【食品業界のアレコレ❶】
自己紹介以来のnote投稿となりますが、まずは「食品業界」の簡単な構図説明をさせて頂ければと思います。
つたない説明・表現となってしまいますが、日々勉強のうえ向上に努めますので何卒宜しくお願い致します!
食品業界と言っても川上から川下まで、業種は複数に分かれます。
これから食品業界を目指す方々は、まずはどこのポジションを担いたいかを決める必要があるかと思います。
下図にて簡単に業界図をまとめましたので、ご覧頂ければと思います。
以降は「どのような仕事をしているか」についてもコメントさせて頂きます。
※私自身、食品メーカーに位置するため、「食品メーカーから見た業務内容」となってしまいます
偏りのある部分があるかもしれませんので、その点はご了承頂ければと思います
≪商社・第一次産業≫
⇒ まずは「原料の買い付け」を担う、商社・第一産業についてです。
第一産業については、いわゆる農業・酪農畜産・漁業となります。
(こちらについては私の知識不足もあるので、コメントは控えさせて頂きますね…)
⇒ 「商社」については皆様も一度は聞いたことがある企業が多いかと思います。
三菱商事や三井物産、伊藤忠商事が代表的な商社でしょうか。
製品を製造するにあたっての原料買付をしていますので、最も川上に位置する企業かと思います。
国内外での原料買付をしているため、全国津々浦々・世界各国を飛び回っている印象です。
求められる知識も高いため、入社ハードルは上図の中でも最も高いかと思います。
その分、賃金面は破格です(私も入れるものなら入ってみたい夢の企業です…)
※参考までに2023年度の平均年間給与は「三菱商事:2,090万円」・「三井物産:1,899万円」・「伊藤忠商事:1,753万円」です
⇒ 食品メーカーとして商社の方々とお会いする機会はもちろんあります。
私の会社の場合は定期的な情報交換会(原料動向について)が多いかと思います。
また、商社の方々は「食品メーカーに原料を買ってほしいスタンス」のため決して殿様商売気質ではありません。
(大手食品メーカー向けに原料の買付が決まれば、年間数十億を簡単に動かすので横柄にはいけないですよね…)
≪食品メーカー≫
⇒ 続いて、私自身も身を置く「食品メーカー」についてです。
細かい業務内容については別途投稿を考えていますので作成出来た際はぜひ一読頂ければと!
⇒ まず、食品メーカーの最も大切な業務は「安心安全な製品の製造・安定供給」です。
時代の流れと共に、形が変わりつつありますが下記が本来あるべき食品流通と個人的には考えています。
●「食品メーカーが製造した製品を問屋が買取り、問屋が買取った製品を小売店に提案・販売し、小売店が買取った製品を商品として販売する」
そのため、食品メーカーが担う最も重要な業務は「安心安全な製品の製造・安定供給」です。
ここが崩れるとその先の「卸・小売店への販売提案」・「新製品の開発」・「販売プロモーション計画」に大きな支障をきたし、商売が回りません…
製造現場では徹底した衛生管理を、営業現場では生産部隊への円滑な情報共有が求められます(特売物量・定番導入の報告など…)
⇒ 次に、「製品の提案」についてです。
前述したように、本来食品メーカーは製造を担う部分が大きかったですが時代の流れと共に「製品の販売提案」も求められるようになってきました。
販売提案は卸売業が担っていましたが、今では食品メーカーの方が担うケースが多いのではないでしょうか?
(※卸売業パートでコメントしますが、この業務範囲の拡大が卸売業の将来性にも関係していくと考えています)
自社製品の販売動向を分析し小売店へ販促提案を実施したり、半期に1回ある棚割り・選定会のへ向けた提案…など提案は多岐に渡りますね。
また、大手食品メーカーになると自社製品だけでは無く、「カテゴリー全体」を分析管理する業務もあります(このメーカーはカテゴリーリーダー・カテゴリーキャプテンと言われたりしますね)。
※カテゴリー:パスタ・海苔・ドレッシング・油などの単位です
細かい提案内容や業務内容は書きたいことが多すぎるので、別途記事投稿をさせて頂ければと思います。
≪食品卸売業≫
⇒ 続いては中間流通と言われる「食品卸売業」についてです。
業界内では、「問屋・帳合・ベンダー」などと呼ばれることもあります。
卸売業は「食品メーカーと小売店」を繋ぐ業務がメインかと思います。
⇒ 日本独自の商慣習になりますが、「食品メーカーと小売業」が直接商売をすることはほとんどありません。
間には多くの場合、「食品卸売業」が入ります。
そのため、食品業界には欠かせない存在となっています。
※イオンなどは自社内に独自に問屋機能を持ち、食品メーカーと小売業の直接商売を実現しているケースもあります
これは日本独自の商慣習となるため、海外から見ると違和感を持たれることが多いです。
中間流通が入ることでコストは当然上がりますので、海外小売企業はメーカーとの直接商売を求めます。
過去、ウォルマートが西友を買収した際も日本食品メーカーと直接商売を求めましたが間に卸売業を入れることを条件にしたため、上手く運営できなかったこともあったりします。
⇒ 食品メーカーから買取った製品を在庫することで、小売業の倉庫の役割を担っています。
各食品メーカーから直接小売店の各店舗に配送することは大きな業務負担になるため、間に卸売業が入り物流効率化をしてくれています。
近年では、店舗数が多い小売店は独自に自社倉庫を構えることが多いです(この倉庫を運営しているのが卸売業であったりするケースもあります)。
反対に店舗数が少ない小売店や個人商店などは自社倉庫を構えることが難しいので、卸売業が運営するセンターから各店舗に配送していたりします。
⇒ 「小売店への商品提案」も卸売業の重要な業務です。
食品メーカーから商品を買取った後に、小売店へ販売をしないと代金回収が出来ません。
そのため、「商品提案」は卸売業として非常に重要なウェイトを占めていると思います。
但し、実際に食品業界に身を置いてみると「商品提案をするのは食品メーカー」となっているケースが非常に多いです。
もちろん各卸会社・各セールスによる差は大きくありますが、多くの場合は小売店への商談時は食品メーカー主導で提案しているかと思います。
※私の業務環境を軸にお伝えしているので、バイアスが強いかもしれませんが…
逆説的になりますが、しっかりと小売店に対して提案をしてくれる卸売セールスは大切にして関係性を強めた方が良いです。
⇒ ここからは私見となりますが、食品卸売業は現在厳しい環境に置かれていると考えています。
コスト面を考えると、中間流通を省き食品メーカーと小売店が直接商売をすることが最も効率的です。
過去からの商慣習もありますが、イオンなどで食品メーカーと直接商売をする企業も出始めてきており、必ずしも卸売業を入れる必要が無くなってきているのです。
その中で、「卸売業」の存在価値を示すためには「商品提案力」が欠かせないと考えます。
この提案力が無いと、表現が荒くなってしまいますが「間に入って余計なコストを発生させているだけ」の企業となってしまうためです。
このような動きもあり、近年では各食品卸業は「提案力」に力を入れた経営をしているように感じます
(最も提案力に力を入れているのは日本アクセスと、個人的には考えています)。
長文となってしまいましたので、今回はここで記載を終わりたいと思います。
次回小売業についてコメントしたいと思いますので、お時間ある方はお読み頂けると嬉しいです!
また、業界について聞きたいことや質問があればお気軽にコメント頂ければと思います!!