クルマ屋さんの分かりやすーい解説 『質問に答える』その3 燃費について考える編
みなさんこんにちは、ジコプロ中の人です。
以前に頂いた質問の中で「ガソリンの入れ方について教えて欲しい」というものがありましたので、『無くなりそうになったら入れる』と本音を言ってしまうと終了してしまうので(!)、今回はガソリンや燃費について分かりやすーく解説していきたいと思います。
===燃料の種類===
まずは << 注意喚起!! >> のために、燃料の種類からおさらいします。現在車を動かす燃料として使われているものに、
・ガソリン(レギュラー、ハイオク)
・軽油
・プロパンガス
・天然ガス
などがあります。
また、燃やさないので正確には「燃」料とは言いにくいですが、動力源として、
・電気
・水素
などがあります。
ガソリンのレギュラーとハイオクの違いは燃えにくさの度合いで分けた物です。ハイパワーが必要なスポーツカーや高級車(車が重たいので大きな力が必要)はガソリンと空気の混合気を高圧縮します。圧縮途中の熱で燃えないように、燃えにくいハイオクガソリンを使います。
最近ではエンジンが進歩してハイパワーが必要な車でもレギュラーガソリン仕様の車もあります。
昔の車はガソリンを燃やすことに対して細かく監視をしていなかったので、出費を抑える為ハイオク仕様車にレギュラーを入れたり、洗浄成分が入っているからとレギュラー仕様車にハイオクを入れたりという人がいました。
しかし現在の車は『THE・燃費を良くする』仕様の電子制御が無数に組み込まれている為、規定以外の燃料を入れてしまうと予想していた燃焼状態が得られないので、さまざまな補正が入り他の部品が消耗したり、無駄に燃料を消費してしまうなんていう事になるので、違う燃料を給油するのはヤメましょう。
さらに注意すべきは軽油です!!
軽油は、ディーゼルエンジン車(トラックや一部の乗用車)に入れる燃料で、そもそもガソリンエンジン車とエンジンの仕組みが違う為、互換性は無く、セルフ給油などで燃料の入れ間違いをしてしまうと大変な故障に繋がります。
実際の修理事例 → <<軽自動車に軽油を入れてしまった!!>>
「軽自動車だから軽油?」というのは間違いです!!
軽油はディーゼル車専用の燃料です!!
===燃費を考える===
さて、燃料についてご理解いただいたところで本題に入ります。
燃費とは何か?
燃費とはガソリン1Lで何km走れるか?という事ですね。
車の性能の一つの目安です。カタログには必ず乗っている項目ですね。
燃費を考える時に「重量」は非常に重要な要素です。
クルマ全体が重いより軽い方が燃費が良いはずだというのは当然誰でもわかる事ですね。
(あなたももし今よりも3kg体重が軽ければ早く走れるだろうし、足腰への負担も少なくなるでしょう?)
ですから環境の為に(燃費を良くするために)不要な荷物を車に積みっぱなしにしておくのはやめましょう!というような注意喚起も見られます。
なので、ガソリンを給油する時に毎回満タンまで入れてしまうと重くなって燃費が悪いんじゃないのかという疑問が生まれます。
つまり半分とか8分目とかに給油を抑えた方がトータルで燃費が良くなるんじゃないかという質問が寄せられました。
当然の疑問なのですが、では一体どのくらい燃費が変わってくるのか?
重量と燃費の関係を調べる計算は難しいので(A4で200ページ程度の測定方法の細かい規定があります。文系の人ではきっと見たことの無い計算式が出てきます)メーカーの人でないと正確には出せないのですが、そこはジコプロ中の人!!皆さんの質問に答えるべく出来るところまで考えてみましたよ!!
===燃費測定方法の変遷===
先に燃費の測定方法について軽く触れておきます。国土交通省の定める燃費の測定方法は以下の様に変遷してきました。
1991年~ 10・15モード
2011年4月~ JC08モード
2018年10月~ WLTCモード
昭和から平成前半に車を持ったことのある人は10・15モードという測定方法を聞いた事があると思います。
今から10年前ぐらいまでに車を持ったことのある人はJC08モードという測定方法を聞いた事があると思います。
そして現在はWLTCモードという測定方法になりました。これは国際的に測定方法を統一して比較しやすくしようという流れのものです。前述の2つは日本独自の測定方法でした。
なぜ測定方法が変わったのか?それによって何が変わったのか?
それは、これらの測定値はカタログ値と呼ばれる、カタログに記載する一つの目安としての燃費なのですが、実燃費(実際に使用した時の燃費)と違いすぎる!という苦情が昔からの常でした。
10・15モードの時代は半分!とはいわないものの、実燃費はカタログ値の3割減で考えるのが普通でした。
これでは参考にならない!ということで実燃費に近づけるべく測定方法の見直しを行ってきたわけです。
10・15モードからJC08モードに測定方法を変えると、大体1割程度燃費の数値が落ちました。しかしまだ現実とはかけ離れたものでした。
より実使用状態に近づけたWLTCモードになると、JC08モードからさらに2割程燃費が落ちました。これによりだいぶ実燃費に近づきました。
===考えてみた===
今回はもちろんWLTCモード測定値から考えます。
実はWLTCモードになってから、車両重量をいくつで計算しているのか公開されなくなってしまったんです(!)。が、何とか調べが付いた2車種で検討します。
今回使用するのは、
プリウス(ハイブリッド車・50系・燃料タンク43L・30.8km/l)
ステップワゴン(ガソリン車・RP系・燃料タンク52L・13.6km/l)
です。どちらもメジャーな車なので良しとしましょう。
()内の太字がWLTCモードでの燃費です。
ガソリンの比重は0.75で計算します。
カタカタカタカタカタカタカタカタ.............(計算機を叩く音)
・・・タンッ!! 出ました!!
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プリウスの燃料半分(21.5L)で走った時の参考燃費 31.126km/l
理論上、満タン給油1回と半分給油2回を比較すると、半分給油2回の方が距離にして約7km長く乗れます。
ステップワゴンを燃料半分(26L)で走った時の参考燃費 13.739km/l
理論上、満タン給油1回と半分給油2回を比較すると、半分給油2回の方が距離にして約3.6km長く乗れます。
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どうでしょう?私も初めて計算しましたが、驚きの微差!(笑)
実際は燃料空になるまで乗らないですし、満タンから半分に減る間の燃費は少し上がりますから、もっと差は少ないはずです。
何かのついででは無く、単純にガソリンを入れにスタンドまで往復2kmも走ればステップワゴンだと差は無くなりますね(笑)
全然乗らない人で、年1回ぐらいしか給油しないよ!という人はガソリンの劣化という別問題があるので例外です。
(※あくまでも独自に算出した参考値です。ご了承ください。)
¥¥¥¥¥¥¥ 結 論 ¥¥¥¥¥¥¥
ガソリン給油は満タンでよろし。
それより余計な荷物下ろすべし。贅肉も。
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