本は世界の国々が何年に死刑を廃止したかという一覧表が載っているので、もし仮に事件があった1987年にペンシルベニア州ですでに死刑が廃止されていたとしたら、「殺人博物館」の情報に間違いがあるということがわかります。

で、調べてみたところ、ペンシルベニア州では死刑制度は廃止されていない模様。ネットでも確認してみましたが、現在でもまだ死刑制度は維持されている州のようです。

となると、これはどっちが正しいのか正直わからないので、例えば…

「1987年にアメリカのフィラデルフィアで7人の女性を殺害し、1回の終身刑と、6回の死刑を言い渡された連続殺人犯は誰?」

という問題は作りにくくなります。この人物についてクイズを作るとしたら、もう少し違った方向からアプローチする必要がありそうです。

もっとも殺人の問題で事件の概要を書いて犯人を答えさせるクイズは、地下クイズにおいては下、別の言い方をすれば基本に過ぎないので、いずれにしても自分では作らないと思いますが。(でも6回死刑を宣告されるというのはちょっと面白いので、そこは掘り下げてみてもいいかも)


・・・と、こんな感じで、クイズというのはちゃんとしたものを1問作ろうとするとなかなか大変なもんだと実感します。

私も時にはWikipediaの情報だけでクイズを作っちゃうこともありますが、いざ人に出す場合には、もう1度細かい部分に誤りがないか確認するようにします。

それでもたまにポカはあるんですけど・・・

やっぱクイズは答える方が楽です。


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