覚醒のための必聴クラシック①
だいそれた題をつけてつけてみました。
そしてちょっとオマージュ。てへ☺️
記念すべき1曲目は「グレゴリオ聖歌」
いろんなバージョンがありますが、個人的にこの男性の落ち着いた声が好きです。
最古のヨーロッパ音楽と言われていますね。
ラテン語で歌われる宗教音楽ですが、響きが素晴らしく美しい曲で、宗教を超えて人々を魅了しています。
出会い
メンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」に取り組んでいる時でした。
メンデルスゾーンは
結婚行進曲
交響曲4番「イタリア」
ヴァイオリン協奏曲
あたりが有名で、この5番の「宗教改革」は若干マイナーです。
でも、めっちゃくちゃ良い曲です。
「宗教改革」はメンデルスゾーンが21歳(!)の時に作曲したかなり若い頃の作品。
ではなぜ交響曲”5番”なのか・・・?
それは彼自身がこの曲をお蔵入りにしていたからです。
(基本、交響曲につく番号は出版順)
お蔵入りの理由
少し彼の生まれや背景を。
メンデルスゾーンの祖父は哲学者、父親は金融業で財を成し、いわゆる成功したユダヤ人一家です。
父親の代でクリスチャン(プロテスタントのルター派)に改宗し、メンデルスゾーン自身かなり敬虔な信者でしたが、ユダヤ人であることから差別を受けていました。
メンデルスゾーンが21歳の時にルターの宗教改革300年際が行われ、
その式典にこの曲を演奏する予定でしたが、
彼がユダヤ人であることから採用されませんでした。(諸説あります)
そのショックからお蔵入りしてしまったと言われています。
交響曲5番「宗教改革」
原題は”Reformation”
直訳すると”改革”ですが、Reとformationを分けてみると
再ー形成とか、再ー構造という方がしっくりきます。
この曲はかなり宗教的な音楽やメロディーが散りばめられていて、
わたしがグレゴリオ聖歌を感じる部分は1楽章の序章部分です。
冒頭は彼の宗教観か、キリスト教か、もしかしたら人類そのものかもしれない、何かが生まれるような感覚。
2:32あたりから管楽器が同じメロディを唱えるように演奏しだし、
グレゴリオ聖歌を彷彿とさせます。
(ちょっと、いやだいぶドラマチックに演出されていますが。笑)
何かを唱えたり、伝えたい意志は伝わってきますよね。
ドラマチックな演奏の間に挟まっている弦楽器の祈りも胸に迫ります。
その後かなり激しいパートに突入。
1楽章は全体を通して神の雷(いかずち)というか、厳しい側面を表しています。
途中希望を掴んだ・・・のも束の間、激しい曲調のまま1楽章は終止。
2楽章(12:49)はうってかわって祝福モード。✨
天使がラッパを持って喜びあそんでいる情景が浮かびます。
3楽章(18:25)は迷い。
ユダヤ人でありながら敬虔なクリスチャンという彼だから作ることのできた音楽なのか・・・。
暗い雰囲気ですが、最後の和音は明るく希望を感じさせ、休みなく4楽章(23:00)へ。
4楽章冒頭はルターがドイツ語で作曲した”神はわがやぐら”をフルートが歌います。
そのメロディに他の楽器が合流していくのは圧巻。
わたしはこの曲の1番のキモは4楽章だと思っていて、
それはこの4楽章で標題どおり『再ー形成』されてるからなんですよね。
メンデルスゾーンの中にあった苦しみ、迷い、葛藤が4楽章で昇華し
新たな境地に辿り着いたように感じます。
彼の本意ではないかもしれませんが、
そこにはカトリックとプロテスタントというような違いを越えた
「愛」や「喜び」が、ただそこにある、と言ってもいいのではないでしょうか。
ちょっとちょっと
あのーー、グレゴリオ聖歌の紹介じゃなくて
メンデルスゾーンの曲解説になってますけど。笑(自分ツッコミ)
いや〜すみません。ちょろっと触れるだけのつもりが
あの時の記憶がドバッと蘇ってきて手が止まりませんでした。🤣
クラシックって敷居が高いと思われる一因として
背景が奥深かったり、いろんな技法があったり
それこそ宗教とは切っては切れない関係にあったり、
ちょっと”学問”としての要素が濃ゆい時があるんだと思います。
もしそれで食わず嫌いしてるならもったいなくて、「音楽」だから聴いていいなって楽しめたらオッケーなんですよね。
でも背景とかを知ってより楽しんでもらえるなら、それはそれでいちクラシックファン・奏者として嬉しいなって思います。
いろんな楽しみ方ができるのがクラシック音楽の良さでもあるので💖
予期せず今日の主役になってしまった、この曲。ぜひ♪
jill.
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