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陶芸に陶然
(瀬戸内つれづれ ー 瀬戸内タイムス 令和6年2月??日)
ライオン ジミー
近年は日本酒の次に陶磁器にも興味を持ち始めました。それまでは毎日使っている器をあまり気にしたことがなかったのですが、手作り酒器を使うことで日本の陶芸に魅了されました。それから、いろんな陶芸家の作品を使うようになって、日常生活にちょっと彩を足しました。
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言うまでもなく、萩焼の重要さを感じています。以前の取材をきっかけに萩市の波多野指月窯の波多野英雄先生と知り合いました。英雄先生の父・善蔵先生は山口県指定無形文化財保持者であり、親子で繊細な作品をたくさん作っておられます。陶芸を通して、大事な絆ができました。萩市にはよく遊びに行きますが、毎回波多野指月窯にお邪魔し、素晴らしい作品に囲まれながらしゃべったり、お茶のんだりしています。波多野先生のところで息子と萩焼体験も受けて、息子が「お父さんの為に」と言ってお猪口を作ってくれました。
その体験と陶芸家さんとの交流で、魔法の世界をのぞき込む事が出来ました。何の変哲もない土から粘土を造って、そしてその粘土を人間の能力で形になる瞬間を見るのは奇跡的な経験です。焼成の時は炎の力を実感するも言葉にならないぐらい印象的です。そして、全部が終わったらその作品が日常生活に活用される!信じられません。
もちろん、山口県の伝統的な萩焼が有名ですが、県内各地でも個性的な陶芸家さんがたくさんいます。ここ光市でも、いくつの窯元・作家さんがいます。アトリエ仁の兼清仁志先生や椿窯の上田達生先生をはじめとする、伝統の枠外で創作力の高いものを造っている作家さんがいっぱいです。
陶芸家が近くにいると一番うれしいことは、日常的に使っている器を作った人を知ることができます。現在社会ではめったにないことだと思います。使っているものはほとんどどこかの工場で、知らない人達や機械が造っています。人の手で作られたという実感がありません。それが社会のロスだと思います。
昔の伝統を守ることも大事ですが、それよりはその作り手と使い手の絆を守るのは大事だと思います。僕は毎朝コーヒーを飲む時に、百均で買ったものより大和の陶芸家八木博幸先生のマグカップで飲みます。お酒を飲む時にはよく室積のチェ・ジェホ・アトリエギャラリーで買ったお猪口と片口で呑みます。おつまみは自分の息子が造ったお皿からたべます。
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大した事ではないかもしれませんが、その絆を感じながら生活する事を心掛けます。そうすると毎日美しいものと触れ合うことができます。毎日いいものを使って、毎日人の手で造ったものと接すると、きっといいことがあります。
自分へのご褒美として、今度は地元の作家さんのアトリエに行ってみてください。素晴らしい出会いが待っているかもしれません。