髪を切る

髪を切る。

休む間なんていらない。夜が明ける頃に朝練して、12時間働いて、終電無視無視また練習、休日は講習会に行って、元旦から一日中ウィッグを切りまくって、過去の偉大な仕事と今の下手くそな自分と向きあう日々、目ぇバッキバキの体ボロッボロ。間違いなく世界中でこの瞬間は自分が1番頑張ってる!なんて。

そうして積み上げてきたものを煩わしく感じる時がある。
情熱を盾にして、ちょろっと努力したくらいでいい気になっていたんだろう。
忙しさにかまけて、何処か切ってやってるくらいに思っていたんじゃないか?

新しい街へ来て、ゼロから始めて
僕は今随分ダラダラと髪を切っています。
技術者として失ったものも沢山あるように思います。

変わらず遠方から来て頂ける大切な方たち、ご縁あって生まれた新しい出会い。最高な仲間たち。
最近見た映画、読んだ本、聴いてる音楽、
嬉しかったこと、素敵な出来事、何に心が動いたか。
会話の中から互いに感じあったもの、心地いい空間、気の利いたBGM、ハサミのリズム、混じって同化していく。
"ヘアデザイン"なんて烏滸がましくて、 
それは僕が生み出しものなんかじゃなく、
元々あなたに在ってあなたが育んだもの。
切る。とういより導かれて、ハサミでなぞっていくような感覚。
僕のカットで髪を褒められたならそれは
僕のせいではなくあなたの魅力が正しく伝わったのです。

なんてカッコつけてみたもののそんな幸せな時間は滅多になく、欲張ってまた練習。不安ばっかりでお勉強お勉強。
知れば知るほどやればやるほど、
解らないし上手くならないもんです。


初投稿、こんな感じでいいのだろうか?
町田康さんみたいにチャーミングな文章がホントは理想なんだけれども、何だかキザでイケすかねぇ感じ、その癖こうしてメソメソと言い訳じみた所が何とも僕らしくて恥ずかしい。


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