見出し画像

DEAR FRIENDS_自叙伝1994年_01「砂の薔薇」

1994年スケジュール

【PERSONZ tournee de concert en 1994 Rose des sables ~砂の薔薇~】 
05月19日 大阪厚生年金会館
05月20日 愛知県勤労会館
06月02日 東京厚生年金会館
06月03日 東京厚生年金会館

1993年の11月。「I NEED YOU」がミナミスポーツのタイアップ曲になり、砂の薔薇からの先行シングルとしてリリース。
1994年、明け後の1月はアルバム全体のトラッキング。
「THE SHOW MUST GO ON」も同じく、当時は作品をリリースするにはタイアップは必須。常に先行シングルとしてアルバムより先にシングル制作を進めて、アルバムがリリースされても再度タイアップ曲が決まれば、またアルバムからシングルをきるみたいなターム。
とにかくシングルが重要だったわけ。
アーティストにすればかなりキツイ制作タームでしたね。


03月02日 砂の薔薇からのシングルカット。
東宝映画「幽遊白書 冥界死闘編 炎の絆」主題歌
「sayonaraは言わない」リリース。

04月20日
東芝EMIからの8thアルバム。PERSONZとって初めての日本語タイトルアルバム。「砂の薔薇」リリース。


「砂の薔薇」
01. SUPERSONIC BABYS
02. HELLO,NEW FRONTIER
03. 夢の咲く花
04. HEAVEN’S LOVE
05. 8DAYS WONDER
06. BACKSEAT DRIVER
07. THAT’S DEEP
08. NO MORE TEARS
09. 悲しみの天使
10. 陽のあたる場所
11. I NEED YOU
12. sayonaraは言わない
13. 水に映った月
14. 終わらない歌
15. Rose des sables

【PERSONZ tournee de concert en 1994 Rose des sables ~砂の薔薇~】 

05月19日 大阪厚生年金会館
05月20日 愛知県勤労会館
06月02日 東京厚生年金会館
06月03日 東京厚生年金会館

曲エントリー!

前作が渡邉くんの曲ALLだったのと、やはり「THE SHOW MUST GO ON」は転機の第一弾ということでテーマも重厚だったので、次回作はPOPに行きたい!と思っていましたね。
曲もたくさん入っているイメージがあったので、今回は私と勉さんも作曲のアプローチをすることにしました。私の独断で。

私はその頃、ソロアルバムで曲作りに勢いがあったので、ソロの曲が出来てからすぐにPERSONZの曲を作りました。

それが「sayonaraは言わない」

これはギターで作りました。
爪弾きながら鼻歌で。
歌詞もほとんど同時に出来た感じ。
あとは「HAVEN'S LOVE」もそんな感じ。

「SUPERSONIC BABYS」はね、ちょっと違ってラフにキーボードで作って、あとは編集作業の魔法で、あのピコピコサウンドになった。

藤井丈司さんがマニピュレーターとして加わったのも大きい。
この曲、アルバムのトップだったから、きっと聴いたPERSONZマニアはまたまた驚いたと思います〜なんだ、これ?って。

とにかく3曲、エントリー!!!!

勉さんも頑張って「夢の咲く花」「BACKBEAT DRIVER」「終わらない歌」
3曲。

そんな中、映画の主題歌のプレゼンがあって、じゃ、どの曲?とスタッフも含めて協議したら「sayonaraは言わない」に決定。そのままプレゼンも通って「幽遊白書 冥界死闘編 炎の絆」主題歌になっちゃいました。

タイアップが主流の頃

当時は冒頭にも書いたけど、なにせタイアップが主流。
シングルカットするにはタイアップはなくてはならないもの。
メーカーさんもタイアップを取るのに必死だった。
ただ、私たちの最初の1989年の「DEAR FRIENDS」の頃のタイアップは、アーティスト側に権利があったし、まだまだタイアップの走りで私たちサイドの条件も良かったけど、この1990年代は、タイアップがだいぶ商業ベースで、使って貰えるけど権利も半々とかね。
使う側の力が強靭になって競争も激しかった。
だけどCDを売るためにはタイアップは必要で、当時のシングルにはきっとどこもかしこもタイアップ表記が書かれていたと思います。

7thの「FUTURE STAR」もテレ朝のニュース番組のタイアップ。
この8thはスポーツ店のタイアップ後に、さらに映画のタイアップが決定。
しかもアニメは新しい領域。それはそれで大きなタイアップだったし、自分の曲が使われるというのは格別に嬉しかった。

それでも、タイアップ攻撃はまだまだ続き、その後「悲しみの天使」が6月にテレビ東京の"ダイヤモンドサッカー"のエンディングとなりシングルカット。世界はタイアップで回ってたわね。

アルバムリリースは4月。
「砂の薔薇」という日本語タイトルも初めてのことで、サブタイトルに「Rose des sables」とあるんだけど、これはフランス語。

なんだか、砂というイメージが直結したのが外人部隊っぽいって浮かんで。
昔、マレーネ・デートリッヒの映画「モロッコ」で、最後にヒロインが恋する人がいる外人部隊を追いかけて行くときに脱ぎ捨てたハイヒールが映るんだけど、それがなぜか赤い薔薇というイメージで捉えていて、このタイトルが浮かびました。

あとね、サハラ砂漠の砂の下に沈殿した結晶が「砂の薔薇」というらしいと。置物みたいな感じで売られているらしいと聞いて。その頃は今みたいに簡単にググれないから、辞書とか見てあくまでイメージで。

今ググると、なる〜です。

砂漠のバラ(さばくのバラ、Desert Rose または Sand Rose)
ある種の化合物が自然現象でバラのような形状の結晶に成長した石。
写真も出ています。
まぁ、前出の外人部隊から、アルバムのビジュアルは私は少し違うけど、ステージ衣装も男子は迷彩服。私も迷彩を取り入れた衣装になりました。

アルバムの制作行程

このアルバムのレコーディングは、ほぼマニピュレートに時間を重ねております。リズム録りはONKYO HAUS/MUSIC INN/STUDIO TERRA、それ以外は小さなスタジオでチマチマと。やたらプログラミングの世界。
STUDIO VINCENT/BAYBRIDGE STUDIO/STUDIO ZOE /SUTADIO NINJA

MixはGARY LANGANさんが、
夢の咲く花 / BACKSEAT DRIVER / THAT’S DEEP/ NO MORE TEARS

MIKE SPIKE DRAKEさんが、
HELLO,NEW FRONTIER / 8DAYS WONDER / 悲しみの天使 / 水に映った月 /
終わらない歌

ROLAND HERRINGTONさんが、
SUPERSONIC BABYS / HEAVEN’S LOVE / 陽のあたる場所 / I NEED YOU

彼らが来日しての作業でした。

アレンジとプログラミングは、
藤井丈司さんが 、
SUPERSONIC BABYS / HELLO.NEW FRONTIER / 8DAYS WONDER / 
陽のあたる場所 / sayonaraは言わない

内田光一さんが 、
HEAVEN’S LOVE / NO MORE TEARS / I NEED YOU / 水に映った月
(内田光一さんは2021年に永眠されました。ご冥福を祈ります)

曲数も多いけど、携わる人も多かった。

ゲストミュージシャンも
スティーヴ衛藤さんが、HELLO,NEW FRONTIER / 夢の咲く花 / 8DAYS WONDER / THAT’S DEEP

コルゲン鈴木さんが、
THAT’S DEEP

矢代恒彦さんが、
夢の咲く花 / BACKSEAT DRIVER / 悲しみの天使 / sayonaraは言わない
(矢代さんは2022年に永眠されました。ご冥福を祈ります)

当時のインタビューを読むと、私がソロの反動でPOP!POP!と言い出してとあありました。ただ、アメリカンなPOPさと違い、砂漠の中の救いみたいなイメージだったとも言っていますね。

勉さんも3人の時期だから、めずらしく徹底取材されていて、JILLから3曲ノルマが来て、自分にはあまりPOPなところがないし、曲もあまり創りたくないのに無理矢理曲を創ったみたいに言っておりました。

だけど、そこで創ったからこそ、ライブでは圧倒的な人気の「夢の咲く花」が出来たんだよね〜

渡邉くんも今回はJILLと藤田に持ってかれたと言っておりました。

今までにはないプログラミングの世界。
「砂の薔薇」はそれに尽きるわね。

変わりどころのソロプレイ

「8DAYS WONDER」で私はギターソロを弾きました。
鏡のギターで、エフェクト強めでフィートバックさせながら、アームでぎょわんぎょわんやってみた。
その自由に弾いたやつをのちに編集してるけどね。
この8DAYS WONDERはPERSONZの8枚目のアルバムだからつけたタイトル。私たち、今、変化してるのよ!と言いたかったんだと思います。

勉さんは「NO MORE TEARS」でオカリナを侘び寂びで吹いております。
この曲も3枚目のアルバムタイトルゆえ、なかなか隠れた秀作です。

砂の薔薇ツアー

前年のSHOW MUSTツアーより一本多い、4本。

05月19日 大阪厚生年金会館
05月20日 愛知県勤労会館
06月02日 東京厚生年金会館
06月03日 東京厚生年金会館

さて、ツアー。
これがまたSHOW MUSTに続く難関で。

だけど、新たに加わったサポートメンバーのホッピー神山さんがこれまたド派手でねぇ〜。反対側のスティーヴさんは車のバンパーをバンバン叩くし。おふたりは左右の狛犬状態でステージはなんだか華やかに。

わぁあああ


スティーヴ衛藤さん
ホッピー神山さん


[砂の薔薇 ソングリスト]

SE.Rose des Sables
01.HELLO,NEW FRONTIER
02.夢の咲く花
03.SUPERSONIC BABYS
04.BACKSEAT DRIVER
05.HEAVEN’S LOVE
06.THAT’S DEEP
07.My Desire
08.New Sensation
09.NO MORE TEARS
10.陽のあたる場所
11.悲しみの天使
12.8DAYS WONDER
13.I NEED YOU
14.終わらない歌

ENCORE-1
15.水に映った月
16.7COLORS
17.FUTURE STAR
18.MODERN BOOGIE

ENCORE-2
19.sayonaraは言わない
20.DEAR FRIENDS

ここから先は

594字 / 27画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?