50年前 初冬の焼石岳と横岳の謎
毎日少しずつフィルムのスキャンを続けている。
モノクロフィルムの方は、先が見えてきた。
先が見えたといっても、300dpiでのカタログ作りだ。
カラーフィルムの方は、いつ終わるのかなあ。
まあ、急がずに、ぼちぼちいこか。
山友と登った、初冬の焼石岳。
天気は快晴だが、ものすごく寒くて、風も強くて、つらい山行だった。
そのかわり、頂上に立って見た景色は、震えるほどのキレッキレだった。
とにかく寒いので、写真をパチパチ撮って、さっさと下山した。
西に、鳥海山がきれいに浮かんでいる。
南には、横岳の稜線が延びている。
この写真を拡大してみたら、大きな岩の向こうに構造物がある。
ここには、気象観測用の無人小屋があった。
いまでは、基礎周りの石積みと、部材がバラバラになっている。
さらにその先の山には、標柱らしきものが微かにみえる。
ここは、稜線では最高到達点だ。
今となっては幻の、横岳頂上の標柱と、焼石岳と獅子が鼻と銀明水との分岐標柱ではないか。
焼石岳に登るとよく会う、地元の山屋のおじさんと、たしか昔々は、分岐の標柱が有ったよなあと、話をしたりするが、なにせどちらも70歳をこえた者同士、いつもあやふやなままで話が終わる。
横岳そのものが、正確にどこなのかもわからない。
地図では、最高地点からかなり南に下った、普通の岩が横岳の地点になっている。何度も登って、GPSでも確認したが、最高地点ではなく、岩の辺りになっている。
普通は最高地点が頂上だから、やっぱりあれは頂上標柱に違いない。
夏油の、丸子峠だって、地図の地点と実際の場所が大きく違っている。
まだまだ探せば、証明できる写真が出てくるかもしれない。
探しに行くタイムマシンは、愛用のカメラと写真だ。
まるで遺跡の発掘作業をしている気分になってきた。
70年前に行ったり、今に戻ってきたりと、けっこう忙しい日が、まだまだ続きそう。