新時代の地紅茶
地紅茶・和紅茶がマスコミに取り上げられることは珍しくありませんが、最近の取り上げられ方に変化を感じています。やや古い話題ですが、昨年末の日経プラス1(2023年12月23日、毎週土曜日発刊の日経新聞朝刊別刷り)の「何でもランキング」が“世界に誇れる国産紅茶”を特集し、専門家投票によるベスト10を掲載しました。これまでのマスコミは、国産紅茶の希少性を話題にしていましたが、この記事では「希少性+広がり」に着目しています。国産紅茶をエンタメ扱いしたのはこれが最初ではないでしょうか。マスコミの関心が、今後は、「なぜ広がりを見せているのか」へと向かうと思われます。さて、国産紅茶の広がりについては根拠があります。私が所属する「地紅茶学会」では毎年、地紅茶生産者数の調査を行い、その調査結果を「地紅茶マップ」で公開しています。そして昨年秋の調査で、地紅茶が47都道府県すべてで作られていることが分りました。これは日本紅茶の歴史上(明治から始まる)、初めてのことです。生産地(≒生産者)も1000を超えました。この調査は2008年から行っている日本唯一の調査です。継続的に調査している者だからこそ、この画期的な事態に気づきました。日本中で気づいた人はまだ少数ですが、地紅茶の“新時代”が静かに進行しています。(2024/07/18)