守備隊形は説明しなくても伝わる!
実況オタクくんです。
今回は「守備位置」の話。
野球を見る中でいまどんな守備隊形をとっているかはとても重要である。
なぜなら守備隊形には、守るチームの考えが顕著に表れるからだ。
ピンチの場面で、内外野を前進させホームインを阻止しにかかるのであれば「ここでの失点は試合の中で大きい!」と考えていることがわかる。
一方、前進守備をとらない場合は「ここでの1点はそんなに大きな意味を持たない」と踏んでいることがわかる。
では実況アナはこの守備隊形をどう伝えているか。
それについて考える前に打球の描写には2種類の情報が必要、という話をしておこう。
それは
①質
②方向
である。
①質
打球の強さやフライ、ゴロ、ライナーなど。
②方向
そのままである。飛んだ場所、という解釈もできるかもしれない。
「センターへ!」などポジションで言うこともあれば、「三遊間!」や「レフト線!」など、その場所・空間に名称がある場合もある。
話を戻すとこの『方向』という情報に守備隊形が付随してくるわけだ。
そうすることで1つのプレーにより厚みが出てくる。
例えば
「前進守備のショート正面!」
前進守備という作戦がはまった、という情報がプラスされている。
「深めの外野の頭を超える〜!」
長打警戒していたにもかかわらず、バッターのパワーが勝った、という情報がプラスされている。
「広く空いた右中間!真ん中に落ちる〜!」
外野の守備シフトが裏目に出た、という情報がプラスされている。
このように、打球の方向・場所を実況が伝える時に守備隊形に触れることで、守備側の戦略がはまったか否かがわかるのだ。
守備隊形については、あえて言わずに見せることで、より強く印象付けさせるというテクニックもあるようだ。
バッターが強打者で外野がかなり深く守っているシーン。
野球中継で、外野手3人が見える映像に切り替わった時に
『外野は、、、この位置です。』
というだけで、我々は
「このバッター相当すごいんだな・・・」
ということが視覚的にわかる。
実況はバッターの説明はここではしていない。
外野が深いことも言っていない。
ただ外野の守備位置を見せるだけで、説明するよりも強くその意味合いを強く訴えることができるようだ。
この「あえて細かく説明しない方が伝わる」というテクニックは文章を書く時にも応用できるかもしれない。
具体的にどうするか。
例えば、、、
「この改行です。」