野球実況『数字が持つ力』
実況オタクくんです。
今回は「数字の持つ力」について。
野球中継を見ていると、
色々な数字データが提示される。
ピッチャーの球速や
これまでの試合の打率、打点などの成績、
球種の投球割合など
よりリアルに試合が見られるように
様々なデータに触れながら試合を見ることになる。
では実況アナウンサーは膨大な数字、資料をどのように活用しているのか。
根本的に言えるのは、
伝えたい情報をわかりやすくするために
具体的な数字を使わなければならない
という点だ。
例えば、「犠打数」
5試合で犠打15。
という数字があったとする。
送りバントが「多い」のか?
「少ない」のか?
仮にこれが
5試合の得点平均が10点以上、ほとんどの試合をコールドで勝ち上がっているチームのデータだとする。
となれば、
「あ、打つだけじゃなくて小技も使うチームなんだな」
ということがわかる。
一方、ピッチャーのデータで
3試合で21イニングを投げて5失点。
防御率2未満だ。
「なるほど、先発から安定して投げられるピッチャーなんだな」
とデータだけを見れば思うかもしれないが、
実はこの投手は
1試合目9回完封、
2試合目9回完封、
3試合目3回5失点。
だったとすればどうだろう。
極端かもしれないが、
「状態があまり良くないのかな?」
1、2試合目の対戦相手がそこまで強くない高校だったから抑えられていたけど、
4回戦からは通用しなくなってしまうのかな?
という予想が立つ。
要するに数字に奥行きができるのだ。
数字の持つ力は強いが
正確に伝えなければ
時として誤ったイメージを
植え付けさせる可能性もはらんでいる。
実況が数字を使うときには
その数字に裏付けられる事実をしっかりと認識することが重要である。
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