復習と予習を同時に行う学習法
先日、セミナー講師の方から、
「運営と管理は違う」ということを教わった。
運営はマネジメントで管理はコントロールとのこと。
例えば、グループセッションをやってもらう時に、
制限時間がある場合、「残り時間あと〇分!」と全体に伝えるのが
管理であり、これだと受講者をコントロールする意識が前に出ているので、
受講者側もあまり参加している意識を持ちにくいらしい。
一方で、運営とは、コントロールせずに誘導するような感じだ。
例えば、グループのテーブル毎に砂時計を置いておけば、
各グループ内で残り時間を意識するので、
管理されている意識にはならず、自分達で運営している風に感じるらしい。つまり、自主的に参加している意識を持ちやすくなるのだ。
この説明を当時聴いて、なるほどと感心したのだが、
その場だけだと忘れてしまいそうだ。
なので、より記憶に定着させるために、
自分事に置き換えることをしてみたのだ。
それはどういうことかというと、
管理と運営の違いについて、
自分の体験に照らし合わせて納得できる事例を探してみることである。
「これって、あの時のあの事例がまさにそうだよな!」
と思える事例がないか脳内検索してみるのだ。
脳というのは、実に優れた検索機能を持っていて、
検索したいことを意識すると、自分の記憶の中からそれを引っ張りだしてくれる。
特に、感情を伴った記憶だと引っ張りだしやすい。
自分が「管理されて違和感を感じた経験はなかったか?」
と検索すると、「管理された体験」と「違和感」という感情に紐づいたデータが即座に挙がってきた。
それは、とあるコミュニティで、その運営主がやたらと参加者に「即レス」を要求していた様子を見て「なんか窮屈だし、信用されていないようで
嫌だな」と感じたことだった。
このことを思い出して、「確かに、「管理」よりも「運用」の方が好ましい時ってある」と納得。
これは、過去の記憶を想起し、学びを深めるという「復習」と言えるだろう。
そしてさらに、自分もまた過去に誰かを管理しようとしていなかったかと
省みてみることにする。何故ならば誰かの行動に違和感を感じた時ほど、「他人は自分の合わせ鏡」であることが多いからだ。
そこで同様に脳内検索してみると、やはりヒット。
私も誰かを管理しようとして、余計にぎこちなくなり、
もどかしさを感じた経験があったのだ。
そうして初めて、「運用」というスタンスをどう今後に活かそうかと考え始めたのだ。
これは、ある意味「予習」とも言えるだろう。
予習復習とは、その授業の前後に行うものだという認識があるが、
それは、時系列の線上で学習活動を捉えているからだ。
頭の中は、記憶と想像によって、
過去と未来と現在が同時に存在しているので
経時的に線上に並べるだけでなく、立体的に整理することもできるのだ。
そうすれば立体駐車場のように、
一か所の学びの場で複数の学びと紐づけることが可能となる。
このように、学んでいる真っただ中に同時に行う方が、
過去の出来事とその時の感情という熱量を活用することができるので、
より、脳内に溶かし込みやすい。
現時点で何かを学びつつ、予習と復習をグルグルと回していくことで、
記憶と応用を同時に行っていけるのだ。
今回、「運用と管理の違い」という新たな学びについて、
自分の体験のデータを引っ張りだして復習と予習を同時に行うことを
やってみたが、
このやり方は、
自分の過去の体験とその当時の感情を上手く活用できるので、
学びをホットに愉しみながら、知識を脳に溶かし込むコツではないかと
思っている。