オランダ子育て:小学校の「個人面談」 で何を聞けばいいの?
オランダの小学校では、学校にもよるけれど年に2〜3回、個人面談がある。まさに今週、息子二人の面談が予定されているのだけど、最初の頃は、この面談で自分が空回りしているような感覚があり、歯痒かった。
先生はこちらの質問に答えてくれるのだけれど、私の質問が漠然としているのか、単純すぎるのか、自分が知りたい「わが子の学校での様子」がいまいち見えてこないと感じることがあった。これは、オランダの小学校が自分にとって未知の世界であることも大きいと思う。
他のオランダ人の保護者はどんな質問をしているんだろう?と疑問に思っていたところ、オランダの子育てサイトで「個人面談で使える7つの良い質問」という記事を見つけた。
面白かったので、今回はこれを紹介してみようと思う。
※ 素人によるオランダ語訳のため、間違いがある可能性もあります
個人面談で使える7つの良い質問
1. うちの子はクラス内でよく笑っていますか?
こういう質問をすると話もはずむし、そこから派生してクラスの雰囲気を物語るようなエピソードが出てきたり、子どもの学校生活が見えてくる良い質問だと思った。
2. 他の子と比べて、うちの子はどんな具合ですか?
オランダの教育や子育てには「他人と比べない」というポジティブなイメージがあると思う。実際、先生とのやり取りや、成績表の作り(過去の自分と比べるグラフになっている)を見てもそう感じる。
評価手法が、相対評価ではなく「絶対評価」なのだ。
なので、記事の中では「平均」という言葉や、「他の子に比べて」という言い回しがされていたのだけれど、たぶん意味合いとしては「わが子の成績は 決められている”評価基準”に対してどこら辺に位置するんですかね?」と言うことだと思う。
他人と比べることはしない、とは言え、当然のことながらその学年毎に到達すべきとされる目標値はきっちりと定められているから、そこにリーチしなければその先には進めない、的な厳しさもオランダにはあり、オランダの保護者とても、こうした点は気になるんだな。
3. 家庭でどんなサポートができるでしょう?
過去にこの質問をした時に、先生から「オランダ語に触れる機会を自宅でも増やす事が望ましいですが、決してオランダ語の本の読み聞かせをご自身でしようとはなさらないで下さいね」と言われた事がある。
要は、私の拙いオランダ語のせいで間違った発音や変なアクセントを子どもが吸収してしまうと困るから、と言う理由からの発言なんだけど、「そう言うことを担任の先生が親に面と向かっていうのか〜」と軽くカルチャーショックを受けたことは懐かしい。
4. それはどういう意味ですか?
いやー、これ、すごく大事。
反対に自分が先生に何かを伝える時にも、「なぜその話をするのか」「なぜそう思うのか」「どういう出来事からその質問をするに至ったか」など、その言葉や発言の背景にある情報を共有するように心がけている。
5. 前回の面談から何が変わりましたか?
6. 教育の個別対応はどのように行われているか?
7. 何を目指すのか?
「対話」 と 「共有」の場
オランダ教育の肝は、学校・子ども・保護者の共同パートナーシップにあると聞いた事がある。学校、子ども、保護者の三者が常に対話を重ねることで互いへの信頼を築き、目標を共有している事が重要だと。
だから、極端な話し、何でもいいから「質問」することが大事なんだと思う。
そもそも、待っていれば先生の方から情報(話し)が出てくるなんことはなく、こちらから積極的に聞く姿勢がないと、「質問はないんですね。こちらからも特に何もないです。今のところ何も問題ないので大丈夫ですよ!」みたいな感じで、あっけなく面談が終わってしまうこともある。
どんなくだらないと思う質問でも、オランダの先生ならきっと「それは良い質問ですね」と答えてくれるはずだ。
面談前に家庭内で確認しておくこと
日頃から子どもと学校での話しをしている家庭は必要ないのかもしれないけれど、私は個人面談の前には娘、息子からあたらめて学校生活や授業についてヒアリングをするようにしている。
・仲良しのお友達は誰か、誰とどんな理由で喧嘩をすることが多いか。
・授業は何が楽しくて、何が難しいのか。
・分からない時、困った時はどうしているのか?
・先生は個別に助けてくれるか。授業のスピードはどうか。
それと、面談は成績表(レポート)が出るタイミングに合わせて設定されている場合が多いので、事前に持って帰ってきた成績表を親子で見て、それについて本人はどう感じているのか、も聞くようにしている。
それらを成績表にメモしておき、その場で話しをしていく。
面談時間は、10分から15分と短い上に、面談と面談の間に余裕を持たせるようなスケジュール設定もされていないので、時間きっかりに始まり、時間きっかりに終わるから(タイマーをセットする先生もいて、結構プレッシャーがかかる)、事前に話したいことをメモでもしておかないと、あれよあれよと言う間に時間が来てしまうのである。
まとめ
オランダもコロナの影響でソーシャルディスタンスが長らく保たれ、その上、学校閉鎖が3回もあり、先生や他の保護者との接触(会話)は以前とは比べものにならない程減った。
何せ、この2年間、教室どころか学内への保護者の立ち入りも制限されていて、個人面談も当然ながらオンラインだった。子どもの学校生活が外からはだいぶ分かりづらくなってしまっていたのだ。
それが遂に今年からは学内で、リアルな対面での個人面談へと戻る。
本当に喜ばしい!!それに尽きる。