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「おいしい給食3」の放送が終わった

12月16日で、おいしい給食3が終わった。
来春には、映画が封切られるので、それまでは録画を繰り返し見て、たっぷりと余韻に浸っているしかない。
我が家はみんなこの番組が好きで、録画してまで見ている。
懐かしくもあり、羨ましくもあり、おかしくもある。

学校給食の経験は、小学校の2年位だけで、中学は弁当だった。
給食の経験は、わずかしかないが、残念ながら不味かった。
脱脂粉乳、硬いパン、小麦粉がだまになってるシチューやカレーなど、おいしく食べられるものがなかった。アルマイトの食器が、冷たかった。
校内に給食室があったのに、湯気がでているような給食はなかった。
とてもじゃないが、食前に元気よく校歌を歌う気分にはなれなかった。
休んだ子に、パンを届ける当番があった。むき出しのまま持って行った。
パンを残すと怒られるので、ランドセルの中は、パン屑で一杯だった。
小さな沼に鯉がいて、なぜか丸々と越えていた。
もちろん、食事に文句を言えるような裕福な家庭でもなく、普段からおいしいご馳走を食べているわけではなかった。いや、貧しい家庭だった。
給食のおばさんが、クリームシチューやカレーなどが入ったでっかい鍋を、スコップを使って混ぜていた。
それを見てしまったから、あれは給食じゃなく大工さんみたいに何か作っているのだと、誤解したのかもしれない。
クラスで一人だけ、何が出てもうまいうまいと食べる同級生がいたが、今思えば、彼は60年前に「おいしい給食」の、主役を演じていたのか。
どんな時でも、みんながおいしく給食を食べることは、夢見るような幸せなことなんだと、「おいしい給食」を見ていて思った。
給食のおばさん、ごめんなさい。あの時代は、あれが精一杯の食材だったんだよね。まずくしようなんて思う人はいないよ。
あれは不味い給食じゃなくて、マズイ時代だったんだ。
みんなが給食をおいしく食べられるかは、大人の責任なんだ。
などと小難しいことを考えている場合じゃない。次に給食を食べるところは、学校じゃなくて病院か老人ホームなんだ。
おいしい給食だといいなあと、切実に思うのであった。

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